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mogura2001
11月のうた
この夏もプールの児らの声のなく蜻蛉の数多羽根を乾かす
渓流の底ひを縫ひて白鷺の夏の深みの森に消えゆく
藁を焼く農家のありや谷間の集落包む夜気を焦がす
故郷の仏間に独り寝る夜にこの先遠くを心に宿す
薄雲る光を透かす障子戸の向かうに祖母の吾の呼ぶ幻聴
渓流の水の渡りに冷やされて森の匂ひの肺腑を浸す
広島行き急行降りし父ありて吾の今あり八月六日よ
この夏もプールの児らの声のなく蜻蛉の数多羽根を乾かす
渓流の底ひを縫ひて白鷺の夏の深みの森に消えゆく
藁を焼く農家のありや谷間の集落包む夜気を焦がす
故郷の仏間に独り寝る夜にこの先遠くを心に宿す
薄雲る光を透かす障子戸の向かうに祖母の吾の呼ぶ幻聴
渓流の水の渡りに冷やされて森の匂ひの肺腑を浸す
広島行き急行降りし父ありて吾の今あり八月六日よ