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【305】スマホ講習会の教材作成と生成AI(5) 教材編集支援の優れ機能体験報告(1/2)

はじめに~50年の進化を経て、生成AIが変える教材作成方法

ここ半世紀を振り返ってみると、民間で開催される講習会で配布される教材の作成方法は、以下のように進化してきました。

  • ガリ版(戦後~1960年代):
    安価で大量印刷が可能なガリ版が主流でした。

  • 複写機(1970年代以降):
    複写機の普及により、高品質な印刷が実現しました。

  • 日本語ワープロ(1980年代):
    文字編集や印刷が効率化し、教材作成が大きく進化しました。

  • パソコン(1990年代以降):
    デジタル文書の作成が一般化。特にWordやPowerPointの活用が広がりました。

  • スマホ・タブレット(2010年以降):
    デジタルツールやアプリを使った教材作成が主流となってきました。

2023年11月、OpenAI社が公開したChatGPTをきっかけにして、2024年の1年間、ボランティアが主催する講習会で生成AIを活用して教材作成を試みました。その結果、新しい時代の到来を予感させる衝撃的な体験をしました。そのうち次の5つの機能に絞って、感動の体験を報告します。

  1. アウトライン生成機能

  2. 資料収集機能

  3. 画像生成機能

  4. 文案生成機能

  5. 推敲機能

なお各機能別の体験報告は長文になるので、

4.文案生成機能

5.推敲機能

については、次回の投稿記事とします。

1.アウトライン生成機能:
生成AIのアウトライン生成機能利用して講習会のあらすじ設計

(1)講習会の企画とアウトライン設計
講習会の企画は、まず主題の講習会の目的、目標、参加者層の絞り込み、開催日時、場所などの開催要領が決まると、全体の流れや内容を簡潔にまとめた「アウトライン設計」に取り掛かります。
ベテランのスタッフでも初めて取り扱う主題の場合はもとより、講習会開催に不慣れなスタッフの場合には、どこからアウトライン設計に取り組んでいいか、しばしば戸惑いがちです。

(2) 驚きの内容
生成AIは、講習会の主題、目的、目標、参加対象、開催時間など、開催しようとする講習会の基本情報を提示されると、講習会企画の出発点となる「アウトライン」案を回答してくれます。
生成AIが提示するアウトラインを丸ごと受け入れて講習会の進行を企画することはできませんが、その提示案は企画を進めていく力強い手がかりとすることができます。

(3) 参考事例
①講習会のアウトライン設計:
高齢のスマホ初心者対象の「スマホ利用・年賀状作成入門講座」(6時間、募集人員10名)のアウトラインを作ってください。
②子供会イベントのアウトライン設計:
「親子料理教室・餃子を作ろう」(4時間、募集10組の親子)。講習会と同じようにイベントの企画にも応用できます。

2.資料収集機能:
文章生成AIを利用して講習会教材の資料収集

(1)優れた講習会教材は入念な資料収集から
教材編集に先立って入念な資料収集がなされると、次のような効果を期待できます。

  • 信頼性の確保:
    資料を徹底的に収集することで、内容の正確性が高まり、受講者が信頼できる情報を得られます。

  • 受講者ニーズへの対応
    さまざまな情報を収集し分析することで、受講者の背景や期待に合った内容を作成できます。

  • 多様な視点を提供:
    資料収集を丁寧に行うと、多角的な視点や新たなアイデアを得ることができます。

  • 質の高い内容構成:
    資料が豊富であれば、それを取捨選択し、わかりやすい形で整理することが可能です。

(2) 文章生成AIによる資料収集の特徴
講習会教材を作成するにあたり、資料収集は非常に重要なプロセスです。パソコンが普及する以前は、図書館の蔵書や新聞・雑誌などの印刷物が主な情報源でした。一方、パソコンが普及して以降は、インターネットを活用した情報検索が一般的になりました。
さらに、文章生成AIのサービスが登場してからは、教材編集に必要な以下のような資料を、これまで以上に簡単かつ迅速に入手できるようになりました。

  • 用語の説明

  • 概念の解説

  • 歴史やその推移

  • 手順の説明

  • 成功例や失敗例紹介

  • 想定される質問とその回答

印刷資料収集のように資料を探し求めて歩き回る必要はありません。インターネット情報検索のように検索結果を見比べて文章化する手間が要りません。問いかけてから数秒で資料が用意されます。複数の文章生成AIの生成結果を吟味して、教材編集に取り組むことができます。

(3) 参考事例

①講習会教材編集と資料収集:
講習会教材編集プロセスにおいて、資料収集の重要性を説明してください。

②生成AIのプロンプトの入力フィールドの名前:
文章生成AIのプロンプト入力フィールドや、インターネット情報検索の検索フィールドのことを、まとめて何と言いますか?

③Windows11非対応機種の取り扱い:
2025年秋以降、Windows11非対応機種はどうなりますか?

【注記】初期の文章生成AIは、最新の話題について問いかけると「私の知識は○○年△△月までの情報です。それ以降については正確な情報を提供できません。」と回答を拒否されることがありました。ところが最近の文章生成AIは、文章生成AI機能にインターネット情報検索機能が付加されるなどして、こうした不具合が解消されています。

3.画像生成機能:
講習会教材の写真・イラストと画像生成AI

(1)写真やイラストの効果
報告や提案に現場写真を添えることができれば、説得力や信頼性が向上し、読者が状況を具体的に理解しやすくなります。写真は視覚的な証拠として、言葉では伝えにくい情報を効率的に伝達し、文章を簡潔にまとめる助けとなります。またイラストは、感情に訴え共感を引き出す効果があり、意思決定者が迅速に判断しやすくなる利点もあります。
しかし教材を作り始めた途中では、いちいち編集作業を中断してそれぞれの現場に向かい、写真を撮影するわけにはいきません。イラストは、自分で作るには手間と時間がかかるし、なかなか思い通りのフリー素材を探し出せません。

(2) 驚きの内容
画像生成AIによれば、教材に挿入したい写真の特徴をAIに伝えるだけで、希望の写真を手軽に入手できます。写真画像だけではなく、文章で示される状況をもとに、漫画タッチのイラスト、論理的関係を整理した図解、情報を階層化して図解するマインドマップ図も生成できます。
教材の親しみを増し、理解を助ける写真、イラスト、図解を、わずか数秒で入手できる画像生成AIの登場は、教材編集者にとって驚きとしか言いようがありません。

(3) 参考事例
①イラスト画像の生成:子供会が主催する親子クッキングのイベントで、餃子を作っている母娘の少女漫画タッチのイラストを描いてください。娘さんは小学校5年生程度。服装はカジュアル。
②写真画像の生成:パソコンの周りに集まった5人の男性・女性の高齢ボランティアスタッフが、パソコンで講習会教材の完成を喜ぼぶ写真画像を生成してください。

各機能別の体験報告のうち
④文案生成機能:
「4. わかりやすい講習会教材作成に役立つ生成AI」
⑤推敲機能:
「5.生成AIを利用して説明文の推敲」
については長文になるので、次回の投稿記事で報告します。

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