2015年 東京ヤクルトスワローズ(優勝)
2013年はバレンティンが1シーズンで60HRを打ち、ルーキーの小川泰弘が新人王を獲得するも最下位。2014年も山田哲人が日本人右打者のシーズン最多安打記録を更新するも最下位。そして真中満監督になった2015年、チームは事前の予想を覆し優勝しました。そんな2015年のヤクルトを見てみましょう。
14オフから開幕まで
2年連続最下位となり小川淳司監督が退任。後任は真中満が就任しました。
しかし正捕手の相川亮二がヤクルトに移籍。人的補償は当時高卒2年目の奥村展征でした。ただこの年はそれ以上にFA補強が目立ちました。まずはロッテから成瀬善久を獲得。そして日本ハムから大引啓次を獲得しています。
外国人ではL.オンドルセクを獲得しています。
スタッツ
野手陣
この年は2番~4番が強力でした。
まず2番は川端慎吾。全試合出場を果たすと打率は.336、そして安打数は195と圧巻の成績。首位打者と最多安打を獲得しています。
3番は23歳で前年日本人右打者の最多安打記録を塗り替えた山田哲人。
この年は打ちに打ちまくり、打率.329、38HR、100打点、34盗塁とトリプルスリーを達成。トリプルスリー達成は2002年の西武・松井稼頭央以来13年ぶりのことで、当時パ・リーグでもソフトバンク・柳田悠岐が同じくトリプルスリーを達成していたこともあり新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれました。この年の山田はHR王、盗塁王を獲得しています。
そして4番は畠山和洋。2番川端、3番山田が高出塁率だったこともあり、それを返す役割を担い、挙げた打点は105。この年の打点王を獲得しています。
「あれ?バレンティンは?」って思う人もいるでしょうが、この年のバレンティンは4月下旬に左大腿直筋の肉離れを起こし、長期離脱。
結局15試合の出場にとどまり、1HRと自身が4年連続続けていたホームラン30本の記録が途絶えていました。
FA加入の大引啓次もショートとして96試合出場して打率.225、5HR、41打点。相川の移籍で穴となった捕手には中村悠平がマスクを被り、136試合の出場。雄平も141試合の出場で打率.270、8HR、60打点とHR数の割に打点を挙げています。
打率、出塁率、OPS、得点数はリーグトップ。この年は大混戦だったセ・リーグを抜け出したのはこの攻撃陣あってだと思います。
投手陣
先発陣で規定到達したのは25歳の小川泰弘と35歳の石川雅規。
小川はチーム最多の168回を投げ防御率3.11で11勝8敗。
石川はチーム内最多勝となる13勝を挙げています。
しかしその後がそんなに万全ではなく、石山泰稚は5勝5敗、前年途中にトレード加入の新垣渚は3勝10敗、FA移籍の成瀬善久は3勝8敗とそんなに多くの貯金を先発陣では作っていません。
むしろ素晴らしいのはリーグ最高の救援陣。
ロマン、オンドルセク、バーネットの勝利の方程式「ROB」がフル回転。
ロマンは61登板 防御率2.40で23H、新外国人のオンドルセクは72登板で防御率2.36、33Hを挙げています。そして守護神バーネットは59登板で防御率1.29、41Sを挙げて最多セーブのタイトルを獲得しています。
また「ROB」は「14ROB」と言われることもあるのですがその「14」とは秋吉亮。2年目のこの年は74登板すると防御率2.36、22Hと勝ちパターンの一角として躍動。この年の救援防御率は2.67とリーグ1位でした。
シーズン振り返り
この年は「セ界恐慌」と言われるくらいセ・リーグは混戦でした。
ヤクルトは3・4月が勝ち越しますが5月に負け越し、交流戦は借金1の8位フィニッシュ。ただそれ以降は着実に勝っていき、9月以降はヤクルト、巨人、阪神の三つ巴での優勝争いを演じ、9月中盤にそれを抜け出すと10月2日、神宮での阪神戦で雄平がサヨナラタイムリーを打ち、劇的な形でヤクルトの優勝が決定しました。「つばめ改革」というスローガンのもと2001年以来の優勝を掴み取ったのです。
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