“大企業にはない魅力と環境”技術とアイデアで「価値」を生み出す
大手企業を渡り歩きUXデザインチームメンバやPdMとして実績を積んできた佐々木。
自身でもコーディングを行い、SQL、Tableauも使いこなすPdMが、なぜ大企業からスマサテに転職したのか。その経緯や現在プロダクトマネージャーとして取り組んでいること、スマサテとご自身の今後の展望などについて聞きました。
佐々木 紘
新卒でワークスアプリケーションズに入社し、UI/UXデザインチームの一員として、製品の要件定義や画面の作成、海外のデザイン・エンジニアチームの進捗状況把握、アウトプットレビューなどを担当。自分自身でも細かい修正ができるようにHTMLやCSS、JavaScriptを学ぶ。
その後、プロダクトマネージャーとして医療系IT企業のエムスリーに転職。SQLなどを用いてプロダクトの数字を集計、可視化する業務を行う。また、Tableauを積極的に活用して大きな成果を出したことでTableauの全社導入を実現するなど、数々の実績を残す。
2022年12月にスマサテに入社し、PdMを務める。
大企業から名前も知らない会社へ
有能なメンバを惹きつける“組織としての魅力”
―佐々木さんがスマサテに入社したきっかけはなんだったのでしょう。
2022年10月頃に転職サイトを通じてスマサテからメッセージをもらいました。実は、当時は積極的に転職を考えていたわけじゃなかったんです。しかも、正直スマサテのことも知りませんでした。
ただ、スマサテ代表の山岸がクックパッドの元副社長兼COOだったという経歴を知り興味を持ちました。そしてだんだん知っていくうちに「こういう人と一緒に仕事ができるのは面白そうだ」と感じたんですよね。
それから、私自身が頻繁に引っ越しをしたり、リノベーション物件が好きだったり、もともと家や建物に興味があったんです。だから不動産に関する事業をしているスマサテに関心をもったというのもあります。
―転職を考えていないところから2か月で入社するほど、スマサテに惹かれた理由があったのですか?
私がこれまでに勤めた2社はどちらも大企業でした。その安心感はもちろんあるんですが、一方で大企業であるがゆえの物足りなさも感じていたんです。大きな組織では、既に大きくなった事業を数パーセント成長させる経験は出来ます。でも、自分でゼロから製品や事業、組織を作る経験は出来ない。やはりプロダクトに関わる人間としてはそんな経験をしてみたいと思ったのが、スマサテ入社の決め手です。
それからスマサテでは、ある程度採用選考が進むと全社員が参加するランチ会に招待されます。私もランチ会で代表をはじめ役員や社員と話す機会がありました。そのときに「この人達と一緒に仕事をしていく」というイメージがしっかりできたことも大きなきっかけでした。
徹底した機能改善で培った高品質が「プロダクトの価値」を育てる
―改めて「スマサテ」というプロダクトについて教えてください
スマサテは賃料査定、つまり賃貸物件を借りて住むときの賃料を査定するシステムをメインとしたプロダクトです。不動産に関わるデベロッパーや不動産管理会社、融資をする金融機関といった法人、個人の不動産オーナーに利用されています。
賃料査定にはいくつかの方法がありますが、一般的には類似物件がどの程度の賃料で貸し出されているか、エリアや相場を見て決めることが多いんです。この場合、比較対象となる類似物件を探すために、いくつもの不動産ポータルサイトを見て広さや間取り、築年数、駅からの距離などの条件を一つ一つ照らし合わせなくてはいけません。これは非常に工数がかかる作業です。しかも、やっと情報を集めたとしてもまだ大きなハードルがあるんですよね。それは査定する人間側の、いわば個人差です。業界のベテランであれば経験を活かして、集めた情報から安定した査定ができますが、経験の少ない若手にはその情報だけでは査定が難しい。このような理由から、査定業務は担当者によって差が出てしまうという事態に陥りがちでした。
さらに査定に付随する業務量の問題もありました。賃料の妥当性を示すレポートや資料を作って社内稟議にかけたり、オーナーへ説明をしたりする必要があるので、こういった資料の準備にもかなりの時間がとられていたんです。
スマサテは、このような数々の課題を膨大なデータを活用することで解決できます。
具体的には、顧客は査定したい物件情報をスマサテに入力するだけで、類似物件を高い精度で探索することができる。また、アルゴリズムにより最適な賃料の査定結果を得ることができるので、誰でも簡単に安定した査定を行えるようになります。
また、特に顧客から高く評価されているのがレポート機能です。査定結果だけでなく、なぜそのような査定になったのかという根拠が提示されること、さらには調査したエリアの世帯や住人の年代、周辺施設などまでレポートに整理されるため、大幅な業務効率化につながっています。レポート自体も、最終的な査定判断の材料として重宝されているようです。
これがスマサテが提供している価値です。
―スマサテの市場特性についてはどうお考えですか?
例えば、人の一生を考えても不動産に接するタイミングは何度もありますし、不動産業態も多いですよね。不動産および不動産に関わる業界そのものが非常に大きな市場なんです。デベロッパーや不動産管理会社だけでなく、金融機関・投資ファンドといった業態へのスマサテ導入も増えていますし、最近では個人オーナー向けのサービス提供も開始しました。今後はリフォーム業者やリノベーション物件を取り扱う業者などにも拡大できると考えています。また導入してくださる企業の規模も、全国に数万人の従業員を抱えている大企業から、街の不動産屋さん、個人オーナーと幅広いこともスマサテの特徴です。
近年は不動産テックを扱う企業が増えていますし、査定にフォーカスしたサービスを提供している企業も少なくありません。その中でスマサテは、国内の管理戸数ランキングトップ10に入る企業の大半に導入されており、競合は多いもののシェアの優位性は非常に高いと言えます。
また、現在スマサテは賃料査定にフォーカスしていますが、賃料以外のデータも豊富に持っています。これを活かして、今後は不動産売買や不動産投資、リノベーションといった領域にも可能性を広げていけると考えています。
―スマサテは順調にシェアを広げていますが、その理由はなんだと思われますか?
