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心酔ファンレター for valknee

大好きなラッパーがいる。
「valknee」

彼女を初めて見たのは、コロナ禍の中で彼女が企画、活動していたzoomgalsというユニットのMVだった。
誰かがリツイートして、Twitter(現X)のタイムラインに流れて来た。
複数の女性ラッパーが出演していて、みんな個性的で魅力的だったが、中でもvalkneeが気になった。
一度聴いたら忘れられない声とラップ。
アイドルとも幼女とも魔女ともギャルともとれる声と歌い方だった。
眉を八の字に下げて、唇を尖らせてちょっとムッとした表情で歌うのも印象的だった。
「好きだ。」と思った。
そこから、彼女が個人で出している曲も聞くようになった。

彼女のラップには、アンチルッキズム、アンチエイジズム、自己愛の精神が散りばめられている。
私は正直、彼女の曲を聴くまでそれらの価値観を全く知らなかった。
彼女の思想に触れて、自分がルッキズム、エイジズムに染まり切った時代を生きてきて、思考までもがそれらに侵されていることを初めて理解した。全くその自覚がないまま生きてきていた。
「根拠がなくても自分自身を愛していい」というのは、新鮮な気づきだった。

「この歳だったらこれはできない、こういう人にこれはできないって偏見で思い込んじゃってる人に、そうじゃないことを私が証明していく。」「ずっと異物でありたい。」
と話す彼女に、光を見出すと同時に、どこにいてもずっと少しずつ居心地の悪さを感じていた自分が肯定される気がした。

彼女を好きになったのは、自分の中ではすごく大きなターニングポイントだった。
彼女のことを知った当時は、それまで好きだったバンドや、それに関連する文化圏と自身とに違和感を感じ始めていた時期だったので、彼女の曲に、価値観に出会った時、「これだ!」と思った。
自分に今必要だったのはこれだったんだなとすごくしっくりきた。
自分のギアがその時正しくあるべき位置にガチッと入った感覚だった。
恋に落ちるみたいなロマンチックな感覚ではなく、もっと必然で当然だった。

彼女の影響でそれまで縁のなかったラップ、ヒップホップの音楽を聴くようになって、新しい発見がいろいろあったのもよかった。
ラッパーの人って他のラッパーと一緒に曲を出すことも多くて、それによって知らなかったかっこいいラッパーを知れるのは、すごくいい文化だなと思った。
こうして新しい文化や物事に出会って、知識や知見が広がるはとても楽しい。
いくつになっても新しいものに出会っていきたいな。

valkneeは私にとって、超かっこいいスーパーヒーローであり、優しくて身近なお姉さんであり、憧れのロールモデル。

valkneeから発されるパワーは、マリア様や平塚らいてう、ジャンヌダルク、プリキュアから感じるような光そのもの。

そして彼女の曲は、お守りであり、武器であり、翼であり、聖書であり、友だち。

彼女がやっているラジオや全てのメディアをチェックしている訳ではないから、彼女の考えや価値観の全てに共感している訳ではないけど、彼女の音楽がとても好きだ。
自分最強!って思える日も、自分なんか最悪死にたいと思う日も、彼女の音楽がずっとそばにあってくれたら嬉しい。
日々の生活の中にずっといてほしい。生活の一部であってほしい。

彼女がこれからどういうステージを目指してどうなっていきたいかは本人が決めることだから、こっちがこうなってほしいとか思うものでもないし、彼女がしたいようにしてくれるのが1番いい。

ただ、あえておこがましいことを言うなら、必要とする人に彼女の音楽が届いてほしい。
彼女の思想で、音楽で救われる人、希望をもらえる人が絶対いる。
本当に必要な人、ものには本当に必要な時期に必ず出会えるよ。

自分もラップ作ってみようかな。
言いたいことを組み立てて音楽に乗せるのってめっちゃ楽しそう!
やりたいことはなんでもやってみよう!

以下おすすめの曲など


⚪︎好きな曲
「Sweetie30」

好きな曲は、ほんといっぱいあるんだけど今あえて挙げるならこの曲。
valknee本人が30歳になる年に発表された曲。
「お墓に入るまでpretty faceだしなんも盛れなくてもSweetie30」のフレーズほんと最高。
30歳になった瞬間は絶対この曲でお祝いしようって、この曲のおかげで30歳になるのが楽しみになった。
今自分がちょうど30歳だから今年のテーマソングは絶対これなんだけど、もう生涯のテーマソングこれでいいかもしれん。
みんなでレッツゴーsexyな米寿米寿❤︎


⚪︎好きなアルバム
「ordinary」

今年リリースされたアルバム。
タイトル通り、何者でもない普通の女の子だった女性へのメッセージが詰め込まれている。
世の中何者でもない人の方が多い。なんの肩書きもないけど、でも、それぞれにちゃんとこれまでの人生があって、色んな思いをしながらいっぱい考えながら成長してきた人へのアンセムだと思ってる。
全部好きだし大事な曲だけど、なかでもOver Seaはほんとに特別に思ってて、「You're like me 全員の話じゃないOnly telling you」という部分は、valkneeが語りかけてくれてるみたいでいつも嬉しい気持ちになるし、励まされる。
ある程度暗い人なら、ほんともうどうしようもない夜にそばにいてくれる曲って1曲くらいあると思う。この曲は私にとって、そのうちの1曲になった。


⚪︎文中に出てきた彼女の発言の引用元

本当にいいインタビュー。valkneeに興味を持った方がもしおられたらぜひみてほしい。彼女のルーツやマインドが言語化されている。
ホスト側の方もすごく聞き上手で、ゲストに対する敬意や配慮が感じられる。

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