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自己否定からの解放ー自分を知り荒波を乗り越えたワタシの半生記50.どん底で知るホントの自分

人生にムダな経験は1個もない。例えそのときは「回り道しちゃったなー」と思っても、何年後何十年後にハッと気づくのだ。

ああ、あれがあったからいまの自分がいるんだ、って。


母が寝たきりになったと連絡をもらい、実家に駆けつけたとき、もうここでお願いするしかない!と決死の覚悟で父に借金を申し込んだおかげで、なんとかワタシと子どもたちはその後の生活を続けていくことができた。
程なくして母が亡くなり、なんと、遺産をもらえることになり(少額ではあるが)ワタシは
「あーそっか、これがこないだまでの苦労の日々のご褒美なんだー」
と思ってしまった(アホ)。

そして、クレジットカードの返済に充てたり、子どもたちの必要経費に充てたのはもちろんだが、つい、大きな買い物をしてしまい、使いきってしまった(大バ〇者)。

そんなタイミングで、友人から「保険の外交員にならないか?」と誘いが来た。

この歳になると、保険の外交員とMLMの勧誘は切っても切れない関係というか、誰かと知り合うと絶対そのヒトはなにかを買わせに来るか誘いに来るかで、ワタシのような新しい場所に抵抗のない人間はすぐ、そういう輩の餌食になる。
…というのが、ここ数年ようやくわかってきた(遅)

で、保険のオバサンも、何度も誘われていて、だけど自分には絶対無理と思っていたから断り続けていたのだが、彼女はしつこかった。あれこれ言いくるめられ
(実際、HSS型HSPの特徴なのかわからないが、ヒトに「どうして嫌なのか」とか自分の状況や考えを説明するのがニガテだ。)

「まあ確かに、研修中もお給料出るなら…」と、またいばらの道に足を踏み入れてしまった。

実は座学1ケ月はすっごく楽しかった。
勉強が好きではなくて、だからこそ(この教室にいる間に勉強してしまうしかない!!)と思ったワタシは、休憩時間やらなにやらを使い、もう全集中してカネの勉強をした。これまで全然未知の世界だった、保険の知識や相続のことなど、生活のなかで触れることの多くなってきた事柄だったこともあるのだろう。あぁ、有意義な時だった……

そこでやめればよかったのだ。そうするつもりだったんだから。
しかし、なまじ試験の成績が悪くなかったので、やる気があるオバサンだと思われてしまい、バリバリな営業系でワタシの一番苦手とするタイプである所長とワタシを誘った友人からガツガツ攻め込まれた。もちろん抵抗はしたのだが、やはりここでも強く”NO!!”と言えず、なし崩し的に次のステージに移ってしまったのであった…。

はぁ……あのとききちんと断れる自分だったら……
しかし、何度も言うけど、そこで断れるワタシだったら『いまのワタシ』はない。そこで断れないワタシがした経験、それこそがいまに生きてくるのだから。


研修期間とは謳われているが、実質そこから「保険のオバサン」としての仕事がはじまる。
・担当エリアが決まり
・あいさつ回りをし
・更新の時期や、お誕生日のメッセージとか、その他手続きの必要なお客様に連絡をし、その際に別のものをご紹介する

ワタシはここで、もうとんでもなく落ちるとこまで落ちた。

ワタシを勧誘した友人も、その周りのヒトたちも
「テキトーにやってれば全然ヘイキだから!」
という。でもそのテキトーがワタシにはわからなかった。
自分にとって、それは全然テキトーにできることじゃなかったのだ。

研修生の押し込まれている(誇張じゃなくw)部屋はオンナだらけでぎっしりヒトが詰まっているのに、しーーーーーーんとしていて、ワタシがこれまで勤めてきていた職場のどこよりも静かだった。営業事務の仕事もしていたけど、営業さんって職場にいるときはうるさくて、声もでかいしお客さんからの電話に応対したりしてたから、そういう職場は賑やかなもんだと思っていたので、まずその静けさに耐えられなかった。

ワタシのかける電話を、周りに聞かれるのがたまらなかった。
きっとみんなそうなのだろう、だから電話するヒトがいなくて静かなのだろう。だけどまずは電話するか、直接訪問するしかない仕事なのだから、これでは仕事にならないのに。

じゃあ訪問するか。
知らないヒトのとこに? どうやって?
電話もそうだけど、ワタシは突然くる電話も訪問者も大の苦手だった。あの精神的負担、時間を搾取された感じ。それをワタシが他のヒトにしなきゃいけないのか。自分のなかで葛藤がつづいた。

ヒトにイヤな気持ちを持たれずに、会話をする自信はある。だけど、見知らぬヒトに、保険の”ただの事務手続き”という必要事項ならいざ知らず、その先の商品の紹介やら、家族の心配など、いやいや踏み込みすぎだろ、余計なお世話だろ、としか思えなかった。

それでも
失礼のない話し方
簡潔に、きちんと要件をまとめた内容の精査
電話をする時間帯
それらを何度も頭の中で反芻したうえで、それを行動にうつすための自分の気持ちをあげる時間……何もできないまま時間が過ぎていく。

隣の同期入社の子が、それらをサクサクこなしどんどんミッションを達成していることも、ワタシの焦りにつながった。
(早くやらなきゃ…)
そう思えば思うほど、空回りしている自分を感じていた。

しばらく外に働きに出ていなかったおかげで、やっと自分軸みたいなものができたつもりになっていたが、全然だった。
ただ周囲から自分を遮断していただけだった。
社会に戻ったらまた、すっかり振り回される、他人軸そのもののワタシだった。

最終的にワタシは”出社しない”という方法をとり、なんとか辞めることができた。

が、この出来事はワタシを地の底まで落ち込ませた。

なにもすることができず、家のリビングでうずくまっているだけの日々がつづいた。
あんなこともできないのか……
大人になっても全然成長できてないんだ……
辞めたいっていったのに、全然わかってもらえなかった……
どうしてわかってもらえないのか……

もともとニガテだとは思っていたが、それにしても出来なさすぎな自分に対する嫌悪感もあったが、それよりも「もう無理だ」と訴えているのに「大丈夫もう少しつづけてみようよ」とか「これくらいならできるでしょ」と軽く扱われていたのがショックだった。

こんなに困っているのに!!
お客さんに電話をしようとするだけで、心臓バクバクになるのに!!

そんなとき。
こんなことってあるんだろうか。
Twitter(現X)に流れてきたあるツイート(いやポストか)にワタシの目はくぎ付けになった。
それが『HSS型HSP』というワードとその説明だった。

「あぁ、これだワタシ……これなんだ……」
真っ暗な部屋でスマホをみていたワタシに、そのワードが、ありきたりな表現で残念だけど、ホントに一筋の光のように、ピカーっと新たな扉を照らしたのだった。


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よっしー@自分軸セラピスト
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