[玉造温泉街再生秘話㉞]周藤さんの花道
いつもご覧いただきありがとうございます!
いよいよ最終回の手前までたどり着きました。
毎日ご覧いただいている皆様のおかげです。
ありがとうございます!
さて、この34話では
師匠であります周藤さんへの感謝のお話にしたいと思います。
もう、周藤さん愛にあふれるお話になりそうです。
周藤さんファンの皆様にはお楽しみいただけると思います♪
それでは、はじまりー
待遇に一切文句を言わない周藤さん
2019年 9月
周藤さんに打ち明けました。
「観光協会を卒業したいんです」
周藤さんも黙って苦笑いをして受け入れてくださいました。
その時に周藤さんの意思をお話されました。
以下、周藤さん
「角君、わしも3年前から、そろそろ引退したいと松江市や本部に話をしちょーだ(しているんだ)」
「でも、後が見つからんて事で… もう一年、もう一年と延長してきただ」
「それで、N部長(松江市)には、今年で本当に最後だけん、てことを伝えて、この1年頑張っちょーだ」
周藤さんも引退を決意されていたのです。
でも、毎年、留意されていた、という事でした。
そりゃそうです。
周藤さんほどの方はなかなか見つかるはずもありません。
そして、もう一つ問題がありました。
周藤さんの役職は事務局長です。
事務局長ですが…嘱託雇用なのです。
〔嘱託とは〕
☑ 一年契約です
☑ 給与も低く、松江市の規定では月額15万円です
☑ 賞与、昇給、退職金はありません
☑ つまり年間180万円です←高卒の初任給レベルです
☑ 周藤さんクラスでも金額はさほど変わりません
☑ ちなみに周藤さんも角も13年間ずーっと嘱託です
皆様、心配ありません。
大丈夫です。
周藤さんも角さんも自分の待遇に不満は一切ありませんでした。
むしろ楽しく仕事をさせていただきました。
兼業も許されていたので生活も出来ました。
※流行りのパラレルワーカーを13年間やらせてもらいました♪
しかし…
後継者となると、どうでしょうか。
その待遇では優秀な人材を確保するのは難しいのが現状です。
周藤さんはいつも ある事を心配されていました。
それは『自分のいなくなった後の組織の事』でした。
自分の事は後にする周藤さん
思えばこの13年間。
周藤さんはいつも地域の事を最優先にされてきました。
そんな周藤さんからは
自分の欲を一切聞いたことがありません。
13年間一緒に働いてきて、一度も、一瞬もありません。
ここで、24話で少し予告をした男気エピソードを紹介します。
2011年のことです(たしか)
観光協会のスタッフが1名増える事になります。
3人体制です。
それまでは周藤さんと角さんの2人で頑張ってきました。
ところが、まちづくりに頑張りすぎて…
角さんが少し体調を崩してしまったのです。⇒糖尿病となり、2週間ほど教育入院となります。
そのタイミングで1人増えるわけですが…
雇用するような予算はありません。
そこで、周藤さんが動かれます。
実は周藤さんには以前からオファーがありました。
それは温泉入浴施設の社長のお話です。
これを請けると2つの仕事をすることになります。
観光協会の事務局長と温泉入浴施設の社長です。
両方とも責任のある仕事です。
周藤さんは「観光協会で手一杯です」とずーっと断っておられましたが…
突然請ける事にされました。
びっくりです!
▲玉造温泉ゆ~ゆの社長もやることに…
なぜ突然請けることにされたのか…
それは
観光協会にスタッフを1名増やすためでした。
周藤さんは温泉施設の社長を請けるときに松江市に約束をされました。
「役員報酬を返納するから新しいスタッフの人件費にしてほしい」
つまり、無報酬で社長を請けられたのです。
こんな事を5年近くも続けられました。
このような方なのです。
時代おくれの歌詞そのままの生き方
周藤さんには大好きな歌があります。
酔っても大抵一次会で帰られます、が
たまに、気分が良いと、本当に稀に2次会に行くことがあります。
▲こんな感じの時。
スナックに行くと、1曲だけ歌われます。
酔って照れながら歌う周藤さんの歌を聞きながら
その歌の歌詞が、もう、周藤さんの生きざまそのものだと思いました。
その歌は
阿久悠さん作詞
河島英五さんの『時代おくれ』です、
もう、この歌そのままの生き方をされている周藤さん。
決して表に出る事をせず
常に控えめに
自分の事は後にする
それが周藤さんの美学なのだと思います。
生き方が言葉にあふれる周藤さん語録
周藤さんはミーティングをほとんどされません。
その代わりに、朝のパトロールやタバコタイムなどで大切なことを色々と教えてくださいます。
13年間、周藤さんから教えていただいたこと。
記憶の限りですみませんが書き残します。
1.まちづくりはひとづくり。
2.住んでいる人が誇りに思うようなまちにするのがまちづくり。
3.ないものねだりではなく、あるものを磨く。
4.即効性を求めても長続きしない。
5.目の前の問題に慌てず、じっくりと長期的に考える。
6.お祭りと観光イベントはちょっと違う。
7.お客様から欲しい、行きたいと思わせる仕事をしよう。
8.旅館やお店のおもてなしも大切だが、地域の人がおもてなしをやりはじめたら本物。
