【HU戦略】4bet potにおけるOOPドンク戦略(2)
※シリーズ作品の続きです。
【HU戦略】4bet potにおけるOOPドンク戦略(1)|すきま|note
▼導入
前回はHU 4bet potにおいて、どのようなボードでOOP側のドンクという選択肢が生まれてくるかを検証していった。
その結果、
①AKハイボード
②J~9が2枚落ちたボード
③モノトーンボードの一部
でドンク頻度が相応に存在することがわかったので、今回からはこれらのボードにおいて、(1)具体的にどのようなレンジ構成でベットレンジを構築していくべきか、(2)その場合のベットサイズはどのように持つべきか、この2点について①~③のボードそれぞれで検証していこうと思う。
プリフロップアクションやレンジ等は、前回記事までの内容に則るため、上のリンクから必要に応じて参照されたい。
▼ベットレンジ・サイズの検証
①AKハイボード
さて、まずは改めてAKハイボード(モノトーンボード除く)でフィルターをかけた際の、BB側のアクション一覧を俯瞰してみよう。
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ベット頻度としてはおおむね5割には満たない程度であり、BB側にドンクの選択肢があるといえども全レンジでやるにはやややりすぎで、ベットレンジとチェックレンジをうまくバランスしていく必要がありそう。
その上でベットサイズであるが、基本的には15%or30%がGTOwizard上頻度高く用いられている。
しかしながら、個人的なフロップのベットサイズの考え方としては、「単一のベットサイズのみを用いる」という形にして簡易戦略化をしている。
これの理由としては、一つのフロップで複数のベットサイズを持った上で、それぞれのレンジ+チェックレンジも含めてバランスを取っていくのは相当難易度が高いこと。
またフロップで分岐を多くした場合、ターン以降にも当然引き継がれたうえでさらに分岐が多くなるので、
正直人間が再現するのはかなり現実的ではないだろうという理由に基づく。
実際、それこそスターズの何百NLクラスのレベルの方々でも、フロップのベットサイズは一つしか用いないという人も多いため、
当然GTO的ソリューションでいえばベストな選択肢ではないのだが、一般的なプレイヤーレベルでは簡易戦略化して十分といえるだろう。
そこで、今回は間を取ったうえで、ベットレンジ一律で25%のベットサイズを用いる形で検証していこう。
(具体的なベットレンジ)
では次に、具体的なドンクベットレンジの構成について、AK7レインボーボードを例として確認していきたい。
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6max等とも同様の傾向であるが、基本的にフロップCB戦略において、GTO上100%の頻度でチェック/ベットというのは珍しく、多くの場合は上のような混合戦略が用いられる。
しかしながら、それを人間が再現することは至難の業であるため、現実的にはベット頻度の傾向を掴んだうえで、簡易戦略的にベットレンジを構築していくということになる。
今回についてもそれにのっとり、簡易的なベットレンジを構築していく。
(ベット頻度高)
・トップペア
→チェックレンジにもやや残すが、基本的な傾向としては、キッカーが強いほどベット頻度が高く、ミドルキッカーはベット頻度が低い。ローキッカーは高くなったり低くなったり。のようなところがwizardの傾向上見受けられるので、ミドルキッカーをチェックレンジに残したうえで他はベットしてしまう形で十分かなと思う。
・ボトムセット
→トップセットをチェックレンジに残したうえで、ボトムセットはかなり頻度高くベットしてよいのではないかと思う。
相手のAヒット・Kヒットを何もブロックしておらず、バリューがとりやすいため、積極的にチップを入れていくインセンティブが高まる。
・トラッシュハンドのうち最弱なところ
→Q9、J9のようなところは、IP側のポケットに対してツーオーバーがありえるため若干チェックに残るが、どうしようもない45,53あたりのハンドについては、何を降ろしても得になる上ブラフでしかポットを取れないというのがあり、ベットするインセンティブが沸いてくるようだ。
(ベット頻度低)
・セカンドヒットのうち弱いところ
・ハイカード系
・微妙なポケットペア
(ベット頻度中)
・ツーペア
・ガットショットドロー
こういう風に基本的なレンジを確認していると、6maxにおける通常のベット頻度がやや低めのAハイボードといったところと、レンジ構成としてはさほどかわらない傾向が見受けられる。
このような検証形式のもと、次回以降も引き続いて、
・残りのJ-9ボード、モノトーンボードでのベットレンジ検証
・ドンクベットを受けたときのIP側の対応
を検証していきたい。
▼本日のまとめ
・AKハイボードでは、おおよそMAX50%程度の頻度でドンクレンジが発生するが、レンジで打てるほどではない
・ベットサイズとしては、大体20%くらいを使っていれば十分ではあるかと思われる
・トップペア・ボトムセット等はベット頻度がやや高く、そのうえでトラッシュ系のうち最弱なところやガットショットをブラフレンジとして盛り込んでいく形になりやすい
(続く)