【ウクライナ戦況】11月8日。ハルキウで民間人の避難続く|ロシア軍ドネツクの一部を確保|ウクライナの子供が6000人以上ロシアへ移送される
いつもお伝えしている方が動画休止してしまいましたので、
日頃調べているウクライナ戦況をお伝えします。
11/8に公表されたウクライナ軍参謀本部、戦争研究所のレポートを中心にまとめています。
BGM
OST of WoWP - Wargaming.net
■内容
みなさんこんにちは。
今日もウクライナ情勢についてお伝えします。ウクライナ情勢について知ることは、東欧の経済情勢を知る上で重要です。以前は地図で紹介していたかたがいらっしゃいましたが、現在休止気味ですので、本家が戻ってくるまでは、簡単ですが、日頃調べていることをお伝えします。
■まずは全般的な事柄です。
ウクライナのレズニコフ国防省は地対空ミサイルNASAMSの提供を受け、ノルウェー、スペイン、米国に謝意を表明しました。
NASAMSは、ノルウェーとアメリカが開発した中高度防空ミサイル・システムでAIM-120 AMRAAM空対空ミサイルを地上発射化したシステムです。
ホワイトハウスの防衛にも利用されていることで有名です。
また、ワグナーグループのプリコジンは、ロシアのクルスク州とベルゴロド州に私設の訓練センターを開設していることがわかりました。また、チェチェンの指導者カディロフとともに、ロシア軍から人員を引き抜いて独立した軍事組織を作っています。
彼らは、ロシア軍の軍事作戦や指揮について不満を述べています。今後、彼らはロシアのためでなく、自らの個人的利益のために行動するのではないか考えられています。
■それでは、各地域の戦況です。
●ウクライナ北東部 ハルキウ州方面
ハルキウ州北東部の国境線付近のロシア領ではロシア軍が塹壕を掘っています。ウクライナ軍を北に引き付けるためと思われます。
スバトボでは、引き続きウクライナ軍が反撃しています。
ウクライナ軍はスバトボの北西のノヴォセリフスケに向かって攻撃を仕掛けました。また、この付近では散発的に戦闘が行われています。
ロシア軍はスバトボ周辺のウクライナ軍陣地に対しサーモバリック爆弾を使用しました。
サーモバリック爆弾は、ハロゲン酸化剤、ホウ素、アルミニウム粉末、ケイ素粉末、マグネシウム粉末などから構成され、爆発すれば衝撃波と空気中の酸素を奪って広範囲に敵を殲滅させるものです。
逆にこのような爆弾に頼る必要があることは、ロシア軍に通常の弾薬が底を尽きつつあると考えることもできます。
ロシア軍はクレミンナの西側で陣地を失い、取り戻すために反撃に行い、ヤンポリウカ、マキーウカに対し攻撃を行いましたが、失敗しました。
ワーグナーの部隊がクレミンナの南、ウクライナ軍が奪還したビロホリフカに入ったとの報告があります。
●ウクライナ東部 バフムト方面
ロシア軍は、バフムト北のバフムツケ、ベレストヴェ、ヤコヴリフカで、ロシア軍の攻撃を撃退しました。
一方、ロシア軍はバフムトの南側で活動しています。昨日お伝えしたイバンヘラドは、ロシア軍が確保しました。
この方面では、ワグナーの部隊がウクライナ軍の防衛線を突破していて、ウクライナ軍は損失をこうむっていると思われます。
●ウクライナ南東部 ドネツク州
ドネツク州では、カミアンカ、アウディーイユカ、オプトネ、ペルボマイスケで戦闘が行われています。
ロシア軍は、ドネツク南西部のマリンカ、パブリフカとノボルハイリフカで攻撃を行いましたが、いずれもウクライナ軍が撃退しました。
ロシアの軍事ブロガーによれば、特にパブリフカのウクライナ軍陣地は攻撃が難しく、ロシア軍はかなり疲弊していると報告しています。
●ウクライナ南部 ヘルソン州
この方面では大きな変化は報告されていません。
ロシア軍は、引き続きドニエプル川西岸から民間人を退避させています。
一方、ウクライナ軍はヘルソン方面に部隊を集結させています。これが領土奪還に向けた動きなのか、ただロシア軍を引き付けているだけなのかは不明です。
ウクライナ軍は、ベリスラフ・ライオンとホラ・プリスタンのロシア軍集結地を攻撃し損害を与えました。
■その他
ロシア占領当局は、ウクライナの子どもたちをロシアに送り続けています。
11月にはロシアの占領当局が 6032人のウクライナの子供をロシア占領地域とロシア連邦に送ったと報告しました。また、ロシアの占領当局は 11月の第1週だけで300人以上のウクライナの子供たちをルハンシク州から移動させました。
子どもたちは、一旦ヘルソン州のオレシキフ児童寄宿舎に集められ、そこから子どもたちの一部は、サンクトペテルブルグに送られ、リハビリテーションの名のもとでロシアの教育を受けることとなります。また、ロシア当局は、ウクライナの子どもたちを少なくとも92人、ロシアの家族に養子縁組させました。
アメリカの戦争研究所によれば、ウクライナの子どもたちを国外に移送し、強制的に養子縁組をすることは、意図的な民族浄化キャンペーンに相当する可能性が高いとしています。
今日は以上です。
ご視聴いただきありがとうございました。