11✦アンチが増えてこそ一流
人間誰しも描いた理想やビジョンと現実の間にギャップが生じると不安を感じますよね。
その不安が消え去れば一転、今までの視界不良が嘘のように一瞬で晴れ渡ることもあります。
そのくらい小さな結果に一喜一憂しやすく影響されやすいものなのです。
鹿児島ユナイテッドFCの話
今シーズンから、鹿児島にはJ2クラブが誕生しました。
2014年のクラブ設立から6年目にしてJFL→J3→J2と2度もステージアップしてきた、「悲願の」と言っては長い歴史を持つ先輩クラブに対して失礼かもしれませんが、いわば新星ともいえるクラブです。
前身の2クラブが合併して誕生したとはいえ、地方都市が抱える課題を一丸となって乗り越え、Jリーグからも条件付きではありますがライセンス交付され現在に至ります。
僕も昔から仲のいい選手がいたこともあり、その繋がりから現在でも個人的に複数名の選手のトレーニングのサポートをさせていただいてますが、みんな熱心な選手ばかりで、純粋に上手くなりたい、強くなりたいとの想いが伝わってきます。
しかし、今まで順調に昇格してきたチームも、日本で2番目にレベルの高いリーグではなかなか結果が伴わず、今シーズンはクラブの歴史の中でも最も苦しいシーズンとなっています。
レギュラーはもちろん、今シーズンあまり試合に出場できていない選手たちの現状を変えたいという強い気持ちも、レギュラーメンバー同様高いものを感じ、午前練習から昼食を終えた後のトレーニングもしっかりこなしてるので、プロセスも悪くありません。
あとは結果が欲しいですね。
そんな中開催された「残留争い」直接対決。
20位の鹿児島と21位の栃木の試合は、栃木県でのアウェイゲーム。
ちなみにリーグのレギュレーション上、最終順位の21位と22位は、来シーズンのJ3降格が決まっています。
サッカーのリーグで使われる、「シックスポインター(勝てば自分たちが勝ち点3を積み上げ、直接争っている相手の勝ち点を積み上げさせない、勝ち点6分の価値のある試合)」と言われる一戦です。
結果は1-3の完敗でした。
このnoteでは戦評を書くつもりなど全くなく、試合内容、戦術やサッカーの質については個人的に然程興味がないので書きません。
※もっと詳しく書かれている方が多数いらっしゃるので、気になる方はそちらを参考にしてみてください。
外から見ていて気になったこと。
台風の影響で、昨夜は早目に仕事を切り上げたこともあり、久々にDAZNを通してですがフルタイムで試合を観ました。
そんな中、気になることがいくつか。
まずはイメージの部分。
率直に言うと、全体的に自信を失ってるなと。
サッカーに限らず、どの試合も勝負がかかってくると緊張が高まります。
ましてや、目下のライバルが相手のだと絶対に負けられないわけですし、いつも以上に緊張感を持って試合に入ることでしょう。
これは身体的にも大きく影響することで、例えば心拍数が上がることで呼吸が乱れ、視界が狭くなり、一瞬の判断が遅れてしまう…などとという身体的な悪循環に陥ってしまいがち。
そんな中、自分なりのルーティーンを保ちながらセルフコントロールし、「いつも通り、普段通り」の実力発揮に繋げられるか?が重要になってきます。
中には練習と試合の緊張感がリンクせず、試合になると急に緊張してきてぶっつけ本番、自分の実力が出せないというようなケースもあるかと思いますが、これもトレーニングで改善出来ること。
イメージ不足だと、本番と準備の間に緊張感のギャップが生じてしまうので、いかに準備の段階からメンタル的にも本番を想定してトレーニングできるかにかかっています。
また、サポーターにしても同じく。
勝ちを期待していったのに負けた途端に掌を返すかのように批判、といった内容の投稿などもよく見かけます。
もちろん応援しているクラブが負けるのは誰も見たくないでしょうし、愛情が強いが故の行為なのですが、戦っている選手のみならず、サポーターも同じで、
起こり得る最悪のケースを普段からイメージしておくと、万一そのような事態に陥ったとしても、急なアクシデントより動揺しにくく、対応しやすくもなります。
ここ数日、ラグビーのワールドカップを観ていてつくづく思います。
ラグビーど素人ながら、連日TV中継しているものだからどんどん見入ってしまいます。
しまいには息子までオールブラックスの「HAKA」を真似るまでに。
ラグビーからは、仲間を信じる気持ちや相手やレフェリーに対してのリスペクト、サポーターの試合を純粋に楽しもうとする姿勢など、学ぶべきものがとても多く、本当のスポーツマンシップを感じ取れます。
まさに文化です。
そして、改めて感じた「目標設定」の大切さ。
今何を目標に定めているのか、その目標は具体的に言えるか、周りの仲間も知っているか…
高すぎる目標でもいけないし、現実的に結果に繋げるにはより具体的な設定が重要になります。
試合後のコメントで、栃木の田坂監督のコメントからも、この試合にかける準備や気持ちの強さが伝わってきました。
2ヶ月ぶりの勝利のために、しっかり目標を定め、プライドも捨て、失敗を恐れず強い覚悟で戦ったことがよく伝わります。
指揮官のビジョンが選手にしっかり浸透して体現した勝利だったのは試合からも見て取れました。
バッシングもされながらもブレなかったこの1勝は、残りの試合においても大きな自信となったことでしょう。
「応援してくれる方より、アンチが増えてこそ一流」
これは、先日のnoteにも挙げた風間八宏監督の言葉。
批判されながらも自分のスタイルを確立する、あえて厳しい環境を選ぶ八宏さんらしい言葉だと思います。
僕自身はまだまだそういう器では全くないですが、しっかり目標を定め、いつかは同じような舞台で活躍できるコーチを目指していきたいと思います。
Challenge & Development!