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【MBTI】大学生はP型化するという小話

 私は根っから、かどうかは分からないが、ENTPの人間であり、性格も根本的にはズボラな方である。計画立てて何かをするということは滅多になく、部屋もエントロピー増大の法則に従ってどんどん散らかる一方である。真面目とは程遠い人間で、アルバイトをしていてもいかに効率よく手を抜いて金をぶんどるかということしか考えていない。自分でいうのもなんだが、バイト先に親でも殺されたのかというレベルでちょっと経営がカツカツになってそうなところからむしり取ろうとしている。バレたら折檻されそうである。

 さて、そんなわけでP型の権化ではないかと思われる筆者なのだが、それを覆してしまう唯一と言える場所が大学なのである。

 近頃は本当にコンプラ意識が高まり、世の中はJ型にどんどん傾きつつある。詳しくはイブリース氏の記事を参照して欲しい。私はとある企業の事務バイトをしている。その企業が企業が保守的だけなのかもしれないが、随分と合わなさを感じている。P型キツいと思ってしまうほどだ。日々ブルシットジョブくたばれとか仕事辛いとか言っている人の気持ちがようやく理解できた。あんなに無意味で非効率なルールに雁字搦めになっている状態では私はろくに息を吸うこともできまい。

 そんなP型全開の私ですら”真面目”という認識になってしまう大学と言う場所は本当にどうなっているんだ。

 中高と違って授業を無断で欠席したからといって電話がかかってきてその電話を受けた親に烈火のごとく怒られるわけでもない。むしろ有意義に使えるのであれば授業なんて5欠しない程度に切って有効活用して視野を広げた方がいいと語っていた教授もいたほどである。大半の学生は必要な単位をいかに楽に取得するかということを至上命題に置いており、英語の授業で楽をするために入学一番最初のTOEICのテストはできるだけ低い点数を取れという情報が横行していたりもする。個人的には授業で節約したエネルギーをどこに使うんだと思わなくもないが、大体の学生は人生を、大学生時代を謳歌することに使っている様である。全くいないわけではないが、自己研鑽に励むというタイプは少数のようだ。

 私の大学の薬学部では研究室配属は成績順で決められる。そのため、自分が希望する研究室に行きたい場合は低学年の頃から勉強を頑張らなければならない。残念ながら私は凡の凡人であり、それなりに勉強しなければ他の学生と太刀打ちできないという残酷な真実を身をもって知ってしまっている。ENTPのくせに(と言うのも違う気がするが)世渡りが下手くそなのだ(ステレオタイプ的にはENTPは世渡り上手と言われがちである)。
 そしてこれまた残念なことにNP型を自覚した私は早くも自分薬剤師向いてないだろうなということに気が付いてしまった。それなりに研究の方向を意識していかないと、人生がやっていけないような気がするのである。仕方がないので普段は毛嫌いしているJ型とかS型のペルソナを引っ張ってきて勉強を頑張る羽目になるのである。たまに勉強している自分を観察している自分が存在するように錯覚することがあるのだが、そういうときは大抵休憩と称してスマホを弄っていたりする。そんな自分を見て、「ああ、今日も今日とて怠惰だなあ」と思ったりするのだが。

 友人といる時に傍観者の自分がひょいと現れていつものように「自分は怠惰だ」なんだと自虐を重ねていると、結構真面目に見えるとか言われてしまう。気休めだろうと思っていると、他に結構怠惰な学生の噂話を聞いてしまったりする。

 個人的には、大学生特有のP型の雰囲気を醸成し、それに染まっていくのは大概S型だろうと勝手に思っている。話の節々にJ型味を感じるような人でも時間や規則にルーズになってしまうようだ。S型は環境に染まりやすいタイプだという。あちこちにP型の空気が蔓延る大学と言う異質な環境の中では、多くのSJ型もP型に寄っていくのかもしれない。特に文系に顕著だが、大学生のステレオタイプも割とP型気質に寄っていると思う。

 そんな環境に染まりに染まったS型が就活して社会人になってどんどんJ成分を増すのを横目に、私の様なNP型は変わらずP型であり続けて顰蹙を買っていくのだろうなと思う。世の中無慈悲なものである。

 そんなことをぼんやりと考えつつ、今日も私は待ち合わせの時間に遅れると連絡のあった人を気長に待っている。



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