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【短歌】ヤマザクラ|文語の定型短歌を詠む 26

濡れ縁に花びら六枚散りてをり 三年待ちて山桜咲く

けかけの雨戸を置きて飛びいでぬ 桜の見える場所までせぬ

山荘を建てし年より隠れし桜の精に遂にまみえぬ

唐松からまつの木々より細き幹なれど負けずそびゆる山桜の木

山桜を伐らずにおきて建物を離してきし設計士のこう

「気まぐれで咲かない年もあります」と言はれて三年 山桜咲く

2013年5月 山荘の敷地内に咲いたヤマザクラ


2013年5月詠 『橄欖』2013年8月号 初出
見出し画像は2021年の同じ木。