見出し画像

積読

 一般的に、学生には金が不足しているという。一応暗黙の了解でバイトには「103万の壁」というのが存在し、そもそも予定が入っていたり、バイト入れまくると普通に単位がヤバいポンコツ人だったりするので、現在大学生の私も例外なく金は不足している。

 そんな私の趣味の一つは読書だ。本は圧倒的紙媒体派の人間である私は、近頃の文庫本の値段の高騰に苦しんでいる。中学生の頃、文庫本は600円台で買えたはずなのになあ。今はもう850円近くしてしまう。物価高と言うのももちろんあるけれど、それに加えて電子書籍が流通したことにより紙の本が売れなくなっているというのもあるだろう。

 最近はシリーズ物も増え、全部追って買っているととてもじゃないけど出費が半端ない。私もいくつか追うのを断念した小説シリーズもある。ああいう小説物は、作者が引退されるまで続くのだろうか。完結の未来が見えず、私は生涯で一体何冊本を買うのだろうかと密かに怯えている部分もある。
 とはいえ、シリーズ物の最新刊の発売は本当に嬉しいもので。続きがあると気になってしまうのが人間の性だ。このストレス性の高い現代社会におけるオアシスと言っても過言ではない。


 そういうわけで、お金もない・時間は有り余っている・続きが気になるので全部一気読みしてしまう の3拍子がそろった人間には積読は無理なのである。ブックオフで買えと言われてしまうかもしれないが、あいにく私の部屋にもスペースの限度は存在し、そんなに大量の本を買っては置く場所がない。
 じゃあ、図書館で借りたり読み終わった本を売ったりしたらいいじゃないかと言われるかもしれない。残念ながらそれも無理な話だ。まず図書館に最新刊は入らない。書店で立ち読みというのも忍びない。また、一度読んだ本を何度も読み返して、10回くらい読み返したしばらくした後にまた不意にシリーズ最初から読みたくなるという謎の癖がついている自分から本を売る勇気は微塵も出てこない。


 そういえば大学の教授と少し話したときに「学生のうちは時間がいっぱいあるのだから本をたくさん読んでおけ、できれば大学の教養レベルの本を1年で100冊読んでおけ」と言われたのだが。いや、無理。
 それは単純計算で3日で1冊読む計算だが、あいにく私には邪魔くさい試験と言うものがあり、講義と言うものがあり。ページ数にもよるが一気読みできるのは気に入った小説に限る。専門書などを読むのは集中力と体力がいる。好きな読書が拷問の時間に変わってしまう。

 まあ、そういう意味で積読はできるのかもしれないけど…。そもそも教養レベルの本って何やねんてのもあるし、いかんせん興味がない本と言うのはページが全く進まない。読んだとしても頭に入ってこない。小説でも例外ではなく、興味がない本は途中でドロップアウトしてしまうのだ。基本的な人生のスタイルが「ドーパミンを追いかける」タイプなのでね…。

 部屋の中には積みあがった未読の本たちというのはないけれど、私の心の中にはまだまだ読んでいない積みあがった未読の教養本たちがたくさんいるんだよなあ。そういえば、ネイチャーとかの科学論文雑誌読んでおけとも言われたなあ。

 あ、未読の本と言えば「ハリー・ポッターと賢者の石」の英語版、まだハリーホグワーツに行ってないじゃん。やべ、それも読まなきゃ。

 というわけで(?)、何かおすすめの教養本があったら教えてください。

いいなと思ったら応援しよう!