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だいすきな人に会いにゆく(日記)
みなさま! お元気ですか~? わたしは元気です!
先日、ずっとずっと会いたかったお方についに会えた! という嬉しいことがあったので、ぜったいぜったい文字にするぞ~っと思い、ご本人に許可をとってこうして日記を書いています。
とってもハッピーな記事になるとおもうので、とってもハッピーな記事を読みたい方は、ぜひ読んで行ってくださいね。
それでは!
何年か前のはなし
わたしの大好きな方。それはnoteもやっていらっしゃる、ラム子さん。すみません、リンクの張り方がよくわからないので(雑魚……)、各自わたしのフォロー欄から飛んでみてくださいね。
ラム子さんとわたしは何年か前に、同じ文学賞に応募をしていて、お互い最終候補に残ったことでお互いの存在を知りました。
その文学賞は作品が選考に残ると全文が掲載される、という形式の賞だったので、わたしは自分と同じ候補者の方たちがどんな作品を書いているのか、隅々まで読みました。
そしてそこでラム子さんの存在を知り、その作品のことが大好きになりました。
それに、おこがましいと思われるかもしれないのですが、「この人、わたしに作風というか、考え方似てるな……」と思いました。あとで訊いたらラム子さんも「この森ってひと自分に似てるな~」と思っていたそうです。うれし……!!!
お互い、主に中高生の女の子が主人公の、べつに大きな事件が起こるわけではないけれど、なんとなく息苦しくてもやっとしていて、そしてそれをえいっと乗り越えてゆくような、あるいは乗り越えられずとも、あーあと思いながらそれでも生きてゆくような、そんな話を書くのが好きだったんですね。
その文学賞で、わたしとラム子さんは時と種類を別にしてではありますが、ありがたいことにそれぞれ大賞をとりました。
そしてそれがきっかけで、ちょっとしたオンラインでの集まりのようなものに呼んでいただき、はじめてお顔を知ったというわけです。
十数人の方が一同に画面に映し出されるその集まりで、わたしは(ああ~~~っ! ラム子さんだ~~~! うゎ~~~っ! 話しかけたい!)と胸のなかでのたうちまわりました。
当時二十歳になったばかりかそこらだったということもあって、まわりはすごくかっこいい大人の方がかっこいい言葉を(かっこいい言葉を……?)話していて、とても自発的に話し出せる空気じゃなくて。しゅん……としながらその回を終えたのを覚えています。
けれど、どうしても、どうしても仲良くなりたくて。えいやっ、と思ってメッセージを送ったら、ラム子さんはとても丁寧に、丁寧に返してくださって。今度二人で通話しましょう! なんて話になって! ああ……すごく、うれしかったな~。
それからわたしたちは、数か月に一度くらいのペースで通話をするようになりました。
次はどの文学賞に応募するとか、今書いてるのはこんなお話で、とか、最近読んだ本が参考になって……とか。創作の話をたくさん、たくさんしました。時には原稿を送り合って感想を言いあったり、アドバイスをもらったりして。
わたしは、わたしはそれが、
うれしくてうれしくてうれしくて……。
知り合ったのがちょうどコロナがひどかった時期ということもあって、表立って会いたいですとは言えないまま数年が流れ。でもでも、やっぱり会いたい……という気持がおさえきれなくて、少し前に勇気を出して「会いに行っていいですか……!?」とわたしは訊きました。
正直、ちょっとでも困ってらっしゃるような空気を感じたら、「な、な~んちゃって!」と言おうと思っていました。だって大好きな人を困らせたくないので……。でもラム子さんは、電話越しでもわかるくらい嬉しそうに弾んだ声で、
「えっ!? ほんとですか!? じゃあ車出します! あと、おすすめの温泉地があるので、そこ行きましょう! あと、お酒好きですか!?」
と。楽しそうな予定を、瞬時に組み立ててくださって。
もう、もうなんか胸がいっぱいで……。
何年も前から作品を読んでいて大好きだ~と思っていた憧れの人に、会いにゆけるなんて。生きていてよかったあ……と、そう思いました。
前置き、長すぎ!
