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アトリエの見事さに、ひたすら感動する。

この場所の仕上げをして帰ってきた日。
私は思わず感動して、涙してました。

公立学校にいた頃
長期休みに入ると教室の環境整備をしました。

学校生活のわずかな時間を割き
狭い教室のわずかなスペースを使って
子どもたちがやりたいことが
自由にできるようにと
会社活動というのを設定していました。

百均に行って自費でいろいろ買い込み
事務室で画用紙の切れ端ボックスをあさり
使ってなさそうな紙をそっと持ち出して
百均で買った小さな引き出しとかBoxに入れて
できるだけ子どもたちが
触りやすい場所に配置する。

それでも会社活動が始まると
「先生、ダンボールほしい。」
とか
「もっと紙ほしい。」
とか言われて
三階の教室から
ダンボール置き場や
事務室を何度も
行き来しなければなりませんでした。

それでも子どもたちは
あるものを駆使して
遊び会社とか
イラスト会社とか
お笑い会社とかをつくって
休み時間を使って
教室でお祭りを開いたりしてくれました。

私は私が前に立って教える
つまらない授業よりも
100倍そういう時間が好きでした。

そしてもっと子どもたち自身に
委ねる時間と場所がほしいと願ってきました。



先日、ほぼ完成したアトリエは
まさに私の理想の場所でした。

左手前にあるのが、移動式の棚。
あらゆる種類のペン
のりとはさみとテープ
ダンボールカッター
などがあります。


こちらは材料の棚。
羊毛
ストロー
ビーズ
フェルト
いろんな大きさの布やわた
裁縫の道具とミシン
蜜蝋の材料や染め物の材料も
しまってあります。

こちら側にある画用紙棚に
あらゆる種類の紙があります。
空き箱やダンボール
絵の具コーナーもこちらに。


後ろは大量の本。
調べ物も物語も。
小さい人から大人が読めるものまで様々。


こちらは音を奏でたい人のために。
ギター
ウクレレをはじめ
打楽器や木琴もあります。


ここは小さい人がおままごとを楽しんだり
少しほっこりしたい人のスペース。
こういう少し狭く囲われた場所を
必要としている人はいるよなぁと
公立のときに感じましたが。
ここではどんなふうに使われるのでしょうか。


改めてみると
そこにはいろんな手形が残されていました。
シュタイナー教育
レッジョ・エミリア教育
子どもの森学園の教育
虫の世界の学び
楽器の世界の学び
公立学校の学び

それらがおいてある積み木や
素材や
収納Boxや
標本や楽器そのものや
黒板や校歌
そういうところから感じることができます。

ゆきちゃんが一つの積み木を手にとって
全部一つ一つ
蜜蝋を塗ってあるだと教えてくれました。

ここは決して買ってきてできるものではなくて
これまでに様々な人の手によって
作り込まれ
使い込まれたものだとわかりました。

そしてここにやってきてまた
様々な人の手によって
整理されて
並べられたものです。

私がたった1人で
かき集めたものでつくった
わずかなスペースとは
雲泥の差で。

多くの人の手と歴史を介してしか
生まれなかった場所だと思うと
これはもう唯一無二で
ものすごく価値のある場所だと
改めて感動するのです。

これは決して私が計画して作ったものではなく
コクレオのスタッフの人たちが
アイデアを出し合い
ゆきちゃんを中心に
たくさんの人が協力し合って作られた場所。

そういうすごい場所で
活動させてもらえるということが
とてもとてもありがたくて
この感動と感謝を伝えなくては
いられなくなって
口で伝えるのが苦手な私は
noteにすることにしました。

ほんとうにありがとうございます。

9月から
どんなふうに展開していくのでしょうか。

小学生たちは?
中学生はくるかなぁ?

木の幹の部分はしっかり話をしました。
だけど、あとは子どもたち次第。
枝葉の部分はどうなるか
わからないでいいです。

どっちに伸びるかを
はじめから決めてる木なんていません。
太陽がどのへんにいて
お山がどこにあって
隣の木がどうかかわってきて
風がどう吹いて
虫たちがどう蠢いて
そういうものが全部関わり合って
結果的に後から見たら
こう伸びてたんだということで。

でも木は長くその命を保てるよう
美しく立っていられるように
いつもそのときのベストを選んでいるに
違いないです。

だから
ただただ感謝を持って。

楽しもうと思います。

長々と読んでくださって
ありがとうございました。

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