9.観光協会は公益性と市場性(収益性)の両立が大切。稼ぐのも大切だがそればかり考えるなら、それは観光協会じゃなく民間企業で良い。
10.田舎の魅力は住んでいると意外と見つからない。
11.机に座っていてもアイデアは出ない。現場で観光客とふれあう事が大切。
12.知らない場所には誰も来ない。知名度が観光地の命。
13.ヨーロッパに旅行に行った時は楽しかった。旅情を感じた。なぜなら日本語が一つも無かったから。
14.地道な努力を人は見ていないようで必ず見ている。必ず味方してくれる人が現れる。
15.ちょっと調子がよくなると人は天狗になる。そこに気をつけなさい。
16.イベントで主催者が酒を飲むなんて御法度。ちゃんとお客様を見て、喜んでいただいているかを確認して、次回につなげる。
17.自分たちで出来ることは自分たちでやる。業者に丸投げはしない。
18.若い世代の観光客にファンになってもらうことが未来の玉造温泉へのお土産になる。
19.遊びに来ている人を相手にするので自分も楽しくなろう。
20.補助金ほしさに始めた事業はうまくいかない。
21.稼ぐとは、稲穂を家に持って帰る事が語源だよ。だから禾と家と書く。
22.儲けるは自分を信頼する者を作ること、だから信者と書く。
23.だれにも必ず良いところがある。悪いとこを探すより良いところを見つけてあげなさい。
24.やりたい事を探すより、目の前の事を好きになる努力が先。
もうたくさんありすぎます。
まだまだあると思いますが、思い出せる範囲で書き記しました。
読まれた皆様にも共感いただけると幸いです。
そして最後に(個人的に最高の金言)
25.玉…には穂が合うと思う。
これは、私の長女の名付けの時です。
長女を授かったときに、どうしても玉造温泉の『玉』の字をつけたくて、悩んでおりました。
玉美、玉乃、玉緒、玉子、玉希 など色々候補がありました。
その時に周藤さんが
「玉穂がえだねか、とわしゃ思う」とアドバイスをくださいました。
2秒で決まりました。
▲名付けの親と対面する玉穂(当時0歳)
そして、第2子であり長男の名付けもお願いしました。
ところが、「長男は自分でこれだ!と思う名前をつけなさい」
と言われたので
尊敬する偉人から名前をいただきました。
角 実留(すみ みのる)です。
▲尊敬する偉人、周藤 實(すとう みのる)さんと角 実留(すみ みのる)くん当時0歳
▲2人とも周藤じぃじ、と呼んで懐いています
大学教授も絶賛
13年間で視察も多数こられました。
周藤さんの取組に感嘆されて帰られる方がほとんどです。
その中で、特に絶賛いただいた方が何人かおられます。
その御一人が東京農工大学大学院客員教授の福井隆先生です。
福井先生は地域ブランディングや商品ブランディングに精通した凄い方です。
その福井先生に
「玉造温泉の取組で一番印象に残ったことは何ですか?」と聞きました。
すると
「美肌・姫神の湯®って決めたことだね。これが一番凄いよ」
これを聞いて震えました。
凄い方から見ても間違っていなかったんだ。
周藤さんの凄さを瞬時に見抜かれたことに感動しました。
※2020年9月に福井先生のオファーで周藤さん、滋賀県で全国行政職員研修での講演に行く計画があるそうです。すごい!
周藤さんの花道
角さんには夢がいくつかあります。
その中の一つは
『周藤さんにTVに出てほしい』
『できれば、プロフェッショナルかカンブリア宮殿に』
このようにずーっと思っておりました。
13年前には寂れていた玉造温泉を
ぶれない信念と行動力で賑わいを取り戻しました。
そんな周藤さんが現役でいるうちに…なんとかしたい。
切に願っておりました。
ずーーーーっと願っておりました。
願いつづけて5年
ついに… その時が来ました。
▲2019年 ついにカンブリア宮殿に出演を果たした周藤さん
温泉の大逆襲と言う特集でした。
メインは草津温泉の町長でしたが
周藤さんは5分ほどの出演でしたが…
それでも、カンブリア宮殿に出演を果たされました!
角さんはこの放送を正座して、家族で見ました。
そして、もう、なんというか
言葉にならない、感無量というのでしょうか…
周藤さんを全国の皆さんに見ていただけたんだ!という
達成感が身体中からあふれていました。
そんな周藤さんは2020年現在も引退をすることが出来ず
現職として玉造温泉の観光協会で頑張っておられます。
この連載が注目されて、周藤さんが再び地域活性系のTV出演を果たされる日を切に願います。
第35話 最終回につづく
最後までご覧いただきありがとうございました!
もう、周藤さんへの愛があふれた記事になりました。
書いていてちょっと涙が出ました。
13年間、育てていただきありがとうございました。
さて、いよいよ次回は最終回です。
角さんが観光協会を卒業した理由を語ります。
お楽しみに!
第35話 新しいお役目 はコチラから
ここまで読み進めていただきありがとうございます! こうして読んで、コメントをいただいたことが大変励みになります。もし皆様のなにか参考になれば嬉しく思います。 皆様からいただきましたサポート資金のおかげでこうして続けられます。そして次の方にもご覧いただける事ができました。感謝☆