旅行当日。
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昨日までの雨がうそみたいに晴れ!
お気に入りの半そでワンピースを着られてうれし~っと思いながら東京駅に到着し、ぱくぱくもりもりと喫茶店でモーニングを食べました。
新幹線に乗るの、すごく久しぶりで。ばびゅーんと景色が流れてゆくのを眺めながら、くるりの『春風』を聞いたりなんかして。
「揺るがない幸せがただ、ほしいのです」
わかる……(何……)
どきどきしながら到着した長野県の某駅で、ラム子さんはわたしを出迎えてくださいました。
わたしはうれしすぎて改札を出てすぐ抱き着いてしまったのですが、そういえば初対面なのにものの一秒でこの方がラム子さんで間違いないと決めつけてしまったとハッとなり、「ごめんなさいっ! ラム子さんであってますよね!?」というと、ラム子さんはあははと笑いながら「合ってます合ってます!」と頷いてくださりました。
それから、夜にお宿で飲むためのお酒を買いに、スーパーへ向かいました。旅先でその土地のスーパーに寄るのって、たのしくないですか? たのしいですよね。
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その間も、ずっとずっと喋り通しで。わたしはもう、一緒にいられることが嬉しくて。相当やかましかったと思うのですが、ラム子さんはにこにこしながらうんうんすべての話を聞いてくださりました。
ご飯を一緒に食べて、観光をして、それからお宿に向かいました。
わたしは小説を書くことが好きなこともあって、かなり空想が好きなのですが、普段人といる時はなんとなく胸のうちに秘めるようにしています。
でもラム子さんといる時は、「あの岩、動き出しそう。あそこが足っぽいから、美女と野獣のコグスワースみたいに……」とか、「もしもこのお寺から一生抜け出せなくなったらどうします?」とか「この階段の向こう、ぜったいラスボスいます! ここがたぶんセーブポイントです!」とか、ほんと、しょうもないんですけど……
でもそのしょうもなさにちゃんと相槌を打ってくれたり、ときには空想に空想で返してくださったりして。
なによりうれしかったのは、ラム子さんは些細なことをすごく褒めてくださるというか、いいなと思ったことをすぐに「いいですね」と褒めてくださる方で。
「山がきれい! 川がきらきら! お花鮮やか! あっ、デッカイちょうちょ! あ、猫!!!」といちいち口に出すわたしを、「きれいなものがよく目にとまるんですね、素敵です!」とか、「自分一人じゃぜったい気づきませんでした。ありがとうございます」とか「動物を見つけるのが上手ですね〜っ!」とか、優しく美しい言葉でほめてくださって。
う、うれ、うれし~~~……。
お夕飯に行く前に一緒に大きな大きなお風呂に入って、お風呂に入りながらも創作の話をずっとして。
わたし、吉本ばななさんがさくらももこ先生とよく銭湯でお互い素っ裸になりながら創作の話をしたというエッセイをだいぶ前に読んだのを覚えていたので、なんか、わたしもいつか売れたらそんなことかいちゃうもんね、なんてだいぶ気の大きなことを考えました。へへ……
お夕食はコースだったんですが、量が多くて半分くらい食べたらおなかがいっぱいになってしまって。
わたしはほんと、あまりたくさん食べられるタイプじゃなくて、それが悔しくてずうんと沈んでいたら、ラム子さんも、それから旅館の方も、「むりしなくていいですよ」「ゆっくりで大丈夫です!」「あ、これは食べられたんですね! よかったぁ~」とか言いながら、にこにこ見守ってくださって。ああ……ひとの優しさに触れて、ちょっと泣きそうになりました……
それからまた大きなお風呂に入って、その後は二人で浴衣のまま外へ出て、近所の足湯スポットへ行きました。
火照った体に冷たい夜風が吹いて、すごく心地よかったです。温泉街に灯る居酒屋さんの明かりの中から、楽しそうな笑い声が聞こえてくるのを聞きながら歩き続けて、高台にあるお寺にたどり着いて、そうしたらそこから、
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宝石みたいな夜景と、満点の星が見えて!
