登録ユーザー数4,000万人超!pixivの強みは、見てくれる人の多さにある。
作品投稿プラットフォーム「pixiv」が成長した背景
日経MJで紹介された、pixivの成長。アプリ分析ツールによると、MAUが1年で3割増えているそうです。pixivは、CGM(Consumer Generated Media)のひとつで、イラストや小説などの作品を投稿し、交流をするプラットフォームです。pixivのサービスインは2007年ですから、10年以上続くネットサービスなんですよね。
記事内では、pixiv成長の理由を2つ挙げていました。1つ目は、pixivでの創作活動がメディアミックス展開しやすくなっていること。2つ目は、匿名性です。
そこに私は、日頃使っているユーザーとして3つ目の理由を挙げたいと思います。それは、「閲覧者が多いこと」です。
pixivの媒体資料から見る、ユーザーの特徴は?
では、解説としてpixivの媒体資料から、pixivの利用規模(Web版・APP版)を見ていきましょう。
<pixivの利用規模:Web版>
Web版ユーザーとは、ブラウザを利用している人のこと。MAUを比較すると、スマートフォンはパソコンの約4倍です。しかし、それぞれに利用意図が違うことがポイントでしょう。パソコンからのアクセスの多くは、作品投稿者によるもの。対してスマホは、作品を閲覧するユーザーが多いです。(注:資料ヘッダーは会員3,000万超とありますが、4月に4,000万人に更新されています)
<pixivの利用規模:APP版>
続いてアプリ版。作品を見るために利用するユーザーが多いとありますね。
以上のことから、pixivは、作品を投稿する人よりも、作品を閲覧する人が多いのではないか?と考えられます。
これは、機能面からも伺えます。2018年頃から、pixivは投稿機能のアップデートが増えました。それ以前は、閲覧者ファーストのUIだったと感じます。先に、ユーザーの多い閲覧者側の機能を充実させていこうという考えだったのかもしれません。
作り手は、作品を見てもらいたい!
では、なぜ投稿者よりも閲覧者が多いことがメリットなのでしょうか。CGMなのだから、投稿者が多い方が作品も増えて良さそうなのに、と思いますよね。
その理由は、投稿者のインサイトにあります。なぜなら、作り手はやはり作品を見てもらいたいもの。見てくれる人が多い場所へ、作品を投稿したいんです。
いまや、創作プラットフォームとして圧倒的存在のpixivですが、これまでに競合サービスが出てこなかったわけではありません。しかし、pixivの牙城を崩せなかった理由は、やはり閲覧者の多さにあります。投稿者の多くが、趣味で創作をする人たち。だから、例えばpixivには登録していない人気のクリエイターが使っているというアプローチや、少しの機能の違いよりは、見てくれる人がいるpixivを選ぶのだと考えます。
昨今、クリエイター支援のWebサービスが注目されてきました。クリエイターが発掘され、既存のメディアビジネスだけでなく、個人の支援でも創作活動を続けられることは、未来があります。
そのような中、pixivはカジュアルに創作が楽しめる場所。pixivだからこそ提供できる、ユーザー体験です。「好き」を、イラストや文章・感想などで共有し合える気負いのないコミュニティとして、これからもあり続けていってほしいなと思います。
\おまけ/
pixivで読める!Webサービスに関わる全ディレクターとデザイナーの女子に読んでほしいBLマンガ「コマンドZはできません」(津夏さん)