【HU戦略】4bet potにおけるOOPドンク戦略(1)
※シリーズ作品の続きです。
【HU戦略】4bet potにおけるフロップ戦略の研究(1)導入編|すきま|note
▼導入
ドンクベットは、基本的には悪手といわれているが、特定のシチュエーションにおいてはかなり有力な選択肢となってくる。
特に4betにもなると、ヘッズアップといえどお互いのレンジはかなり狭く、ボードテクスチャーによってはレンジアドバンテージないしはナッツアドバンテージが逆転するという現象が起こりうる。
そこで、今回からはHU 4bet potの研究にあたり、OOP側からドンクベットができうるシチュエーションというのを研究していきたい。
▼前提
※ESやアクションなどは前回の記事参照
-IP側(4better側)プリフロップレンジ-
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-OOP側(4bet call側)プリフロップレンジ-
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▼全体概観
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さて、まずは4bet pot全体における頻度を確認していこう。
OOP側の戦略としては、実に90%を超えるレンジがチェック始まりであり、
当然といえば当然であるがドンクベットを行う選択肢はレアケースであることが見受けられる。
しかしながら、さっそく画面にうつっている部分でも見える通り、相応のドンク頻度があるボードというのは一定数存在しそう。
では、具体的にどのようなボードでドンク頻度が発生するのだろうか?
チェック頻度が低いボードを降順で確認していこう。
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このように並べていってみると、OOP側のドンク頻度がそこそこにあるボードテクスチャーとして、いくつかの分類が見えてくる。
①AKハイボード
さっそくめちゃめちゃ意外なところが出てきたが、AKハイボードでは結構な頻度でドンクが打てることがわかる。
これを解釈すると、プリフロップのレンジまで遡ることになるが、
4better側のレンジ構成を見るに、実は意外とA・Kの組み合わせを持つハンドは、一部のナッツクラスを除いてそれほど存在しないところに起因する。
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一方で、4bet call側においては、基本的にAxs、Kxsというところは降りないため、かなりのコンボ数が存在することになる。
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このあたりを鑑み、AKハイボードはむしろ4bet call側のほうがやや絡んでいるところを考慮して、ドンクという選択肢が生まれてくるのだろうと思う。
②Jハイボード(特にJ+T-9の組み合わせ)
Jハイボードは、通常の6maxにおける4bet potにおいても、ドンクレンジがある代表的なボードではあるが、ここはヘッズアップにおいても相違ない点となる。
特にJTハイ、J9ハイボードでは、いきなりドンクオールインという選択肢が生まれるのも6max同様であり、このあたりは6maxの4bet potを勉強したことがある人であればイメージがつきやすい点かなとは思う。
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③一部のモノトーンボード
モノトーンボードでも、一部のボードは中頻度のドンクレンジがあることがわかる。
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一方で、モノトーンボードの中でもほぼレンジチェックが丸いようなボードもあり、このあたりは結構見極めが難しいところでもある。
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自分なりに傾向を読み解いていこうとしたところ、どうやら
・A-Jハイモノトーン
・ミドル・ローでコネクトしたモノトーンボード
では用いられる傾向が強いものの、正直理由としてはいろいろ考えるもよくわからず、まあそんなもんだと思うしか今のところはない感じである。今後CBレンジ等を具体的に紐解いていくところで、何か示唆をだしていきたい。
というわけで、次回はドンクが用いられる各ボードを見ながら、レンジ構成について研究していきたい。
▼本日のまとめ
・HU 4bet potでは、OOP側からドンクベットが相応の頻度でうてるボードテクスチャーが様々存在する。
・具体的には①AKハイボード、②J~9のうち2枚がおちているボード、③一部のモノトーンボード(A~Qハイ、コネクトの一部)あたりが該当する。
・AKハイボードは、6maxの感覚であれば4better側有利とみなしがちであるが、HUの場合4bet call側もAxs、Kxsであれば降りないし、4better側もだいたいプレミアでしか強いハンドが存在しないため、実際にはそれほどレンジ有利とはいえない。