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投資のリターンはお金だけ?

今回のお題📚
「持続可能な資本主義」新井和宏

📻音声(stand.fm)はこちらからどうぞ。https://stand.fm/episodes/61cd2e78c5d3210006779315

金融業界のエリートだった新井さんが
その座を降りて始めた「共感」による投資


新井和宏さん。ご存じでしょうか?
知っている人は、よく知っている・・・
ある分野では、かなり有名というか。

もともと金融機関にお勤めで~
(それも、東大新卒で住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)入社、バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現・ブラックロック・ジャパン)に転職して、 公的年金などを中心に、多岐にわたる運用業務に従事した超エリート✨ だのに、そのポジションを投げうって独立したのです。すごくない???)
鎌倉投信 で、皆さんからお金を預かって投資(運用)するというお仕事をされていた方です。

鎌倉投信には投資先選びに「ポリシー」がありました。
簡単にいうと
いい会社にしか投資しない
と決めてるんですね。それで結果的に、良いパフォーマンスを上げた!!と
いうことで有名になりました。

私も野村證券法人部で
IPOの仕事にヒリヒリしてた


新井さんみたいなエリートじゃないですが、私も新卒で大手証券会社に勤めました。販売(ブローカレッジ)ではなく、引受(アンダーライティング)の部門で、株式を発行する事業会社さんのほうのサポートをしていました。
ベタにいうと「IPO」 イニシャルパブリックオファリング 新規上場
のお手伝いをしていました。
当時は未公開株を持っていれば、新規上場のときに株価が跳ね上がる! 投資家も儲かるし、その会社の株式を大量にもっている創業者や、メインバングなどのステイクホルダーはもっと儲かるという時代でした。
いまは、新規上場株のパフォーマンスが当時ほどよくなく、そんなに(値が)跳ねない…なんなら逆に下がっちゃうこともあるかもしれませんが。その頃は、投資というより投機的な側面がありました。コーフンはしますよね。自分たちの担当している会社の株に初値がつく瞬間っていうのは、ひりひりする感じだし、私も若かったからwwwそういう刺激を好んでいたときもありました。

あったんですが、その後紆余曲折、人生いろいろありまして。
投機よりは投資に興味があるんです。
それも、新井さんが言っておられるように
持続可能 な感じにして
みんなの利益や幸せが一番大きくなるような
お金の使い方、まわし方ができないか?
というようなことに、一番興味があるんですね。

50代を迎えた新井さんが
不思議な会社「eumo」を設立


新井さんは今、eumo(ユーモ)という新しい会社を興されたのですが、ずっとキャリアの中で
「信頼と共感で成り立つ経済の仕組み」
をつくろうと、プラットフォームをつくったり、考え方を広めたりしておられます。ファンドマネージャーで、そういうタイプの人はあまりいないのかな?と思うのですが、たぶん新井さんもヒリヒリする世界にいて、ちょっとしんどいなぁと感じられた時代を経て、50代のいまがある
という感じでお過ごしなんじゃないかなぁと想像します。

株式会社eumo公式サイトより(2022年1月7日スクショ) 音声を収録したときから時が流れ、2021年暮れにeumoは「非営利型株式会社」に。仕組みは同社のサイトにてご確認ください。

この本は、鎌倉投信の「投資の姿勢」がいろいろ出ていて、それ自体が名言集のようになっています。
たとえば、株式投資をする方は、銀行預金やゆうびん貯金を選ぶ方に比べると、ハイリスクでもハイリターンがほしいから投資しているわけじゃないですか。そのときの「リターン」って、たぶんお金のことだけを言っていると思うんです。とくにデイトレーダーの人なんかまさに。
でも、鎌倉投信さんが捉える「リターン」というのは

幸せの方程式
資産の形成×社会の形成×心の形成

という方程式でなりたっています。
そして、この3つを掛け合わせた解=しあわせ というリターンを
皆さんに還元する金融商品をつくりたい💓 と言っておられるんですね。

信頼と共感

って。
たとえば災害・・・東北の震災の後、コロナ禍の後、たびたび言われてきたと思います。だけど、のど元過ぎれば熱さを忘れちゃうんですね。すぐにまた、「金・カネ」って言うし、私も言う。言うけど、
どこかに心の拠り所を探している、というのはみんなあると思うんです。

その例として「ファン」の話が出てきます。
投資家の方にいかにファンになってもらうか
は、とても大事です。デイトレーダーの人は、買っている株式の(発行)会社のファンでしょうか? 単に儲けのツールとして下がっているときに買い、上がっているときに売る。それが資産形成(利益を出す)のためには有利な動き方なのですが、ファンはそんなことしないじゃないですか?

たとえば、アイドルのコンサートで、会場でしか手に入らない「プレミアTシャツ」が販売されたとします。ファンは3枚買って、着る用・保存用・飾る用とかしますよね。それがファンの消費行動。
でも、「ファンが欲しがるだろうから」と10着買って転売するような方は、儲けるために買っているだけで、(数字的に売上には貢献しているけれど)ファンではない。
長い目でみたときには、どちらがいいのか?
(目先の数字を追うよりも)経済をクルクル回すほうが、しあわせになれるんかないのか?
みなさんは、どう思いますか?

勝つために❝らしくないこと❞をしてしまうと、ファンを失う

私は若い頃、けっこうなトラ党でした。しかも当時のタイガースは弱かった(苦笑)。負けても「今日はいい試合だった」「頑張った」「投手リレーはうちのチームらしかった」「あのバッターは、空振り三振したけど、思い切り振るのがいいところだよね」みたいなことを言うのがファン ですよね?
だから、勝つために❝らしくないこと❞をしてしまうと、ファンを失うわけです。

会社でも、赤字を回避するために、その会社らしくないことをしてしまうと、何があっても値が下がっても、株を保有し続けるよ~ と言っていたファン投資家がいなくなっちゃうかもしれない。
それは、長い目でみたら、つらいんじゃないか?

消費者である私たちは、
そうやって株価の変動に振り回されてしまうこともありますが、イニシアチブを握るというか(といったら言い過ぎかもしれませんけど)、もっと仲間として主体的に動いていくこともできるのではないでしょうか。
そんなことを、新井さんの本を読んで思いました。

だって、共感とか信頼というのは
上下関係ではなく、イーブンな関係 じゃないですか!
そういう風に会社を応援したり、人を応援したり、社会を良くしていこうっていう、「効率至上主義」ではない新しい日本のカタチがみつけられたらなぁ と思わせてくれる一冊でした。

共感してもらえたら、うれしいです😊

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