OOPドンク戦略の概観①(BTNvsBB SRP)
こんにちは、すきまです。
前回までは、特定のボード(A53tt)を用いながら、ベット頻度の差について検証してきましたが、今回はちょっと趣旨を変えてみようと思います。
さて、BTN vs BB SRPのシチュエーションを想定してみます。
フロップに差はあれど、ある程度心得のあるプレイヤー同士が戦うと、基本的に実践では以下のようなシチュエーションで進むことが多いのではないでしょうか。
・BTN raise x2.5BB
・BB CALL
FLOP ???
・BB check
ある種ここまでは様式美のように自動的に進み、IP側のアクションからゲームが動いていくという感じです。
ですが、実際はGTO的には、フロップが開いた段階で、ボードによってはBBに一定のベット頻度が存在します。
それはフロップ全体でみると4.1%であり、微々たる頻度なのですが、
特定のボードによってはかなり無視できない頻度が出てきます。
以下が、ボードごとのドンク頻度を、降順で並び替えたものです。
こういう感じで見ていくと、ざっくり「ローボードでコネクト気味なボードはドンク頻度が一定程度ある」という風にまとめられますが、
そのまとめ方では不十分で、同じようなローボードでもベット頻度に倍くらい差が出ていたりもします。
結局このあたりの頻度感は、個別にボードをあたりながら傾向を掴んでいく作業が必要になるわけですが、今回はまず概観を見ていくということで割愛させて頂きます。
では、もう少し概観を深堀していきましょう。
ローボードでドンク頻度が高くなるというところですが、何故そうなるのかを考えてみます。
確かに、ローボードはBB寄りのカードという印象があり(ないしはそういわれたりし)ますが、当然IP側にしかないAA,KKのような強いハンドもありうるため、一概に有利というほどではありません。
ただ、特にドンク頻度が高いボードを見てみると、
IP側のEQ/%と、OOP側のEQ/%が逆転していることが特徴として読み取れます。
つまりは、レンジ全体的にOOP側が有利になる場合に、ある種レンジCBの要領でそこそこ幅広いベットが許容されるということが一つ言えます。
さて、だいたいドンク頻度が40%を超えてくるようなボードでは上記の傾向なのですが、
一方でドンク頻度が25%程度のようなボードではEQはIP側のほうが高い状況にあります。なのになぜ、OOP側からドンクを打つインセンティブが生まれれてくるのでしょうか?
例として、553ttボードを見てみます。
EQで見るとOOP側は48.4%しかないのにも関わらず、ドンク頻度は30%も存在しています。
これはなぜかとみてみると、ナッツアドバンテージの部分がミソとなります。BBにナッツアドバンテージがあるため、レンジとしてはやや絞りながらも、相応にベットをしていく頻度が存在するということになるのではないでしょうか。
つまり、一般的にOOPのドンク頻度が存在するボードの特徴としては、
(1)レンジアドバンテージがある
(2)ナッツアドバンテージがある
のいずれかであり、考えてみると当たり前の結論といえるが、ドンクレンジとしてもその原則は変わらないということです。
とはいえ、レンジアドバンテージ・ナッツアドバンテージといっても、
特定のボードにおけるIP側ほどは発生するわけではなく、全レンジドンクというのはやややりすぎとなります。
そのため、ドンクという選択肢を考えるにあたっては、どの部分にどの程度の割合でアドバンテージがあり、だからどれくらいの割合でドンクを打てるか、ということを考えていくことが必要になるかと思います。
▼本日のまとめ
・BTNvsBB SRPで、BBのドンク頻度は全体では4.1%程度しかないものの、ボードによっては相当程度の頻度(最大58.6%)で用いられる。
・ドンクベットのサイズとしては、基本的に33%で統一される。
・ドンク頻度が発生するボードは、BB側にレンジアドバンテージないしナッツアドバンテージがあるボードであり、アドバンテージの程度によってベット頻度が変わる。
このあたりを抑えたうえで、次回はIP側のドンクを打たれた場合の対応について検証していく。
(続く)
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