とにかく品質にこだわっているからではないでしょうか。スマサテは年間に数十回のアップデートを重ねていて、細かなところから大きめのところまでさまざまな機能改修を頻繁に行っています。顧客からのフィードバックや要望をもとに機能改善の優先順位を決め、できるだけ短いスパンでアップデートをかけるという意識が、会社全体で非常に高いんです。
実際に顧客の話を聞くと「他のサービスと比較してもスマサテが使いやすい」「もともと別の査定システムを使っていたけど、スマサテを試したら良かったので乗り換えた」というお声が多く、品質意識の高さや改善に対する姿勢が評価されているのだと感じています。
それを実感する場面がもう1つあります。スマサテ導入のタイミングです。スマサテは、まずは無料で提供しその後に有料化をするという戦略をとっています。”今まで無料で使えていたものが有料になる”となると多少なりとも抵抗感があり障壁になるかとも思っていたんですよね。でもそれが意外なほど無かったんです。一度使えばその質の良さを感じられる製品なので、無料提供の時点でスマサテの「価値」を実感いただける。だからこそ、その後の有料化にも非常にスムーズに進んでいただけるのだと思います。
これまでの“経験”とこれからの“成長”
会社の規模や業界を問わず活躍できるPdMの価値観とは
―現在、プロダクトマネージャーとして取り組まれていることを教えてください。
今はかなり広範囲な業務を担っています。プロダクト開発に関わる部分でいくと、新規プロダクトの開発、機能追加の仕様・デザインの作成。それ以外でも、データやドキュメント整理など、会社の成長を見越した準備までさせてもらっています。
その中でも、スマサテで私が特に期待されている領域が「データの民主化」だと思います。社内の誰もが最新のデータにアクセスでき、全員がそのデータから共通の認識を得ることができる。それを実現できるよう動いています。
具体的には、まずTableauをスマサテにも導入しました。蓄積されたデータやログを可視化することで、ユーザーが日々どのようにスマサテを使っているのか、ユーザーの利用がどう変化しているかが分かるようにしています。この部分は私の得意分野なので、さらなる改善が期待されていると思っています。
また、ドキュメントやガイドラインの整備にも積極的に取り組んでいます。私が入社するまではドキュメントを残す文化がなかったので「どういう判断でこの仕様にしたのか」「どんな効果を狙ってこの施策を行い、どんな結果が得られたか」といった経緯が分かりにくかった。だから、そういった経緯が分かるドキュメントを残し、今後の業務に活用していきたいと考えています。ガイドラインも同様で、例えばデザインのルールを明文化しておくことで、今後メンバーが増えても品質やスピードを維持できる、そんな環境を整えているところです。
もうひとつ、個人的なところで言うと、不動産に関する知識を深めるために、半年ほどかけて不動産関連の資格取得の勉強をしようと考えています。実はスマサテのメンバには不動産業界出身者がほとんどいないんですよね。これからは、顧客と同じ知識や目線で話ができるよう、ITの知識だけでなく不動産業界のドメイン知識を持った上でプロダクトを作っていきたいと考えています。
―開発チームとのコミュニケーションにおいて意識していることはありますか?
例えば機能の実装を依頼するときはやみくもに頼むのではなく、ある程度の実現可否や進め方を考えた上で話を持ちかけるようにしています。
またスマサテは頻繁にアップデートを繰り返しているため、優先順位の変更や割り込み作業も少なくないです。その際には「なぜ優先順位を変更するのか」「変更によって顧客にどんなメリットがあるのか」といった根拠を明確にして話をし、お互いに納得感を持って作業できるよう心がけています。
このあたりは、私自身コーディングをしてきた経験があるので、それを活かせているなと思いますね。
―最後にどんな価値観を持った人と一緒に仕事をしたいか教えてください
個人的には好奇心が強い方と働きたいです。スマサテに興味を持ってくださるエンジニアの方は、必ずしも不動産に詳しい方ばかりではないと思うんです。だからこそITの知識だけでなく、「不動産業界とはどんな業界でどういう顧客がいて、どういった業務をしているのか」そんなことに興味を持って、積極的に知識を吸収してもらうことが大切なのではないかと思います。仕事だから学ぶのではなく、興味があるから学ぶ方が知識も情報も入ってきやすくなるので、好奇心の強い方と働くと楽しいだろうと考えていますね。
スマサテという会社目線で言うと、“機能を実現すること”ではなく“顧客の課題を解決すること”を目的として考えられる人。つまり当事者意識を持って積極的に動ける人が、この会社のカルチャーには合っていると思います。
スマサテでは、メンバが新しい技術やツールを試せる環境作りに取り組んでいます。例えばChatGPTの有料アカウントを全員が使えるようにしたり、テストツールの導入を後押ししたりといったことを積極的に行っています。また、書籍の購入や不動産関連のイベントへの参加など、情報収集に必要なサポートも手厚いです。
そういった点でも、好奇心があって積極的に動ける方であれば、成長の機会は非常に多い会社だと思います。