藤子不二雄ミュージアムレポ2
Fシアターでは、ここでしかみられない短編を上映している。
子供向けだと思い、入ろうか迷っていたところ。うっかりシアターの案内のお姉さんと目があってしまい「今なら空いていますけど、これから混みますよ~」と言われて、それじゃあ…と子供たちに混じって列に並ぶ。
結果的には、とてもよかった。
大人になってから、観客に小さな子供がたくさんいる映画を見ることがない(私の場合はコナンぐらいだろうか)
子供は本当に見たままを全身で楽しむ。
私の隣にいた男の子がお父さんに「これ、さっき1Fにあったやつとおんなじだねー!」(先生の机が展示されているのだが、全く同じ机が出てくるシーンがあった)と嬉しそうに言っていたので、「そうだね、あったねぇ」と心のなかで思いながら何だかこちらも嬉しくなる。
今はミュージアム開館10周年記念オリジナル作品を上映中で、往年の人気キャラクターが勢揃いしていて、にぎやかで楽しい作品だった。
終わったあとには、びっくりな仕掛けも。(この発想はまるでディズニーランドだなぁと思った)
さて、カフェとシアターを満喫したあとは、1Fの常設展示へ。
ここでは、あまり知られていないドラえもんの歴史や、藤子先生の創作の秘密を原稿や設定のメモを通して知ることができる。
この展示だけでも結構なボリュームで、見るのにかなり時間がかかった。
藤子先生が、学年ごとにドラえもんを描き分けていたというのは有名な話であるが、ここで感じたのは、「編集」がとても上手い人だったんだなということ。
ドラえもんとのび太たちを取り巻くあるひとつの出来事の、何を描いて何を描かないか。
描くときは、どの視点から、どんな構図で描くのかが考え抜かれているのがわかる。
低学年にはわかりやすく、伝わりやすいように。高学年には、勉強や恋愛、友情を軸に色々な感情が生まれるようなものを。
さらには単行本に入れる話も丁寧に選んで、連載をそのまま載せるのではなく書き換えることもあったそう。
私が印象的だったのは、アニメ映画化する際のしずかちゃんの部屋のこと。
たくさん、スタッフにダメ出ししている一方で(もっとぬいぐるみたくさん描いて、とか、雑誌を参考におしゃれな部屋にして、とか)、しずかちゃんがよく座る場所の後ろは、何度も描くことになるから簡単にしてよいというようなメモがかかれていて、そこまで考えているのだなぁと驚いた。スタッフの作業効率まで考えて、力を抜くところは抜いてよいというアドバイスができるってすごい。
「良質な娯楽を提供したい」という藤子先生の言葉が妙に心に残っている。
そういえば、先生のお気に入りのものが置いてあるコーナーで、映画『BIG』のレコード?があった。トム・ハンクスの出世作と言われていてめちゃくちゃ面白くて大好きなのでいつかちゃんとレビューを書きたい。