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長期米国債ETF(EDV,TLT)の投資戦略


はじめに

 先日、大統領討論会でトランプ氏優勢となったことから、財政拡大とインフレ再燃への警戒が高まり大幅に米国債券が売られる展開となりました。その結果、あっさりEDVは200日移動平均線を割りました。しかし、先週金曜日の雇用統計では予想を下振れるデータが多く出てきたことから、景気後退懸念より再度、EDVは200日移動平均線を奪還しました。
 最近は、200日移動平均線を挟む展開が続いていますが、大きな流れとしては景気後退⇒利下げとなるシナリオです。結論、前回記事と大きく変化ないですが、$73~$74付近で買えれば良いかと考えています。

雇用統計の結果

・非農業部門雇用者数(前月比):2024年6月
⇒予想:19万人に対して、結果:20.6万人でした。

ロイターより引用

・2024年4月、5月分の改定値はともに下方修正となりました。
 5月非農業部門雇用者数:27万2000人増⇒21万8000人増へ減少。4非農業部門雇用者数:16万5000人増⇒10万8000人増へ減少。改定により、両月で計11万1000人減少しました。
 2024年6月は、予想を上回るも傾向としては、雇用者数は減少しており、今後、景気後退を予感させる結果となりました。

・失業率
⇒予想:4.0%に対して、結果:4.1%でした。

ロイターより引用

 米国チーフエコノミスト、スコット氏は「ここ数カ月の失業率の上昇は労働市場の減速を示す明確な証拠となった。金融政策担当者は、消費者物価上昇率が持続可能な形でまもなく目標の2%に戻るという『確信を強める』はずだ」と述べています。
 また2023年7月に付けた低水準の3.5%から0.6%上昇しています。徐々にではありますが、確実に労働市場は軟化していると言えそうです。

・平均時給(前月比):2024年6月
⇒予想:0.3%に対して、結果:0.3%でした。
・平均時給(前年同月比):2024年6月
⇒予想:3.9%に対して、結果:3.9%でした。

MINKABUより引用

 平均時給の伸びは前年同月比でみると、確実に低下してきています。賃金の低下はインフレ改善に大きく寄与するため、利下げ期待も高まります。
 総じて、景気は少しずつ鈍化してきています。問題はこれから、どれくらいの速度で、どの程度鈍化するのかですが予測はかなり困難です。ただどちらにしろ、米国債券にとっては追い風となると考えています。

市場の金利折り込み状況

CME FedWatchツールより引用

 市場は年内2回の金利低下を予測しています。しかし、景気後退の程度と速度次第では、3回以上となることも考えられます。現時点では何とも言えませんが、来年まで見据えるとやはり米国債券は最後の買い場となる可能性があると考えています。

テクニカル的な買い時を探る

株探より引用 EDV日足チャート

 前回の記事と大きく変わりませんが、短期的な上昇トレンドは継続中です。やはり200日移動平均線付近が買いポイントではないかと考えています。つまり$73ドル台で買いたいところです。

まとめ

 米国債券が低下する要因が日に日に少なくなっているように感じます。景気後退の足音が刻一刻と近づいていますので、米国債券ETFは最後の買い場を迎えそうな気がしています。
 結論、前回記事と大きく変化ないですが、$73~$74付近で買えれば良いかと考えています。自分自身はすでに多くの米債券ETFを持っているため、$73では買い増ししませんが、これから米債券ETFを購入しようと考えている方は、ラストチャンスになるかもしれません。

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