「リアル×サブスク」で攻める3サービスを題材に| #マーケティングトレース
こんにちは。金森です。
今回は、「リアル×サブスクリプション」と言うテーマでいくつかのサービスを見ていこうと思います。
①プチ社食の「オフィス おかん」
まずは、ウェブサイトから見ていきましょう。
■webサイト観察後の所感その1.
「資料をダウンロードする」と言うCTAはフッター固定
・リード獲得手法の一例:資料ダウンロード
フッター付近に固定することでユーザーの目につきやすいようにし、まずは資料をダウンロードしてもらうようにしているのでしょう。
※サービス詳細・料金プランは資料をご覧ください
ウェブサイトにも書かれている通り、サービスの詳細や、料金プランを知るためには資料をダウンロードする必要があります。そして、企業側としても(見込み)顧客に対して直接アプローチをする必要があるので、電話番号やメールアドレスをヒアリングします。「オフィスおかん」と言うサービスは、ソフトウェアではなくリアルのサービスであり、エリア別で提供サービスが異なるためなのか、郵便番号もヒアリングしています。
▼資料ダウンロードにおけるヒアリング項目
Step1:郵便番号の入力:「フォームへ進む」
Step2:エリア別資料案内用フォーム:氏名/会社名/所属部門/メールアドレス/電話番号/導入の検討理由/※その他の場合にご記入ください→「同意して資料をダウンロードする」
Step3:資料ダウンロード
▼入力形式
・ステップ形式のフォーム
cf. マーケターのムロヤさんがこちらの資料であげていた資料から抜粋。
LPO(Landing Page Optimization)の事例紹介です。
上記のGIF画像でも記されている通り、フォームからの離脱率が低いと見込みステップ形式にしているかもしれないですね。(オフィスおかんの場合の正確なデータを見て取れているわけではないので、あくまで推測です。)
■ウェブサイト観察後の所感その2.
「今月のメニュー表」をPDF形式で公開している!
「お惣菜メニューについて -about menu- 」と言うページの下部に、「これは良いなぁ」と思ったものがあります。下記GIF画像の、「今月のメニュー表」と言うPDF資料です。いわゆるホワイトペーパー(企業のセールス資料、サービス紹介資料、技術資料、事例資料など、企業の発行する資料全般をさして使われることが多い)に当たるものでしょう。
「オフィスおかんのお惣菜が喜ばれる理由」と言う項目の下に、『今月のメニュー表』を公開中!と言うリンクがあります。「社食サービス導入を検討しているけれど、具体的にどんなメニューがあるのかな?」という疑問を持っている方に、ダイレクトに刺さりそうですね。
メディア掲載
TechCrunch Japanの記事より、おかん代表取締役の沢木恵太氏のコメントです。
「オフィスおかんについてはかなり社会的ニーズが強まっていて、自社としても形ができあがってきているのでスケールアップを目指していく。SaaSに近しいモデルなので、ユニットエコノミクスを見ながらマーケティングをしっかりやれば伸ばしていける感覚がある。(規模の拡大を目指す上で)提供している商品の品質やサプライチェーンの仕組みをさらに良くするための投資もしていく」(沢木氏)
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② クルマのサブスクリプション「NOREL」
まずは、ウェブサイトから見ていきましょう。
■ ウェブサイト観察後の所感その1. 統一性が無い箇所がある
いきなり指摘するようでちょっと恐縮なんですが、ウェブサイトをのぞいてみて気になるポイントがありました。
ウェブサイトのフッター部分にある、「公式ブログ」と言うリンクに飛ぶと、NORELの公式ブログページに飛びます。公式ブログ自体は良いと思うのですが、以下の部分が気になりました。
① (上記GIF画像で矢印で指しているように)ヘッダー部分のロゴ周囲に違いあり。(「月額定額、クルマ乗り換えホーダイ。」と言う文言の有無。ウェブサイトにはそれが無い。)
②(上記GIF画像で矢印で指しているように)公式ブログ上(https://norel.jp/content/)では、ログインボタンが無い。加えて、(GIF画像からは読み取れないが)フッター部分のデザインがウェブサイトと異なる。
細かいことかもしれませんが、ブランドを創り上げるためには「統一性・一貫性」が必要だと思います。こう言う細かい箇所は、サービス当事者の方は案外気づきにくいものですよね。これを機に、自社のウェブサイト等も一度見直してみても良いかもしれません。
■ ウェブサイト観察後の所感その2.サイトのページ設計に改善の余地あり??
