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[玉造温泉街 再生秘話⑧]デザイナーの仕事「本質を見える化する」
いつもご覧いただきありがとうございます!
毎日更新をするのが楽しくて仕方のない角さんです。
まだまだ2007年ごろのお話です。
玉作湯神社の願い石・叶い石はこんな感じで誕生したのか!というお話の完結編です。
温泉街とか地域再生に悩む皆さんの何かご参考になれば嬉しく思います。
古巣の財産
玉作湯神社の遠藤宮司さんから真玉さんのお話を聞いてから、角さんの頭の中は玉作湯神社…玉作湯神社… 神社ばっかり考えております。←まるで神社に恋したよう♡
その時にふと思い出します。
「…そういえば古巣の旅館に何かあったなぁ・・・」
それは旅館にご宿泊いただいた記念品として作っていた「めのうのお守り」というものでした。
▲奇跡的に1つ残っておりました。
この裏にハガキが入っていて、願い事を郵送いただき、玉作湯神社へ奉納する、という品です。
このハガキを実際に奉納して御祈願いただいていたのですが、なんと!!
実際に願いが叶いました!
というお礼のお手紙がいくつも旅館に届いていたことを思い出しました。
そうか!
このお守り!
勾玉の神社・・・ 石の神様・・・ 何かが結びつきそうな予感がします。
よし!これをまちデコの新規事業にしよう!
そこで内藤雄次さんに相談に行きました。
内藤社長はいつも明るく前向きで「やってみろ!」と背中を押してくださる方です。←大好きです!
そんな内藤社長に神社の真玉さん、このお守りの事業化を相談したところ、こんなお話をされました。
内藤社長「おー 神社の石ってあの丸い石の事かや?」
内藤社長「あーあれな!スゲぇなつかしいなー!あの石はいつからあるんだろうな?俺らが子供の頃は神社の境内でよくチャンバラごっこしててな、竹で刀を作ってな、戦いの前に あの丸い石の前に置いて必勝祈願してたな!ハハハハ!」
玉造生まれの内藤雄次社長も真玉さんの事はご存じの様子です。
さらに話は止まりません。
内藤社長「そういえば! なんだったかいなー あの石、みんなでなんとかさんって呼んでたな。えーと なんだったかいな。願い石とかそんなんだったかな?忘れたわ!ハハハハ!」
明るくてこっちまで楽しくなります♪
内藤社長「とにかくな、いい事だけん進めてみろ。PRは旅館組合で全面的にバックアップしちゃるけん」
内藤社長「儲かったら飲みに行こうな!ワハハハ!」
※冗談だそうです
ありがたいお言葉をいただきました。GO!とのことです。
そして周藤さんにもお話をしました。
周藤さん「おお!まことに えだねか!(とってもいいじゃないか)」
ニッコリ笑顔でOKをいただきました!
なんと周藤さんも小さいころに神社の境内でゴロ野球で遊んでいて、竹で作ったバットを試合前に真玉さんにお供えしてホームラン祈願をしていたそうです。
なるほど。
地元の皆さんに根付いている神様の石。
だんだんと構想に輪郭が出来ていく楽しさを感じておりました。
玉作湯神社=目的地
どんな神社?=勾玉の神様
パワースポット=真玉さん
お守り=めのう石のおまもり
キーワードがたくさんありすぎてごちゃごちゃしていますが…
玉造の歴史、過去の財産、数々の助言がなんとなく繋がってきました。
さて、これをどうやってまとめようかな?
デザイナーの素晴らしい仕事
そこで、古巣の旅館時代にお世話になっていた山岡さんに相談しました。
※彼は信頼できる仲間です。
角「山岡さん!あのですね、長生閣の時に一緒に作っていたメノウのお守りってありましたよね?」
角「あれを元にして、玉作湯神社に提案して何かできないかな、って思ってるんですよ」
※以下、神社のことやら真玉さんの事を色々と説明(約30分)
そしたら山岡さんも笑顔がキラキラしてきました☆
山岡さん「マジですか!…いいですねぇ。ヒットの予感がビリビリします」
※神社のお守りなのでヒットという表現が失礼にあたるのですが当時の言葉そのままに掲載しております。不快な方には申し訳ございません。
山岡さん「それじゃスペシャルなデザイナーをチームに入れましょう!」
おお!やはり頼りになります!
