【302】スマホ講習会の教材作成と生成AI(2) 教材準備の秘技~生成AIの壁打ち
講習会の教材は、講師が講座を進める際の「地図」として機能します。講座内容を整理し、必要な情報を体系的に提供することで、運営が計画通りに進行します。
その教材について、生成AIの新しい波が押し寄せています。
アイデアを生み出す生成AIの壁打ちとは
「壁打ち」とは、企画の仕事や教材作成中に、AIを活用してアイデアを試したり整理したりする手法の一つです。テニスの壁打ちのように、AIを相手に質問や要件を投げかけ、それに対する返答を受け取ることで、自分の考えを深めたり、見落としを補ったりすることができます。
ボランティアグループにおいては、壁打ちを利用できることで、限られたスタッフでは実現が難しい斬新なアイデアや大胆な構想、細部まで配慮された計画・企画を生み出すことが可能になります。壁打ちにより、次のような洗練された提案をできる点が大きな効果です。
(1) 圧倒的なスピードと効率性
AIは即座にフィードバックを提供し、複雑なタスクでも短時間で提案を生成します。
これにより、従来の長い会議やプロセスが必要な業務が効率化され、スピード感を求められる現代のビジネスニーズに合致しています。
(2) 無限のアイデア提供能力
人間の限られた視点に対し、AIは広範なデータベースに基づく多角的な提案を行います。
例えば、マーケティング戦略や商品開発のアイデア出しで、従来では考えつかなかった新しい視点が生まれることで驚きを生んでいます。
(3) 先入観や感情のない客観的な視点
AIは感情や人間特有のバイアスがないため、純粋に論理やデータに基づいた提案が可能です。
チーム内で意見が割れた際や課題の整理が必要な場合、AIの客観的なフィードバックが新たな方向性を示すきっかけになることが評価されています。
(4) 多様な専門領域への対応
ボランティア参加者の過去の職歴を問わず、AIがそれぞれの専門的なアドバイスを提供可能。
それぞれの分野のベテラン専門家並みのに、幅広い分野の知見を得られる。
2.教材準備における壁打ちの役立つシーン
ボランティア活動のうち教材準備に限って、次に壁打ちが役立つ主なシーンを紹介します。
(1) 教材のテーマや目的の明確化
利用シーン: 教材のテーマや学習目標を整理したいとき。
具体例:
「高齢者向けスマホ講習会の教材で、初回講義に適したテーマを考えたいです。」
AIに目標を伝え、適切なサブテーマや具体的な内容案を提案してもらう。
(2) 構成案の作成とレビュー
利用シーン: 教材の目次や構成を考えたり、既存の案を見直したいとき。
具体例:
「この教材の構成で、序盤が難しすぎる気がします。改良案を教えてください。」
AIに教材の全体構成を伝え、学びやすさを考慮した順序の提案を受ける。
(3) 例文やイラスト説明の作成
利用シーン: 難しい概念や操作をわかりやすく伝えたいとき。
具体例:
「スマホの画面ロック解除を説明する例文を作成してほしい。」
AIに具体的な例文を生成してもらい、説明のわかりやすさを向上させる。
(4) 予想される質問のリストアップ
利用シーン: 受講者から想定される質問を事前に準備したいとき。
具体例:
「受講者がスマホ講習会でよくする質問を教えてください。」
AIに想定質問とその回答例を生成してもらい、当日スムーズに対応できるよう準備。
(5) 学習活動や練習問題の提案
利用シーン: 教材内に盛り込む練習問題やアクティビティを考えたいとき。
具体例:
「高齢者向けに、タッチ操作の練習として使えるゲーム的な課題を考えてください。」
AIが具体的な練習課題や、その目的を提案してくれる。
(6) 対象者に合った言葉の選定
利用シーン: 説明が受講者にとって難しすぎたり、専門的になりすぎていないか確認したいとき。
具体例:
「この文は難しすぎますか?もっと簡単に書けますか?」
AIに文章をわかりやすい表現に書き直してもらう。
(7) 教材完成後のレビュー
利用シーン: 完成した教材のチェックや、改善点を探したいとき。
具体例:
「この教材で、特に理解しづらい部分があれば教えてください。」
AIが指摘した改善点をもとに、教材の完成度を高める。
(8) 学習効果を高める付加情報の生成
利用シーン: 教材の内容を補強する豆知識やコツを追加したいとき。
具体例:
「スマホ操作で初心者が陥りやすいミスとその対処法を教えてください。」
AIから補足情報を得て、学びを深める内容を追加する。
(9) 教材のデザインや表現の工夫
利用シーン: 見た目や構成に工夫を凝らし、興味を引く教材を作りたいとき。
具体例:
「目次をより見やすくするための工夫を提案してください。」
AIがデザインや配色の工夫案を出してくれる。
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