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2006年 中日ドラゴンズ(優勝)

2000年代の中日は主に落合博満監督のもと黄金時代を築き上げていました。
2004年に就任した落合監督は8シーズンで優勝4回、日本一1回を達成していますが、その中でも2006年は中日史上最強打線として知られています。
今回はそんな2006年の中日を見ていきましょう。


優勝奪還に向けて

2005年は阪神との熾烈な優勝争いも終盤に振り切られ2位でシーズンを終えました。シーズンオフにはエースの野口茂樹がFAで巨人へ移籍。
一方その人的補償で小田幸平(捕手)を獲得。ドラフトでは希望入団枠でトヨタ自動車の吉見一起を獲得。大社ドラフトでは藤井淳志・新井良太を、高校生ドラフトでは大阪桐蔭高の平田良介を獲得しています。
またNPB復帰したデニー友利、日本ハムから上田佳範をテスト入団の末獲得しています。

スタッツ

打撃陣

2006年 中日 野手陣

なんといっても破壊力抜群の3,4番ですね。
3番の福留孝介は351 31HR 104打点 出塁率.438ととにかく打ちまくりこの年の首位打者、最高出塁率、そしてMVPを獲得、OPSも1超えです。
4番のタイロン・ウッズは.310 47HR 144打点とHR王、打点王を獲得。こちらもOPSは1超え。普通にOPS1超えの選手を2人擁しているだけで強いですよね。
1,2番コンビは二遊間を守る荒木雅博・井端弘和、通称アライバコンビが躍動。打力でもさることながら守備では最強の二遊間を形成。この年の中日は60失策とリーグ最少のエラー数でした。
森野将彦も.280で10HR、アレックス・オチョアも15HRで長打率は4割超え。井上一樹は規定未達ながら.311で11HR。(ライトは福留が守る機会が多かった。) そして捕手は谷繁元信。36歳ながら中日の扇の要として躍動。後述の最強投手陣をリードするなどその役割は大きいものでした。

また代打では大ベテランの立浪和義、そして後半は守備固めとして渡邉博幸や英智が入りより一層穴が無くなり、小田幸平も谷繁に次ぐ第2捕手としてシーズンを帯同しています。
得点数は669とリーグトップ。打率.270もリーグトップとまさに「最強」の攻撃陣でした。しかし投手陣も負けてはいません。

投手陣

2006 中日 投手陣

この年は川上憲伸、山本昌、朝倉健太と3選手が二桁勝利。
特に川上は29登板で防御率2.51で17勝7敗、194奪三振で最多奪三振、勝率.708で最高勝率のタイトルを獲得しています。
御年41歳となる山本昌も170イニングを投げ11勝、25歳の朝倉も13勝を挙げました。
またプロ2年目の中田賢一が100イニング以上投げたり若手の活躍も光りました。完投数・完封勝利数は共にリーグトップ、先発防御率は3.21とこれまたリーグトップでした。
救援陣は絶対的守護神・岩瀬仁紀が40Sを挙げ、最多セーブを獲得。
NPB復帰したデニー友利も一定の活躍を見せると、2年目の鈴木義広が46登板で1.70と素晴らしいピッチング。岡本真也・平井正史も50登板以上を投げて、18H,22Hとそれぞれ活躍。
チーム救援防御率は3点台を切る2.89。
あの強力な打線にこの堅牢な投手陣。投打のバランスが見事にあった2006年は「そりゃ強いわな」と思ってしまいます。

史上最強のシーズン

意外にもオープン戦では打率最下位。しかし投手陣が防御率は1.54と守り抜き最終的に貯金3を作っています。
開幕戦は落とすもののそこから引き分け挟み4連勝。ただ4月5月は連勝と連敗を繰り返していました。しかし6月に入るとチームは上り調子に。前年は交流戦でコケた中日ですが20勝15敗1分と4位フィニッシュ。以降も6月は15勝、7月は12勝(4敗)と勝ちまくり、交流戦近辺で調子を落とした巨人を完全に抜くと、後半戦には前年の覇者・阪神が中日を猛追。去年と同じ構図ですね。しかし8月11日からの阪神三連戦で阪神を3タテ。9月16日には山本昌が阪神相手にノーノーを達成。何度も迫りくる阪神をかわしながらもマジック1で迎えた10月10日、東京ドームでの巨人戦。中日の先発川上憲伸は8回3失点で仕事を果たし試合も3-3で延長へ。
そして延長12回。巨人の高橋尚成から谷繁、荒木、井端が出塁すると打席には福留。狙い撃ちチャンテがこだまする中、3球目をセンター前に運びこれで4-3と勝ち越し。そして4番T.ウッズ。前日の試合で満塁ホームラン、そしてこの試合4回に3ランを放ったウッズは5球目を打つとレフトスタンドに放り込む2試合連続の満塁弾に。打った瞬間の河村亮アナの「痛烈!一閃!」は名実況として有名です。ドラゴンズファンの狂喜乱舞の中、12回裏岩瀬がしっかり抑えてゲームセット。この瞬間2年ぶりの優勝を決めたのでした。
落合監督は胴上げの後、男泣きしました。

↑「痛烈!一閃!」のほう

当時セ・リーグにはCSがなかったのでそのまま日本シリーズに進出。
相手は北海道移転後3年目でパ・リーグを制した北海道日本ハムファイターズ。1戦目は川上ーダルビッシュ有の投げ合いになりますが、同点の3回に井上のタイムリーが決勝打となり初戦を取ります。
しかしそこから4連敗。初戦以降は4試合で4得点で日本ハム投手陣にしっかり抑えられました。
↓その中日の対戦相手の日本ハムの2006年はここから。

↓この年中日を猛追した2006年の阪神はここから。


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