Tシャツはいつも私の心が決める(あさを)

先日、同じ職場の人が通勤している姿をたまたま目撃した。(制服なので私服を見ることはほぼない)

スタイルの良い、若い男の子である。
ただ、一点だけ。

どこからどうみても、謎のTシャツを着ていた。

個性的でも奇抜でもなく、『謎』というのはオブラートにしっかりとくるんだ表現である。
よく見ると、某世界的に有名アーティストのデザインのもので、おそらく大量生産で売られているものだろう。

うーん、しかし、それにしても数あるなかからこのTシャツを選ぶだろうか。もしそうだとしたら、結構なチャレンジャー精神である。

それぐらいなんというか、全体的に派手なイラストだ。イオンなど人がたくさんいるところでも、すぐに見つかりそうだ。

見れば見るほど、何故このTシャツを選んだのだろうという妄想が湧いてくる。

そういえば『ジュラシック・ワールド』ではジュラシック・パークマニアの男性が恐竜の施設で働いてて、恐竜のフィギュア集めて、ジュラシック・パークのTシャツを着ていたなぁ。確かに、それぐらい心から好きだったら納得できる。

もしかして、その男の子も、そのアーティストのことを深く敬愛していて、どんなデザインのものでも愛着を持って着ているのかもしれない。心のなかでは、「ん?」と思うものだったとしても、あのアーティストが描いたなら着る、という具合に。

もしくは、Tシャツに全くこだわりがなく、去年の夏の終わりにワゴンに積み重なって入れられていた500円のTシャツを今年着ているのだ、と言われてもなるほどねーと思う。

もしくは、もしくは、彼女から誕生日にプレゼントされて、そのうえ私のぶんも買ったからお揃いで着ようねって言われてもうどうすることもできずに着ているのかもしれない(いや、その場合は部屋着にして外には着ていかないからおかしいか)

要するに、どんなに謎のTシャツでもなにかしらの理由があって着ていれば私は納得できるらしい。
もし、その男の子がお洒落だ、と思って着ていた時は、ちょっとだけぎこちないリアクションをしてしまうかもしれない。


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くらいあさ
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