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【日記】シュニッツェル|こどもの頃の日記から 5

196X年8月XX日 Y曜日 くもりのち雨 にわか雨がふる

頭をあらった。夕食が子牛のシュニッツェルだった。
今日はのんびり1日遊んでくらした。

*またまた爆笑表現が! 「のんびり1日遊んでくらした」小学生って!
たぶん、 I spent the whole day playing casually と頭の中で考えたものを日本語訳しているのだろう。

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196X年8月XX日 Y曜日 雨 悪い天気の日

公園へ行けなくてざんねん! 今日は英語のレッスンがあっただけで、その他はあまり変わったことやとくべつなことがない1日であった。ふつうのくらし。

*「ふつうのくらし」にも笑う。たぶん I spent it ordinarily と英語で考え、「ふつうにすごした→ふつうのくらし」と日本語にしてみたのだろう。


196X年8月XX日 Y曜日 くもり 少し寒い日

今日は公園に行った帰り、マリーナの家がわかった。帰り、Mさんや兄弟と歩いていると、アパルトマンの上の方から Hallo! と声がした。Mさんが Hallo! と答えたが、だれなのかよく見えなかった。そのまま行こうとした。

その人はマリーナのグロースムッター〔ドイツ語で祖母〕だった。おばあさんはドイツ語で「ココハ、マリーナノ、ウチデスヨ」とおっしゃったので、Mさんも私もビックリして window の真下へ近づいていった。

おばあさんの顔はもう見えなくて、アパルトマンの中からかいだんをかけおりる音がひびいてドアが開いて、マリーナの妹が出てきて、次にすぐ、お人形とボールばこと、かじりかけのアップルとパンを手にしたマリーナが出てきた。

私はうれしくて、うれしくて、しかたがなかった。すぐにあく手〔握手〕をして Grüß Gott と言った。

しばらくいろいろな話をして、またあく手をして、Wiederschauen! と言って、帰った。

こんなうれしい日は今までになかった。


*8月でも、ずっとくもりの日は寒さを感じるほどだったのは記憶にある。ウィーンは欧州の内陸部にある街で、緯度はハバロフスクくらいだから。

*マリーナのおばあさんのドイツ語の意味を日本語で書き、カタカナ書きにしているのが面白い。日本の漫画で外国人のセリフがカタカナ書きになっているのに影響されているのか。