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「あなた、コロナにかかってますよ」2話

その後も熱は下がるどころか上がりつづけた。汗だくになったTシャツを何度か着替えたが一向に下がる気配もないまま、朝を迎えることになる。

ところで私は、こういった高熱で寝込むことがこれまでもたまーに、数年に一度くらいの頻度で起こっており、そんなときも数日寝ればすっかり治るので、今回もそうだろうとこの辺りまでは少しのん気に考えていた。ただ問題なのは、発熱している=出勤できない ということ。この日は幸い休みだったものの、早いうちに連絡したほうがいいだろうと思った私は昼前に店の事務所に電話をした。
運よく、仲良くしてるマネージャーが電話に出てくれた。彼女に事情を話すと時期が時期だけに「それだけ熱があるなら、店長に連絡したほうがいい」というので、店長の携帯にかけ直す。これまた珍しく、すぐに出た店長から「とりあえず病院行って」と言われ、「はい」と答え電話を切った。
でも、私は病院に行かなかったのだった。

どうして病院に行かなかったのか。
まずは体が動かなかったから。みんな病気になったら病院に行けというけれど、ムリだよ~といつも思う。付き添いがいるならまだいいけど、40度近い熱が出てるのに、普段行ったこともない病院にひとりでフラフラと行くなんて、行く前から心が折れる。
次に病院ギライ、医者ギライだから。病院の雰囲気がキライ、匂いがキライ、待たされるのもキライだし横柄な事務のヒトもキライ。そしてこれまた横柄な医者。もともと好きではなかったが、娘の出産を近所の総合病院でしようと思ったときに、そこの産婦人科医と40分以上の大ゲンカ。結局助産院で産むことになったという経験をしてからは、ますます病院からは遠ざかるようになっていた(すみません、考えが偏ってて)。
でも最後、これが一番の決定打なのだが、

お金がなかったのである。

恥。

お金なかったら…行けないよね、医者。カード払いもできないしさ。
そんなわけだから、私は病院には行かない選択をし、店長には「行ってきた。ただの風邪だった」と嘘をついた。
店長、だましてごめんね。

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よっしー@自分軸セラピスト
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