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charのライブ

コロナが流行する前のことなので、もう5年ほど前のことになりますが、友達のbちゃんと一緒にライブに通い詰めてた頃のお話しを書こうと思います。

bちゃんとは、ジャンルを問わずいろんなアーティストやバンドのライブに行きました。

中でも、わたしとbちゃん共通の大ファンと言えばcharです。

チャンスがあれば、何度もbちゃんと一緒にcharのライブに足を運びました。

今は五年前とスタイルが変わってるかも知れませんが、わたしたちが通いつめていた頃のcharのライブの様子に焦点を当てて、記憶を辿りながらお話しを進めたいと思います。

わたしたちが通ってた会場は、主に北上市(岩手県)か仙台市(宮城県)のどちらかでした。

我が地元から会場まではどちらもかなりの距離があり、車を運転して行くのですが、運転はいつもわたしの係りでbちゃんはナビゲーターの係りでした。

わたしたちがライブに行く日はcharのときに限らず、何故か天候の悪化に見舞われることが多く、高速道路の渋滞や交通規制を迂回するためbちゃんの機転の効いたナビゲート必須でした。

大雪や台風で、わたしの運転テクに自信がないときは急遽、車を途中の駐車場に預けて公共の交通機関で向かったりもしました。

なので、bちゃんとはライブの思い出の数とほぼ同じ数の道中秘話があります。

「もう開演まで間に合わない、絶対無理!」と二人で半ベソかきながら駆け込んでも、なぜか必ず最後にはギリギリで間に合い、開演間近でちゃっかり客席に座ってるというミラクルは、伝説として後の世に語り継がれることだろうと思います。

さて、本題に入ります。

charほどファン層に幅の広さを感じさせるアーティストはなかなかいないと思います。

細かくみれば中高年層が目立ちますが、でもでも、しっかり若い子たちも大勢来場してます。

男女比は五分五分で、老若男女に愛される稀有なアーティストの一人です。

お客さん達も、通い慣れてる感バリバリの人たちばかりなのでみんな小慣れた雰囲気で、他のアーティストのライブと比べると気負いがなく、ステージと客席の間に隔たりをあまり感じない気さくなライブになります。

かと言っても、一線は超えないよう、ステージと客席の間は屈強そうなスタッフたちにしっかりと守られていて、発狂したお客さんがステージに乱入してこようものならただちに取り押さえられ、後ろの席の人たちが前になだれ込もうものなら全身タックルでせきとめられ、身体を張った鉄壁のガードで守られてます。

狂ったお客もスタッフもどっちも怖いです。

charはライブの序盤、内向きのベクトルでバンドメンバーたちだけでノリをつくっていくように感じます。

内輪の演奏を楽しんでるように見えてしまうので、お客としては置いていかれてる感はあるものの、続けざまに淡々と曲を繋いでいく様は潔くもあり、胸がすく思いで聴き入ります。

charのスーパープレイとそれに合わせるバンドメンバーが創り出す空間の中で、徐々に皆んなの頭が揺れ身体が揺れていきます。

会場が程よくあたたまった頃にcharのMCが入り、ドライなユーモアでもって客席との距離をグッと詰めていき、中盤に密度の濃い曲(エモいやつ)で感情を高めつつ往年のヒットパレードにもつれ込んで行きます。

その頃にはもう、お客さんたちは程よく分泌された脳内麻薬が血管を駆け巡り細胞を浸して非日常の世界へ没入、70代は20歳に、60代も20歳に、50代は19歳に、40代は18歳に…ティーンエイジャーはそのままにって感じで、皆さん血の気が多くなり髪を振り乱し拳を振り上げシャウトします。

わたしも拳を振り上げながら目はcharのプレイに釘付け、間の取り方や音の抜き差し、音階の選び方など参考にできるものは吸収しておこうとやっきになるものの、バンドメンバーの力量におされて知らず知らずに音楽そのものに飲み込まていて、ついには空間に揺さぶられるクラゲになってしまいます。

コールアンドレスポンスで完全に一体化した会場で、定番の曲を連発しながらノリノリのままエンディングへ…。

最後にcharの右手が最前列のお客の前に差し出され、半狂乱のファンの方々が我も我もと握手を求めて列を崩していき、この日一番のスタッフの稼ぎ時を狙い、わたしは揉み合うお客とスタッフの間をうまくすり抜け最前列に突入、見事にcharの右手に私の右手を滑り込ませるのです。

束の間の幸せ〜♡(ここはどこかえ?天国かえ?char笑ってくれてるし(//∇//))

bちゃんを誘うも、bちゃんは揉み合いに躊躇して動けず…(-。-;

charと握手を交わした後、席に戻ってくるわたしの右手にbちゃんから向けられる羨望の眼差しが…!(◎_◎;)

最後の曲が終わり、一旦ステージから去ったcharとバンドメンバーが、大きなアンコールの雄叫びに応えて再び姿を現します。

さて、実はここからがcharライブの怖いところなんです。

皆さん、アンコールするときは心してかかって下さい。

決して軽はずみな行為に及ばないように。

どうしてもというときは、帰りの交通手段や明日の仕事の段取りをよく考慮した上で行って下さい。

なぜこんなことを言うのか?

それはね

アンコールが終わらないんです。

ここがライブの中盤だったのか?

と思ってしまうほど、いつまでたっても終わらない。

わたしとbちゃんは得した気分に浸って最後までノリノリでいられるけど、他県から来たひと大丈夫?って思うほ長丁場になります。

char、残業代でんの?

ファンサービス通り越してますね。

charもバンドメンバーも純粋にプレイを楽しんでいるようで…。

もちろんこんな調子じゃないときもありますが、わたしたちが足を運んだライブではおおむね後半は長丁場になる傾向にありました。

わたしとbちゃんにとっては、チケット2回分払ってもいいくらいの価値のあるライブで毎回楽しませて頂いてました。

というのが、わたしとbちゃんがcharのライブに臨むときの傾向と対策でした。


帰りの道々、ゆっくり走る車の中でbちゃんと反省会。

いつも驚かされるのがbちゃんの分析力。

音響のバランス、音の硬さ柔らかさ、全般通しての音質の変化などなど、事細かな評価が始まるので、帰りはbちゃんの独壇場となります。

最後にはいつも音に溺れて気持ちよく揺られるわたしとは対象的に、1音1音漏らさないように味わい尽くす集中力にはいつも恐れ入ります。

わたしはbちゃんの話しを聞きながら「そうだっけ?そうなの?そうなんだ…ふ〜ん」って、ほんとに同じ会場にいたのかよってほどの無頓着ぶり。

二人ともフォーカスするポイントは違うけれど、思い思いにcharのライブを楽しんでました。


コロナ以降、行ってない。

先日、地元で行われた落語のイベントにbちゃんから誘われて行ってきました。

地元かよっ!落語かよっ!

って感じですけど、一回聞いたらすごく面白くて感動でした。

いまbちゃんと一緒に落語にはまってます。

Spotifyにダウンロードして聞いてます。

諸行無常…諸法無我…(チーン…)

移ろいやすい人の心。

でもさ、

そろそろcharのライブ行きたくなってんだけど…。

ねぇ…bちゃん。


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