そして、早速次の日にフナコシくんという20代の若者を連れてやってきました。
フナコシくん「あ、どうも。デザイナーのフナコシです。ハハハ」
フナコシくんの第一印象は「挨拶がちゃんと出来ない不思議な空気な子」でした。
見た目はちょっとぽっちゃりでこじゃれた眼鏡をかけています。
イケメンですか?と聞かれるとちょっと返す言葉が難しいのですが…お笑い芸人に似た人がいるよねって答えています。
若いし正直まだよくわからないので不安な気持ちでした。
そのフナコシくんに今までの事を全部お話しました。
目的地のこと。
玉作湯神社のこと。
勾玉のこと。
真玉さんのこと。
内藤社長や周藤さんの子供の頃のお話。
宮司さんのお話。
そしてグッズを作って会社の経営を好転させたいってこと。
それはもう、熱弁です!(高いテンションで一時間はお話しました)
そうしたらフナコシくんは
めっちゃくちゃあっさりと「すごいですねー ハハハ」って返してきたので
「む!こいつ・・・大丈夫かよ」 と内心心配になりました。
ところが、1か月後にフナコシくんが持ってきた本質を突いたアイデアに感動することになるのです。
以下フナコシくん。
「角さん。今回のご提案ですが、まあ いい感じにまとまりました」
「まず、現状の課題からお話しますね」
▲まず現状(ビフォー)の確認です。真玉と勾玉です。
「現状の名前だとわかりにくいんですよ。特に勾玉はわかりにくいです。ホントわからない。ハハハ」
「ただ、そのわかりにくい勾玉が大切でして、この神社が勾玉の神社で勾玉を主役にするってところが本質だと思います」
「そこで、勾玉の事を色々調べたら古代のお守りと考えられるみたいです」
「玉造温泉の歴史も調べたらやっぱり勾玉にたどりつきました」
「玉造の玉って勾玉の事らしいですよ。あ、知ってました?ハハハ」
「だから、勾玉の神社と勾玉をわかりやすくしたいと思います」
「パッと見た瞬間に、何をするのかが すぐわかる!これがいいんですよ」
「なので、入口はわかりやすくしますが、神社の本質はしっかりと守る、そんな良いアイデアが思いつきました」
「特にまちづくりのターゲットを20代30代女性に変えるってことですし」
「という事で、これです」
「それで、叶い石というのは勾玉をわかりやすくしたお守りです」
「天然石とお札とお守り袋の3点セットになっていてお守りを自分で作ります」
「作り方はこうです」
「まず、出てきた石を願い石(真玉さん)にくっつけるわけです。これは御魂の分霊というこの神社でもやっていたらしい古来からの儀式です」
「こうして願い石から小石(叶い石)へ御力を分けていただきます」
「次に願い札に祈願内容、住所、名前を書いて奉納します」
※複写になっていて、一枚は奉納、一枚は持ち帰りです。
「箱に奉納してもらい、宮司さんに個人祈祷として御祈願いただきます」
「お守りの完成です。ハハハ」※以上フナコシくんの説明でした。
な!!!
これは!!!
めっちゃわかりやすいーーー!!
こいつはすごいデザイナーだと思いました。
※天才だと思いました。
この見た目、そしてこの名前だと瞬間的にどんなモノなのかが わかります!
※願いが叶う石!ですね。
フナコシくん「それでこうやってお守りを自分でつくるわけです」
なるほど!
今だからよくわかるのですが、フナコシくんはネーミングや商品開発を提案してきたわけではないんです。
本質をわかりやすく噛み砕いて、本質を見える化させたのです。
これは本当に驚きました。
しかも、そういえば内藤社長も小さいころに願い石って呼んでいた!(よく覚えてないらしいが…)
これは、、、神様からのギフトとしか思えないアイデアです。
フナコシくんごめんなさい!
あなたのことを完全に見くびっておりました。
これは素晴らしい!と感動した角さんはすぐに動きます。
早速 周藤さん、遠藤宮司さん、内藤社長に報告したところ、皆さん賛成いただきました。
とくに遠藤宮司さんは、さびれていく温泉街のことを非常に心配しておられていたようです。
そして、「神社の御祭神の御神徳が温泉街に授かることは大変喜ばしいことでございます」と氏子さん総代さんを熱心にご説得いただいたそうです。
このような経緯があり、2008年(平成20年)4月に叶い石が完成しました。※叶い石はまちデコで製造し神社に収める方式でスタート。
そして願い石・叶い石は観光協会、旅館組合の協力を得て、PRも始まります。
希望に満ちた新しい事業…ですが
ところが、、、そんなに簡単には参拝客は増えません。
まだまだ苦難は無くならないのです。
参拝客が徐々に増えてきて、温泉街を歩く観光客が増えて、まちデコ倒産の危機を救うようになるまで1年近く時間がかかるのでした。
第9話へつづく
最後までご覧いただきありがとうございました!
この叶い石は、その後 爆発的人気となります。2013年には年間参拝客数が100人⇒25万人となるのですが…(約2500倍!) そのお話は後程に。
さて、次回は、行政にありがちな「予算がない」という概念を覆す周藤さんの素晴らしい働き、のお話です☆
お楽しみにー
第9話 予算は大丈夫 はコチラから
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第7話 まちの中に目的地を作る
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