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中国・武漢帰省③ 1億人の共産党員

日記編 1/1

 今日は祖父にdeeplの使い方を教えた。祖父は20代の頃、英語教師をしていて、たまに英語でやりとりする。また、年の割にはパソコンを器用に使っていて、若い頃は小説を書いたり、統計のテキストを書いたり、機械を設計して特許も取ったことがあるらしく、多才な人だ。
 祖父はパソコンで色々と文章を書いているんだけど、それが中国語だから俺には読めない。だからdeeplで翻訳できることを伝えるために教えた。祖父は、中国独特の言い回しも適切に翻訳されてるのを見て感心してた。記念に祖父が書いた小説と統計テキストを持ち帰る。

パソコンに、詩やら散文やら武漢についての観光案内やらエッセイやら、書き溜めている
おじいちゃんが設計した機械。これを使うと、車椅子でも段差が移動できる。

 朝ごはんを食べる前に運動を済ませ、ぱぱっと軽く食べると近所に散歩に行った。彼女とその友達と電話しながら、武漢の景色を見せて回った。
 のどかな団地の敷地内、屋台が立ち並ぶ雑多的な道、高層ビルとマンションがうっすら見える橋、青空カラオケをしているおばあちゃん、他人の麻雀を見物してるたくさんの退職者達、デパートの尿検査トイレ、保護猫ショップなどを見せた。 
 家からデパートに行く途中に公園みたいなところを通るんやが、そこには簡易雀卓がたくさん置かれていて、毎日暇なジジババ達がゲームをしている。見物人も多い。休日のイオンのコインゲームコーナーの光景と若干似ている。でも、外でコミュニケーションを取る方が健康的なのかもしれない。

 元旦だけど、そこまで元旦感も無い。中国は何と言っても旧正月こそ元旦だろう。

この広場には毎日たくさんのオジィオバァが集まっている。カラオケしたり、ダンスしたり、麻雀やカードゲームをしたり、観戦したりして賑わっている。
スーパースター, Jay Chouとパシャリ📸(笑)

 散歩から帰ると急いで準備。今日は昼に父型の親戚と集まってご飯を食べる。レストランの場所は徒歩15分くらいのところだが、叔父さん(昨日とは違う方の)が車で迎えに来てくれた。
 祖父は6人兄弟で、この叔父さんは四男の息子。昨日の力士叔父さんが三男の息子。父は長男の息子なので、他の叔父さんからは「兄さん」と呼ばれている。

 レストランに着くともうほとんどが到着していた。大体の顔ぶれはもう覚えていて、誰が誰の兄弟だとか、旦那だとか、子供だとかは皆把握している。15-20人くらいはいただろうか。部屋は男女で分かれ、それぞれで食べた。
 次々と大皿の料理が運ばれてくる。普段食べれないものばかりだからよく味わっておく。俺は隣の12歳の従兄弟と日本のアニメやゲームの話をしてた。一見シャイそうだけどよく喋ってくれる。
 従兄弟は武漢語じゃなくて、マンダリンで話す。若い人はだいたいそうだ。だから俺もマンダリンの練習ができた。

 いつもみたいに、祖父兄弟達は一斉にフルボリュームで議論をしだす。これもいつもの光景。と思っていると、ん、どこか違うっぽくもある。ん、これは議論を通り越して、本当に口論しちゃってるなぁ。祖父兄弟の次男が、酒が入ったコップを怒りながらパッと持ち上げたせいで、中身の酒が周りに飛び散ってしまった。そして不満をぶちまけている。三男と口論してるみたいだ。
 何のトピックを話して喧嘩になったのかは分からないけど、三男が次男に対して、しつこいと怒り、それに対して次男が最後まで話をさせろと怒っているってのは分かった。横にいる従兄弟に、何話してるのか分かる?と聞くと、わからんって言われた。そりゃ俺に分かるわけ無い。

中国と言えば回転丸テーブル❗️🌀
 お腹が空いてた野良猫ちゃん

 本当に親戚で集まることが多いと思う。てか、皆近くに住んでるし。日本じゃあまり考えられない。事あるごとに集まってご飯を食べてると思う。ちなみに明日は母型の親戚が集まる予定だったけど、祖母がインフルにかかったのでキャンセルになった。明日は祖母の様子を見に行くことにする。

1億人の共産党員

 2023年12月31日時点で、中国共産党の党員総数は9,918万5,000人らしい。 
 党員になるメリットは、就職や昇進に有利であること、特に公務員や国有企業でのキャリア形成において、党員資格が有利に働くらしい。
 入党の基準としては、18歳以上の中国国民であることが必要で、入党希望者は、推薦人の紹介や一定期間の観察を経て、正式な党員として認められるプロセスを踏む必要があるとのこと。祖父はかつては国有企業で働いていて党員でもあった。推薦人?と良好な関係を築いたらしい。昔の名刺を見ると、総経理と書いてあった。そのおかげなのか、退職後の今も、特にお金に困っているようには見えない。
 祖父曰く、祖父が若かった頃はとにかく貧しかった。もちろん今も貧富の差が大きく、貧しい人はとことん貧しい。中国はとにかく不平等な国だと祖父は言う。党員の好待遇も、国民の血税で賄われている。お金のため、生活のために党員になる。
 そのおかげで祖父はある程度裕福になり、両親を日本へ送るお金も用意できた。祖父は孫の代、つまり俺の代からは中国を離れさせたかったという。その判断のおかげで今の俺がいる。中国で教育を受けて育つなんて想像もできない。


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