取材こそ、ネタの宝庫
脚本家・壽倉雅(すくら・みやび)でございます。
作品を執筆するにあたり、特に専門分野が関わってくるものの場合、事前調べやリサーチが必要になってきます。
以前、忠臣蔵の朗読劇の脚本を書かせていただいた時も、資料を見ながら主人公のキャラクターを創り上げ、脚本を書いたものです。
今回は、『取材』についてのお話をしていきたいと思います。
取材とは、『材』料を『取』ること
私はライターとして、紙媒体のインタビュー記事や、企業の求人サイトにおける社員インタビュー記事を書く仕事をしていました。つまり、ネットのコタツ記事ではなく、面と向かって(コロナの時期はリモートで)取材対象の方のお話を聞きました。
人物インタビューをしていると、取材対象者の方の経歴や価値観、人生観が見えてきます。これ、実は意外と脚本における登場人物を創り上げていくときの参考になります。
例えば「どうしてこの仕事をしているのか」と質問をすると、「ものづくりをしてみたかった」「黙々とした作業が好きだから」「学校の求人を見て、自分でもできると思ったから」「給料が良いから」「家から近いから」と、志望理由は様々です。
でも、この志望理由は、何が正解で、何が間違っているのか、というのは無いのです。それぞれ、志望理由は違って当たり前なのですから。これが人生観や価値観となって、登場人物づくりにおける参考資料として使えます。
見出しにも書いてあるように、取材というのは、字の如く、『材料を取る』わけです。
これは、専門学校時代に先生が教えてくれた言葉で、今でも印象に残っているので、引用させていただきました。
生の声ほど、確かなものはない
時代劇を書く場合は残された資料が手掛かりとなります。ですが、例えばお仕事ドラマを書こうと思ったとき、弁護士や刑事、医師、経営者等、専門的な知識が必要となる場合、今の時代ネットで検索すれば、参考になる資料は出てくると思います。ですが、その道の専門家やプロに聞くという方法があります。ネットには落ちていない情報も聞くことができます。
専門学生時代、私は和菓子職人の話を書きたいと思い、名古屋で歴史のある和菓子メーカーの広報の方にオファーをし、当時で80歳を超えるベテランの和菓子職人の方に取材としてお話を伺わせていただいたことがありました。
祖父と同年代である方への取材は、20歳当時の私にとってはとても緊張しましたが、和菓子職人の生の声、そしてその時代ならではのお話をお聞きすることができました。
素朴な疑問や、専門的な言葉の意味の解説、当時の社会状況を交えての若かりし頃の実体験……これらは、決してネットの中でいくら探しても見つからない情報です。
生徒会を舞台にした学園ものを書いた時も、私自身が生徒会を経験したことだけではなく、生徒会長をしていた同級生にお願いをして「どうして生徒会役員になろうと思ったのか」「会長をやった中で印象に残ってる出来事は」などの話を聞いたことがありました。
これも先ほどの求人の志望理由と一緒で、生徒会選挙に立候補した理由は、人それぞれに違います。こういう理由付けが違うのも、それぞれのキャラクター作りに生かせることができます。
見出しにもあるように、生の声ほど確かなものはありません。
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