諦めたくない!服についた墨汁汚れの落とし方
娘が、書き初めの授業で墨汁をズボンにこぼし、体操服で帰宅しました。
持ち帰った汚れたズボンを見てガッカリ!
今シーズン買ったばかりのズボンが真っ黒です(涙)。
(娘よ、なぜ習字の日にこれを履いていった!?)
見た瞬間、「これをキレイにするのは無理だろう」と、半ば諦めました。
墨汁の汚れは落ちないと聞いたことがあったからです。
が、お掃除講師もしている私。意地でもキレイにしよう!それが無理でも、できるところまでやってみよう!と思ったのです。
結果、ここまでキレイになりました!
完全とは言えませんが、よく見なければ分からない程度に。
今年買ったにしては随分と履き込んだね~ぐらいのレベルです(笑)
ではどうやってここまで復活させたのか?について、お伝えしていきたいと思います。
墨汁が落ちにくいのはなぜ?
そもそも、墨汁が他の汚れに比べて落ちにくいのはなぜなのでしょう?
調べたところ、その成分に原因がありました。
昔ながらの墨汁は、膠(にかわ)系といって天然の原料から作られていました。
一方、最近の墨汁は樹脂系といってカーボンと合成樹脂を水に混ぜた簡易的なものが主流です。
樹脂系墨汁は、乾燥が早い・強い黒が出る・定着が早く使い勝手が良いという特徴から、現在学童用や一般向けに普及しているものの多くがこちらになります。
この樹脂系墨汁に含まれている合成樹脂は、水と混ざらないカーボンを、均等に水に混ざるようにする働きがあり、乾いたときに紙に定着するよう接着剤の役割を果たしています。
さらに、カーボン粒子は細かいため、繊維の奥に入りやすいのです。
つまり、細かくなったカーボンが繊維の奥まで入り込み、接着剤の役割も果たす合成樹脂によって固められる。
これが普通の汚れに比べ、墨汁汚れが落ちにくい原因だったのです。
ですから、ヘタに水で洗ってしまうと広がるおそれがあるという、手強い相手と言えますね。
私が取った方法はこちら!
1.古タオルを生地の下に敷く
まず、大前提として、墨汁をこれ以上「広げない」こと!
緩んできた汚れが他の場所をさらに汚さないように、古いタオルを生地の下に敷きました。ズボンの汚れを古タオルにお引っ越しさせるという作戦です。
この下準備をした上で、下記の手順で汚れを落としていきました。
2.ご飯粒を塗り込む
墨汁をこれ以上「広げない」ために、まずは昔ながらの方法「ご飯粒」を使いました。
墨汁が染み込んだ部分にひとつまみ程度のご飯粒を少し湿らせ、塗り込むように擦っていきます。すると、布に染み込んだ墨の粒子をご飯のでんぷん質が吸い出してくれるのです。
最初のうちは、みるみるご飯粒が黒くなっていき、墨の粒子がご飯粒に移動している様子が分かりました。
ご飯粒が汚れてきたら取り除き、これを何度か繰り返していきます。
と同時に、汚れの下に敷いた古タオルを見てみると、真っ黒になっていました!(汚れるたびに、何度か交換)
古タオルにも汚れが移動していることが分かります。
3.マジックリンを使う
これ以上、ご飯に汚れが移動しなくなった段階で、水で2~3倍に薄めたマジックリンを、汚れた部分に浸透させます。
(※原液のままだと、衣類を傷める可能性があるので注意)
その後、流水で揉み洗いを繰り返していくと、徐々に汚れが薄くなっていきます。
4.中性洗剤を使う(ウタマロクリーナー)
マジックリンは汚れを落とす力も強いですが、アルカリ性のため生地を傷める可能性があり、あまり長時間生地に使うのは好ましくありません。
最後は、中性洗剤(我が家ではウタマロクリーナーを愛用)で仕上げを。
まだ少し残っている汚れ部分に洗剤を付け、無印良品のお掃除用のヘラで生地をこすると・・・みるみる汚れが落ちていきました!
この汚れは、裏に敷いてあった古タオルに移動していました。
ズボンの汚れが落ちるのに伴ってタオルは汚れるので、こまめに面を交換することで、汚れが再付着しないように気をつけました。
最後は水ですすいで完了!
無事に、(ほぼ)復活!!
完全とは言えませんが、履けるぐらいにはなりました。一時はズボンを捨てることも考えたので、予想を上回る結果です。
張本人の娘も大喜び♪
※ちなみに、今回の汚れは、5時間目(お昼後)に汚し、夕方17時頃に落としました。また、ズボンはポリエステルがメインのものです。汚してからの経過時間や、素材によって効果は異なる可能性があることをご了承ください。
まとめ
自分自身でやってみた結論として、墨汁汚れは
①いきなり水をかけて広げない
②汚れをお引っ越しさせるイメージで
③1つの方法で落とそうとせずに、いくつかの方法を段階を踏んで組み合わせる
というまとめとなりました。
大事な衣類を墨汁で汚してしまい、「もう無理かも!?」と諦めかけている方の参考になったら幸いです。
▼この記事を書いた村田美智子ってこんな人▼