「恋」する気持ちの量には、個人差があるように見えた。
人によって恋愛に対して溢れる気持ちの具合。「恋愛」に対する感じ方の総量、そこには違いがあるようだ。
「恋愛」その一言の言葉で感情は言語化され、一括りに呼ばれているが。簡単に一言に収まるほど人の心は単純でもなさそうだ。明らかに自身の持つ感じ方の総量のその違いで自身の満たされている具合、満足感での違いが有ると感じている。
例えば、一途にも特定された一人の相手からの愛情でも、満足な状態を得られ感じる人も居れば。不特定多数の縛られない相手からでの愛情で満足な状態となる人もいるように感じる。
そして、恋愛の中で起こり得る束縛の強さや、反対に、何事にも寛容さに溢れた人。何かの問題で相手を責たくなる人や、逆に自己険悪に陥る人と。何かが、何処かが異なる為に、恋愛に対する考え方や行動にも変化が目に見えて現れる。
その分量の違いを、相手からの好意を受け入れる器の許容範囲と考えれば良いのだろうか。
どうやら、恋愛対象の相手を見つけた時に用意した恋愛の受け皿が、あまりに大きすぎる器を抱える人は、いつも満足感に欠けているようだった。相手からの好意を示されたとして本人の解釈では足りなさを感じて、不満感に苛まれ、相手に対して「まだ足りない」と、欲しがり求める状態にあるように見えた。
どうやら、恋愛対象の相手を見つけた時に極小の総量の器しか持たないない者はあまり相手には愛情表現すらも求めず、アッサリとした関係を構築し付き合いを続けているように。そこには、アッサリとした関係であるからこそ相手からすれば、そこに恋と言う感情が有るのか無いのか認知がしずらい。
実際、本当に恋愛の感情を抱かない"アセクシャル"と呼ばれる人が存在していた。対人に対して、恋心を抱く器が無い人も存在している。それは、たぶん"恋愛依存"の反対に値する人間のようで。たしかに、この世の中には恋愛を受け入れられる総量の許容範囲に、個人差での違いがあるのだと思える。
そして自分から器の容器を用意するも、その器に注がれる相手がいなければ、心の器は乾いたままの状態になる。相手に注ぐ意思がなければ満たされることはないのだと思う。典型的に片想いなどは、満たされない気持ちで溢れるばかりであって。
相手から注がれる愛情とは、自分が持っている器を満たしてもらい。それ次第で満たされた時に、自身の満足度や幸福度も変わるのだろう。
ここで、自身の器の大きさと、相手の与える愛とか恋とかの大きさとのバランスが重要になるのだろう。
相手から、どれだけの愛情表現をされ注がれようとも。それが、自身の器の大きさにして"少ない"と捉え、そう感じる程度にしか注がれなければ。足りてなさや不満足感を感じるのは当たり前で。「自分は、相手から本当に愛されていないのではないのか?」などと錯覚を起こすのも仕方がないのかもしれない。
もしも自身の器が、おちょこ程度のように小さいもので有るのならば。相手から注がれる愛情表現なんてものも大した量ですら必要ともせずに、不満足感すら感じないのであろう。相手から注がれた少ない量だったとしても、自分の気持ちは満たされてしまうのだ。
それらが良いのか悪いのかではなく。
つまり自身が持つ恋の器の許容範囲とは。大きくなればなるほどに、相手に求めた愛情表現なんてものも多くなるのだろうと考える。受け入れる許容範囲が小さくなればなるほど、相手に求める量も少なくて済むのだと思う。
恋愛においてその辺りの個人差とは、自身の持つ恋の器の大きさと、相手が出せる愛情表現での総和が一致する事で、円滑な関係を築けられて。充分に満足感を得られることなのだと捉える。
相手からの愛情表現が、自分の器に足りない程度に少な過ぎたら、満足感は得られないが。ただ、逆に多過ぎるのも問題となるかもしれない、注ぎ過ぎの愛なんて器から溢れ落ちるので。受ける側も「もう充分、いらない」と拒みたくなるようで。
受け取り側に問題があるのではなく、愛情を注ぐ側にも程度と言う加減が必要でもありそうで。その加減とはその相手の器により異なるというもので。そもそも、注ぐ側も、注がれる側の許容範囲をも見極める必要がありそうだ。
とはいいつつも、そんな相手の精神的な面を見抜けるほど人の目は器用でもなく複雑で技術が必要でもある。誰であっても、その量を見誤ったりしている。経験を積み重ねていくうちに大体個人差である器の大きさの違いにも目分量のように、感覚的に分かってくるのだろうか。
精神的な面は、恋愛においては最も肝心な部分であるのだと思い。恋する時は物理的に起こり得るものではなく、内面的な要素から湧いて起き上がるものなのだろうと思うから。
この世の中には同じような恋愛や、同じ愛情表現で皆満足出来るほど、一律な心を人間には用意されて無さそうに僕は感じていた。一人一人の個人が恋愛に対しての求める量と、与える量との違いで。それぞれ感じ方や、考え方で異なっていて。
相手との気が合う合わないの、その一つの原因や要因としてありそうな気がした。
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