簡単に言うと、サイトにおけるページ設計に改善の余地があるかもしれないと思いました。サイトマップは、こんな感じ。
サイトマップ上のリンクと、ウェブサイトのヘッダーリスト及びフッターリストからの遷移先を簡単に図にしてみました。灰色が背景色のボックスは、サイトマップからは遷移できないページです。
例えば、サイトマップ上で「クルマを探す」と言うリンクを押すと、自動的に「中古車を探す」ページに飛びます。(ヘッダー上から選ぶ場合は、新車か中古車で選択肢があります。)
もう一点。ウェブサイトヘッダーリスト上から、「利用手順」をクリックすると「新車の利用手順」か「中古車の利用手順」と言う二つの選択肢が出てきます。ただ、サイトマップ上で「サービス内容」を押すと上記二つとは別のページに飛びます。
他にも、ウェブサイトヘッダーリスト上にある「お客様の声」とサイトマップ上にある「NORELの評判・口コミとメディア掲載履歴」の立ち位置が、やや被っているように感じました。
(これらに意図があるのなら、全然良いと思うのですが...。何となく気になってしまいました。)
「NOREL」と言うサービス自体は、とても良いなぁと思います。まだβ版と言うことなので今後に期待です。NORELの運営元は、中古車買取や販売サービスを展開するガリバー(運営企業は、東証一部に上場している株式会社IDOM)と同じですので、安心感もありますね。
メディア掲載
「がっちりマンデー」と言う地上波の番組で、NORELが紹介されています。
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③ファッション×サブスクリプションの「メチャカリ」
まずはウェブサイトを見てみましょう。白を基調としており、余白も多く、縦長のデザインとなっています。
■ ウェブサイト観察後の所感
「スマホアプリのウェブサイトは、アプリをDLしてもらうことがゴール」
▶︎「メチャカリ」のポイント①月額定額制(月額5,800円)で洋服が借り放題
・返却期限がなく、何度でも借りかえられる。(レンタル枠:3)
・気に入った洋服は割引価格(5%OFF)で買い取り可能。
・利用済みの洋服はクリーニング不要でそのまま返却。
・借りられるアイテムは全て新品
▶︎「メチャカリ」のポイント②ウェブサイトの構成はこんな感じ!
一番目立つCTAの文言は「まずは1ヶ月無料体験」ですね。無料体験を推すタイプは、B2C(Business to Consumer)のサービスだろうが、B2Bのサービスだろうが一定数あります。当たり前のことですが、B2Bのサービスと違い、B2Cの「メチャカリ」はB2B SaaSのウェブサイトとは雰囲気やコンテンツも異なります。ただ、お互いに見習うべきポイントはありそうです。(ex.ウェブサイトの見やすさ・情報の整理面・導線の張り方)
・ロゴとキーポイント+「まずは1ヶ月無料体験」のボタン(背景に画像)
・サービス概要
・特徴の一つ:借りられるアイテムは全て新品→「コレクション」への導線
・特徴の一つ:様々なシーンに対応できる豊富なスタイル→オフィススタイルもプライベートスタイルもオケージョンスタイルもあることをアピール
・MECHAKARIの使い方→ハウツー系
・料金プラン→プライシング
・3つのポイントを整理(新品だけ届く・クリーニング不要・お気に入りは返さない)
・よくある質問→FAQ
・アプリストアへの導線
・SNSアカウント(instagram・Facebook・Twitter・LINE)
SNSアカウントに関して特に注力しており、かつ顧客層と相性が良いのはinstagramとTwitterではないでしょうか。
上記SNSアカウントの他に、YouTubeも利用しているようです。ただ、動画の本数も少なく(約10本)、あまり注力していないよう。
▶︎「メチャカリ」のポイント③earth music&ecologyなどの人気ブランドを展開するストライプインターナショナルが運営。
メチャカリのウェブサイトでは、運営企業のストライプインターナショナルについてはほぼ言及されていません。
何らかの意図があってのことなのかもしれないですが、個人的には「サブスクリプションのサービスこそ、運営元が明らかになっており、この企業なら大丈夫だと安心感を抱かせるように工夫した方が、アプリのダウンロードにも繋がるのではないか?」と思っています。(クレジットカードなどの重要な情報なども登録することになるでしょうし。)
🤔僕がメチャカリのマーケティング担当なら
①ウェブサイトで運営元の企業がはっきりわかるようにし、顧客に安心感を持ってもらう
②SNSアカウントにPinterestを追加。下記記事を参考にPinterestを運用。
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今回は、「リアル領域」×「サブスクリプション」のビジネスについてリサーチをしてみました。SaaS(Software as a Service)ではサブスクリプションが一般的ですが、最近ではリアル領域でもサブスクリプションと言うビジネスモデルが浸透しつつあるようです。今後はどうなっていくのでしょうか。
それでは、最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。