ケンチククレクレ病
持病の発作性建築見たい病期がやってきた。
慢性の労働嫌悪症、出勤同時帰宅願望症といった持病も持っているが、建築見たい病だけは一度浮かんでしまうともう駄目なのだ。
友人と美術館や博物館に行くことがある。
展示そのものは満足に見るのだが、建物まで見ることができているかというと怪しい。
建物に関しては消化不良である。
旅行でも同じだ。
観光センターのような何気無いものでも、かっこいいと感じるものであれば写真を撮りまくりたい。
よほど私の性質をわかっている友人は、「ここで写真撮りたいんでしょ」と言ってくれるのだが、それ以外の人にはそうはいかない。
多くの女性にとって、なんてことのない観光センターで時間を取られるわけにはいかない。たいていの旅行は時間との勝負である。
映えるご当地スイーツを食べながら観光地を歩き回り、可愛いカフェでお茶をして、おしゃれなお土産を調達せねばならない。
その気持ちもとてもわかる。
私だって、決して、おしゃべりをして、美味しいご飯を食べるのが嫌いなわけではない。
ただ、階段の写真も撮りたいだけなのだ。
入り口の階段も気になる。
階段を上った先の空間どうかな、とか。
吹き抜け上から見るとどんなかんじだろう、とか。
あくまでも建築に関して完全なる素人なので、見たい目線でひたすら見るなかで、かっこいい、素敵だな、と思った場所から撮る。
詳しく調べたいときはどういう意図やテーマがあるのか、何をイメージしたのかなどの文章をわかる範囲で読む。
施工の難しさ、とか専門的なことは相変わらずよくわからない。
結果、建築を見るというのは、ひとりでいかない限りはうまくいかない。
一度行った場所でも、あのときもっと写真とりたかった、じっくり建築を見たかった、と思うことは多々ある。
全国に転々と、美術館や博物館をはじめ、私が制覇したい建築たちが待っている。
そう思うといてもたってもいられなくなり、どこでもいいから建築を…見に行きたい…近場でもいいから…という発作に襲われる。
幸い、月末に連休を控えているので、ここでいくつかまだ見たことのない九州の建築を見に行こうと思う。
なんて思っていたら、なんと新幹線の開業とかぶっておりすでに出鼻をくじかれている。そんな激混みのところにはいけない。
ちなみに見に行こうと思ったのは、長崎の銀行である。たまに雑誌などで紹介されている有名な銀行なので一度見ておこうと思ったのだが…なぜこのタイミングで武雄温泉から長崎の新幹線は開通してしまったのだ…
とりあえず、気になる建築の展示あるのでそちらをひとまず見に行こうかなと思う。