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「あなた、コロナにかかってますよ」11話

結局私は新型コロナによる肺炎という診断をうけた。検査を一通り終えたあとお医者さんがやってきて「CT、肺が真っ白でしたよ」と画像をみせてくれて、やっとそれを自覚することができたのだった。
(もらってきたCT画像をここに挿入しようと思ったけど、さすがにグロいのでやめときます…確かに言われてみれば真っ白。)

そんなに悪かったのか―
どうりで息が吸えないハズだ…

と納得した。
気づいていないうちに私のカラダは思っていた以上に悪化していたみたい。(子どもたち、大丈夫かな…)今さらながらに彼らが感染していないか気になった。

ただ私のほうは、点滴と酸素チューブの絶大な効果のおかげか、一週間にわたって続いていた40度近い高熱が、その日の夕方には下がっていたから驚きだ。あれだけ下がらなかったのに数時間で37度台に落ちるとは……

病院のスタッフさんはみーんな防護服を着ていたため、どの人が何モノなのかがイマイチわからなかったんだけど、入院したての頃は本当に入れ替わり立ち替わり見に来てくれて声をかけてくれて、
「すっごくラクになりましたー」というと
「これ(点滴の薬)すっごく効くんですよーこれが効かないと、逆に長引いちゃって厄介なんですよね」といわれたが、
そうはいっても(効きが良すぎだろ…)と私は内心ドン引きしていた。

だけど、とにかくどのスタッフさんも男女問わず優しくて明るくて、なんだかコロナ病棟だしもうちょっと悲壮感が漂ったりしているのかな、なんて想像していたんだけど本当に皆さんプロ意識のしっかりされた方ばかりで、心強かったし感謝しかなくて、医者ギライを返上してもいいかなと思うくらいだった。

その日の夕方。入院してはじめてのお食事。
(どうせマズイにきまってる)
と私は病院の食事にまったく期待していなかった。

20代の若かりし頃(笑)体調を崩して検査入院したときの、味が薄くてフニャフニャの食事が脳裏に浮かんだ。そう、私の記憶はその時のまま、数十年もアップデートされていなかった。しかも今はコロナ禍。
(もしかするとつくってからだいぶ経った仕出し弁当かもしれない……)
と、熱がさがった食いしん坊の興味は俄然そこに集中する。

しかし。それは私の想像をいい意味で裏切ってくれた。

記念すべき初めてのお食事

こんな感じで、各自の名前が入ったメニュー付きで食事が届けられる。中身はほっか〇っか亭のような容器に入ったお弁当形式。どういうわけか、次の日からはちゃんと中身も撮っているのに、記念すべきこの初日の画像は、みつからなかった。なぜだ!!この食事こそ残しておきたかった!!

というのも……

ものすごく美味しかったんである(涙)

特にトップに載っている五目御飯。いわゆる炊き込みご飯である。一口くちに入れたときの、あのじわぁっときたうま味といったら!!そして、なんともありがたいことに、ほんのりあったかい。仕出し弁当とはまるで別モノの、なんなら愛情さえ感じられる、きちんとした(というのも失礼だが)お弁当。
それまで熱と頭痛にずっと苦しめられ食べものの美味しさも感じられなくなっていた私に、この炊き込みご飯は、まだ自分が人間としてこの世に生息できていることを思い出させてくれたのであった。
(大ゲサに聞こえるかもしれないが、いや大真面目です)
あの感動はきっと、一生忘れないと思う。

考えてみれば、熱が出始めて数日たったころから味をあんまり感じなくなっていたのかもしれないなぁと思う。新型コロナの症状に味覚障害があると言われているけど、それだったのかも。まあ、どっちにしても、高熱出てるのに食事が美味しいわけないけどね(^^;

とにかく、入院した病院はスタッフさんも親切、ごはんも美味しくてお部屋も落ち着く、と、なぜかヒジョーに快適な空間に置かれている私なのであった。。。

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