陽の厨二病(仮称)その1
いわゆる、巷で使われる厨二病という言葉には、「闇に支配されしこの左腕が疼くっ」、のような「暗黒」「闇」といったワードのイメージが含まれていると思う。
加えて「ゴシック」のようなイメージもあるだろう。それもおそらく本家本元のヨーロッパのものではなく『ゴスロリ』から来ていると思われる。『黒猫』『十字架』『包帯』『眼帯』など。
もっと分かりやすい厨二病イメージは、アニメ『進撃の巨人』のオープニング『紅蓮の弓矢』に詰め込まれている。
冒頭のセリフ、これは日本語で「お前たちは餌か?いや、俺たちは狩人だ!」という意味で、作品の世界を表したドイツ語である。
(ドイツ語というのが厨二病ならではの難しい言葉に憧れている感がある、偏見だが)
まるで『レクイエム』のような仰々しいイントロとドイツ語で始まる時点ですでに、よくあるアニメソングではない。
サビでは怒濤の厨二用語ラッシュである。
反撃の嚆矢…
ウィキペディアでは、嚆矢とは、先端に鏑という飛行時に大きな音を出す装置を付けた矢であり、かつての中国や日本ではこれを放つことで合戦の開始を知らせた。 転じて、ものごとの始まりを表す言葉でもある。
たぶんこの歌がなければ私は一生知ることの無かった単語だろう。
難解な言葉を多用するというのも、殺意と書いてしょうどうと読むところもいい具合の厨二感である。「救世主」と書いて「メシア」、「聖書」と書いて「バイブル」と読むのだ。
厨二病を最大限に突き詰めたようなこの世界観は、きっとLinked Horizonにしか作れないだろう。
気になった方は紅白 Linked Horizonで検索すると、進撃の巨人の隊服を着たコーラス隊を従えて歌う映像が出てくるので探してください。途中のドイツ語といい、こちらもかなり厨二心に響く仕様になっている。
さて、私が中2だったころ、確かに黒猫もアリスも黒レースも好きだったし、ゾルディック家がかっこいいとも思っていた。本物のイタリアのマフィアってどんなだろうと憧れた。
当時ありふれていた、チート能力を持って漫画の世界にタイムスリップして、序盤で襲撃されている推しを助けて「強い…お前いったい何者なんだ?」と言われるような夢小説だってたくさん読んでいた。
そう時は、ガラケーのフォレスト全盛期である。
これ以上は、書いていて恥ずかしくなるので、いよいよ本題に移りたい。
上記に告白したように古傷の黒歴史は色々とあれど、いわゆる「厨二病」は私の中心ではなかった。
中心は多分「陽の厨二病(仮称)」だったのではないかと思う。
私の患っていた、今でも患っている症状にぴたりと当てはまる言葉がないので、勝手にそう呼ぶこととする。
これに該当する作品は、その頃あまり意識していたわけではないので何とも言えない。
(当時は自分でこっ恥ずかしいファンタジー小説を書いたり、なりきりチャットをしたりしていた…)
すごく影響されていたなと思うのは、アニメ『フリクリ』、『FREEDOM』(カップラーメンのCMになっていたので覚えている方も多いはず)、『デュラララ』の作者、成田良悟の作品の世界と邦画『リターナー』なのは間違いない。
今でいえば、新海誠の『君の名は。』や『天気の子』。
特に『天気の子』を見たときに、私が子供の頃から見たかったファンタジーはこれだ!と感じた。
バンドならBUMP OF CHICKENを筆頭に、RADWIMPS、STRAIGHTENER、the pillows、UNISON SQUARE GARDEN(こちらは中2当時は無かったので大人になってから)の歌詞の世界である。
そして、鉄塔、工場、給水塔、電線のからまり、のようなアイテム。
いまだに冒頭のような団地と給水塔を見つけたら、すぐに写真に撮ってしまう。日常に異常があるようなそんな気がする。
思いつきで書きたいことだけ書いてしまったけれど、次回はもっと具体的に陽の厨二病の特徴を探していきたい。
くらいのパトロンになりたいという奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いします。その際には気合いで一日に二回更新します。