もう、きれいで、きれいで、うれしくて。じいっと景色を見つめました。ラム子さんはわたしが満足するまで横で一緒に星や街明かりを見てくださって、なんてきれいで優しい時間なんだ……と思いながらわたしたちは足湯場へ向かいました。
夜の二十一時近い足湯スポットはだれもいなくて。わたしたちは足をあたためながら、小説の話をしました。
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わたしはラム子さんが、
「勇気を出して本音を話して、その人の内面にはじめて触れる、とか。そういう、現実世界では少し難しくかんじるようなことを小説で体験して、ハッとなったり、落ち込んでいた気持ちが少し安らいだりするような、そんな話を書きたい」
とおっしゃっていたのが、すごく、すごく好きで。
本当にそうですねえ……としみじみ頷きながら、胸がぎゅうっと締め付けられました。
だからわたしも、
「家族仲が悪いわけでもないし、友達関係で大きな悩みがあるわけでもない。世間一般的にみたら『普通』に幸せであろう子たちが、それでもなんとなくしんどくて、あーあ、っていうような気持の時に、寄り添ってあげられるような話を書けたらなって思います」
なんていって、ちょっと照れくさくなって、
「まーっ、とにかく書かなきゃはじまんないですもんねーっ!」
とか、誤魔化して笑って。
上を見ればめまいがするほど星がまたたいている静かな温泉街の夜に、足湯につかりながら、同じ目標を持っている人とこんなに真剣に気持ちを打ち明けられるなんて、なんて良い夜なんだろう……と、なんだか鼻の頭がツンとするのでした。
宿に戻って、昼間に買ったお酒を飲みながら、お互いが今書き途中の話を読み合ってあーだこーだと感想を言いあったり、方向性についての会議をしたりして、夜中の二時頃までずっとおしゃべりをしました。
一日中一緒にいたのに、まだ喋り足りなくて。ずっと話していたくて、最後はほとんど気絶するように眠りについたのを覚えています。
次の日、ラム子さんはわたしを、図書館とか古本カフェとかに連れて行ってくださりました。
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本が好きなわたしのために考えてくださったプランだということが明らかだったので、うれしくてうれしくて、やっぱり胸がじいんとなりました。一緒に立ち寄った図書館では、わたしがおすすめした本をその場で借りてくださって、「これを読んで次の作品に繋げます!」なんて言ってくださって、とにかくそう、すべての会話が創作につながっていて。
新幹線の駅まで向かう車に揺られながら、ラジオからたまたま流れてきたギターの音に、ほろっと泣けてしまいました。
たのしかったなあ。帰りたくないなあ。
握手をしてからさよならをして、よしっと駅へ向かい、新幹線へ揺られました
連休明け、職場にお土産を持っていったら、みなさん「旅行いったの!? どうだった?」と興味津々できいてくださりました。
「たのしかったです! 帰りたくなかったですよお~っ」と言ったら、
「あはは! お帰り、〇〇(街の名前)へ!」「じゃんじゃん働いてもらうよ~」なんて言われて。口では、「え~っ、やだぁ~っ」なんて言いながら、でも、すごく、すごくうれしかった。おかえり、って言ってもらえたことが。
わたしはお話を書くのが大好きです。 まだまだたくさん書いてゆきたい。
そしていつか、あの星がきれいな夜の足湯場で話したような物語を書くことができて、そしてそのお話が、誰かの胸に届いたら。
それはなんて幸せなことなのでしょう!
なんて、夢見る乙女でいるのもまあ楽しいですが、せっかくなら夢は叶えてゆきたいな、叶えちゃうぞ、と、やる気がむくむくわく五月の旅路なのでした。
だって、とにかく書かなきゃはじまんないですもんね!
おしまい
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