【301】スマホ講習会の教材作成と生成AI(1) 2025年、生成AI教材の新時代始まる
教材は、講師が講座を進める際の「地図」として機能します。講座内容を整理し、必要な情報を体系的に提供することで、運営が計画通りに進行します。
その教材について、生成AIの新しい波が押し寄せています。
スマホ入門講座の教材タイプの略史
2024年現在、ボランティアグループが主催する各種講習会では、次のようなタイプの教材を利用することができます。
パソコン及びWord/PowerPointで編集した教材
書籍教材
生成AIで編集した教材
スマホ入門講座を例にとって、それぞれの教材タイプが、我が国では、いつ頃どのように、講習会現場で利用されたか、展望してみます。
(1) パソコンおよびWord/PowerPointで編集した教材
利用され始めた時期:
パソコン教材が広く活用されるようになったのは、2000年代後半から2010年代にかけてです。スマホ普及と同時に、自治体や地域団体、企業が講座を開催する際の主要な教材形式として採用されました。どのように利用されたか:
スマホの画面操作を再現した図解やスクリーンショットを用いたスライド教材が作られ、講義や実践型学習で使用されました。
地域の公民館やカルチャーセンターで行われる講座で、パソコンとプロジェクターを使ったプレゼンテーション形式の教材として普及しました。
学習内容を参加者用に印刷した資料としても利用され、学びのサポートに役立ちました。
カスタマイズの自由度が高く、各講座の参加者層やレベルに応じて調整可能だったため、多様な講座で重宝されました。
(2) 書籍教材
利用され始めた時期:
スマホ入門講座の書籍教材は、スマートフォンが普及し始めた2010年代初頭に広く利用され始めました。特に2012年頃から、スマートフォン利用者が急増したことで、その操作方法を解説する書籍が出版されるようになりました。どのように利用されたか:
初心者向けのわかりやすい解説を特徴とし、特に高齢者を対象にしたものが人気を集めました。
書店や図書館、地域の講座で配布され、スマホ操作に不慣れな層にも手軽にアクセスできる教材として定着しました。
例: 「いちばんやさしいスマホ入門」シリーズなどの簡単な内容から、操作手順を写真付きで詳しく説明した書籍が人気を博しました。
(3) 生成AIで編集した教材
利用され始めた時期:
生成AI教材は、2023年頃から徐々に講座で利用され始めました。特に2023年秋、ChatGPTが一般に利用可能になり、2024年には、各種生成AIのサービスが相次いで公開され、スマホ入門講座における新しい教材の形として注目を集めました。2025年には、いよいよ全国のボラティア間で実用化の取り組みが始まると期待されます。どのように利用されようとしているか:
リアルタイム生成: 講座中に参加者の質問やリクエストに応じてAIが即座にテキストや画像を生成し、具体的で個別化された説明が可能となろうとしています。
コスト削減: 従来の教材作成にかかる時間と費用を削減し、効率的に運営できる手段として期待されています。
普及の課題と期待:
一部の先進的な講座では積極的に導入されていますが、まだ利用にはインフラやデジタルリテラシーの向上が求められています。
公民館や地域団体の講座においては、AI生成教材を使った講師主導のワークショップが新たな形式として評価されています。
2. スマホ入門講座の教材タイプ別作成方法の特長
スマホ入門講座に用意される、パソコン及びWord/PowerPointで編集した教材、書籍教材、生成AIで編集した教材の特長を比較します。
(1) パソコン及びWord/PowerPointで編集した教材
インタラクティブ性: PowerPointを使用した教材は、スライド形式で情報を提示できるため、視覚的に魅力的で、学習者が自分のペースで進めることができます。スライドをめくる形式は、対面型の講義とは異なり、受講者が自由に進行できる点が特長です。
多様なコンテンツ: WordやPowerPointを使用することで、テキスト、画像、動画など多様なメディアを組み合わせた教材を作成できます。これにより、学習者の興味を引きつけやすくなります。
簡単な編集と更新: デジタル形式の教材は、内容の更新や修正が容易です。新しい情報や技術が登場した際にも、迅速に対応できます。
(2) 書籍教材
構造化された情報: 書籍教材は、情報を体系的に整理し、段階的に学習できるように構成されています。これにより、学習者は基礎から応用までを順を追って理解しやすくなります。
持ち運びやすさ: 物理的な書籍は、インターネット接続が不要で、どこでも学習できる利点があります。特に、スマホを使い始めたばかりの初心者にとって、手元に置いておける教材は便利です。
視覚的要素: イラストや図表を多く使用することで、視覚的に理解を助ける工夫がされています。特に、スマホの操作方法を説明する際には、視覚的なガイドが効果的です。
(3) 生成AIで編集した教材
自動化されたコンテンツ生成: 生成AIを使用することで、教材の作成が迅速かつ効率的に行えます。特定のトピックを入力するだけで、関連する情報や問題を自動的に生成することが可能です。
パーソナライズされた学習体験: AIは学習者の進捗や理解度に基づいて、適切な教材を提供することができるため、個々のニーズに応じた学習が実現します。
最新の情報反映: 生成AIはインターネット上の最新情報を基にコンテンツを生成するため、常に新しい知識を学習者に提供できます。これにより、教材が時代遅れになるリスクが低減します。
3. スマホ入門講座における生成AI教材の革新性
(1) 印刷教材:
印刷教材とは、パソコン及びWord/PowerPointで編集した教材や書籍教材を指す。
作成者が内容をあらかじめ計画・設計し、編集・校正を経て印刷する。
固定された内容で、作成後の変更が難しい。
(2) 生成AIで編集する教材
編集支援を利用して、教材準備をお大幅に効率化。
AIの力を借りてわかりやすく魅力的な教材を編集できる。
(3) 学習者の理解を助ける生成AI機材ツール
個々人の関心を惹起させ、自らの疑問に応えて進行を選べる。
AIツールを活用して、参加者のニーズや能力に応じた個別対応ができる。
生成AIを導入した講座では、講師の指導や助言がなくても、また印刷教材の提示がなくても、学習者自からの質問に答え、進捗を確認し、次の学習ステップを提案できます。
言い換えれば生成AI教材は、事前に教授内容を収集して編集し、分かりやすく提示する教材準備に役立つだけでなく、講師の役、教材の機能、アドバイザー、進行ガイド、練習問題の生成者としての役割をまとめて担当する「複合型教材・機材ツール」の性格を併せ持っています。
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