服も下着も「黒ではなく白」、という挑戦
「下着がその人の印象になる」という投稿で、使い古した補正下着を捨てて、思いきってそれまでの自分にとっては高級なYueというブランドのブラとショーツを購入した話を書いたが、それ以降、私の下着熱がどんどん高まっている。
自分の下着がきれいになると、家族のものも気になり出し、年末年始でもないのに調子に乗って、夫の古いトランクスと肌着、娘たちの古いキャミソールや靴下も大量に処分し、新調した。
まるで、一つの部屋を掃除したらきれいな空間が心地よくなり、家中の掃除に取りかかりだした、みたいな感じだ。
今までも年末年始に一部入れ替えを行ったりしていたのだが、改めて取り組んだ理由は、占星術家のKeikoさんという方が「布類は邪気を取り込みやすい」と語っていたから。
“邪気”! という言葉のインパクトは、すさまじい。今すぐ古い布類を全部捨ててしまいたくなるようなパワーがある。
一瞬ギョッとしたけれど、とても腑に落ちた。確かにキッチンの使い古した布巾なども、見るたびにちょっとテンションが下がっていたんだよなあ。
そんなパワーワードを聞いたこともあり、気づいたらヨレヨレになっていたブラの上に着るキャミソールを思いきって新しくすることにした。選んだのは、もう何年も前から、ずっと気になっていた、HANRO(ハンロ)というブランドの「コットンシームレス」ラインのキャミソール。余計なものが一切ない究極にシンプルなデザインで、コットンだけどインポートなせいかお高い。価格がネックになって、ずっと躊躇していたのだ。
とりあえず黒と白の2枚を購入したのだが「なんで、コットン素材なのに、こんなに高いんだろう?」という疑問が払拭されるくらい、肌触りが良く心地いい。2枚しかないそれを着たくて、思わず毎日洗濯を急いでしまう。買い足したい。
ところでこの黒と白という2色、これまで迷わず選ぶのは黒の方だった。着痩せして見えるし、汚れも目立たないし、無難。Tシャツもインナーのキャミソールでも白を選ぶことはなかった。けれども買い足すなら、今、白がとても気になる。
白いTシャツというのを長らくタブーにしてきた。着膨れして見えるんじゃないか。すぐ汚してシミを作ってしまうんじゃないか。なんとなく体育着を着ている学生のようで自分には似合わないんじゃないか。
ベーシックな色だけど、それくらい自分にとって勇気のいる色で、手に取ることはなかった。ところがインナーのキャミソールが白だと、どこか気分が清々しい。
どんなに疲れた夜も、お風呂に入って洗ったばかりの白いキャミソールを着ると、自分が少しだけピカピカになった気がする。汗をかいてシャワーを浴びた朝、手に取るのが白いキャミソールだと、気分がシャッキリして一日を過ごす自信が持てるのだ。
ちょっとだけ上質な素材の白を選ぶのは、これまで私がしてこなかった贅沢だからだと思う。
黒という色が持つ、シャープな感じも好きだけれど、高いもの、素材がいいものほど、汚してしまうのが怖いという貧乏性な心配があった。そんな消極的理由もあって、白か黒かの選択で、いつも黒を選んでいたんだなあ。
試しに、一枚、夏に向けて白いTシャツを買ってみた。体のラインは黒よりぼんやりして見えるけど、その分やさしげに映る。年齢とともに若い頃よりくすみがかった肌も、レフ板効果ゆえかパッと明るくなる。思っていたより悪くないかも。何より、心がちょっと上を向く。
まだ少し気恥ずかしい。ムズムズもする。でも、年齢を重ねるにつれて、無意識にMyルールと思い、閉じてきたファッションがある中、新しい挑戦なんて久しぶりじゃないだろうか。
この夏は、白を着る。そんな小さなチャレンジにワクワクしている。
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