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映画『ラストレター』を観て
皆さんこんばんは。澄田美稲(すみだみね)です。
皆さんは映画どれくらい観ますか?ひと月に一回くらいかもしれないし、半年に一回かもしれない。なんなら好きな監督の作品が出てきたときしか観ない人も勿論いらっしゃるでしょうし、そもそも映画が嫌いな人も当然のように一定数いらっしゃるでしょう。趣味が映画鑑賞で毎週末劇場に通ってます、なんて人もいる。
私の基本的な趣味は読書です。また別の機会に詳しく書きたいなと思っていますが、私は読書が何よりも好きです。その次に好きなのがゲームですね。ちょっと前にNintendo Switchを買ってしまったので最近はそればかりやってしまい、視力が心配になり始めました。
その次くらいに好きなのが、映画鑑賞です。映画館でどっぷりその世界に浸った後に流れるエンドロールを眺めるあの時間がとても好きです。
前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ本題に入りましょう。題名詐欺になっちゃいますからね。
題名にもあるとおり、少し前に岩井俊二監督の作品である『ラストレター』を観てきました。本作は原作である小説『ラストレター』も岩井監督の作品であり、原作から読みたい派の方は是非そちらを読んでから観てみてください。
Twitterで凝縮した感想を呟いているので、今回はその内容をもう少し詳しく書いていきたいなと思っています。
詳しくはまたnoteに書こうと思うけど、
— 澄田 美稲 (@SumidaMine0701) February 15, 2020
岩井監督の『ラストレター』を見てきた。
最近多い、「ここで泣くんだ!」っていう感じじゃなく。ただ淡々と出会いがあり、別れがあり、そして再会がそこにはあった。
誰かの人生の一コマを、そっくりそのままスクリーンに閉じ込めたような。そんな作品だった。 pic.twitter.com/YOxQ8Qn2w9
Twitterでも呟いている通り、湧き上がるべき感情を指定しない、ただただ優しい映画でした。どのシーンが一番感動するのか、どのシーンが一番好きなのか。どこのシーンで最も感情を動かされたのか。見る人によって全て違うのだろうなと思いました。
また、「このシーンが良かった」というのが一致したとしても「この台詞がよかったよね」というのが一致するにはまた一苦労するような。とても壊れやすくて、優しくて繊細で。でも確実にこの話は存在していて、確かに彼らは生きている。本当にこの世界に暮らす人の人生のほんの一瞬を。そのまま言の葉に紡ぎ出し、光としてスクリーンに映し出したような。そんな時間でした。
もしあなたがまだ観ていない、というのであれば。「観てください!」と分かりやすくお勧めはしませんが。この記事を読んで少しでも興味が湧いたなら。足を運んでみてはいかがでしょうか。
ただ、好き嫌いが別れる映画でもあると思います。私は尋常じゃなく好きですけどね。「自分には合わないかもな」と思ったら無理に行く必要はありません。そういう、優しい映画です。
ここから先は細かい描写を含むので、ネタバレになるところも多々あると思います。すでに観賞された方やネタバレが大丈夫な方のみ読み進めてもらえばと思います。
私が好きなシーンは、と聞かれてまず答えるとしたら。それは鏡史郎が鮎美と颯香と出会い、話をした帰りに二人を写真に収めるところです。過去に自分が愛した人と自分を愛してくれた人。そんな二人の娘の姿は母親にそっくりで。その二人の写真を撮った鏡史郎の心情は言葉では言い表せない。ただ別れ際に特に掛け声もなく流れるように二人の写真を撮った。とられた二人も、無言でそれを受け止め、よしとした。あの一瞬のために、鏡史郎の旅はあったのではないかと私は思うのです。
私が一番震えたシーンは、と聞かれたとしたら。迷わず鮎美と颯香が二人で花火をしたその夜に、二人で月明かりの中で話すところだと答えます。そこで颯香は花火の時に学校には行きたくないと言ってしまった理由が好きな人がいるからだと告白し、鮎美に笑われる。私はこのシーンがたまらなく大好きです。会話の内容ももちろん好きですが、「一番」好きな理由はそこじゃない。映像の美しさです。鮎美と颯香を演じられた広瀬すずさんと森七菜の美しさは言わずもがな。カメラワークから照明の当たり具合。カット割りに適度なズーム描写。全てが本当に完璧に美しく、映画館で見ていて思わずため息が出ました。あまりにも美しい。尋常でない美しさなのに、それでもあくまで日常であって現実離れしていない。そう感じさせる岩井監督の表現力に頭が上がりません。
この作品は私が今まで見てきた実写邦画の中では群を抜いてお気に入りのものとなりました。『ラストレター』と出会えたことを。運命というものに感謝したい。
最後にこの作品に出てくる大切な想い出を引用させていただいて、この記事を閉じようかと思います。
“本日私たちは、卒業の日を迎えました。
高校時代は私たちにとって、おそらく生涯忘れがたい、
かけがいのない想い出になることでしょう。
将来の夢は、目標はと問われたら、私自身、
まだなにも浮かびません。でも、それでいいと思います。
私たちの未来には無限の可能性があり、
数え切れないほどの人生の選択肢があると思います。
ここにいる卒業生、ひとりひとりが、今でも、
そしてこれからも、他の誰とも違う人生を歩むのです。
夢を叶える人もいるでしょう。叶えきれない人もいるでしょう。
つらいことがあった時、生きているのが苦しくなった時、
きっと私たちは幾度もこの場所を思い出すのでしょう。
自分の夢や可能性がまだ無限に思えたこの場所を。
お互いが等しく尊く輝いていたこの場所を。”
ありがとうございました。
澄田美稲