March 11, 2021 / 次回作『LUNATIC(仮)』-内と外
「ものごとの内と外がひっくり返る」というアニメーションを描くための準備。
動物と植物のからだをそれぞれ一本の筒と考えてみる。動物だったら口から喉、胃、小腸、大腸を通り肛門までを筒の内側と考えることができる。植物は水分や養分を運ぶための維管束があるので分かりやすい。(維管束がない藻類やコケ類はちょっと置いといて。)
動物は口から食べ物を入れ肛門から排出するまでの間に筒の内側で養分を吸収する。一方、植物は吸収するための装置が体の外側についているため、筒の外側で吸収を行なっている。これが動物と植物のからだの構造上の大きな違いと言える。さて長々となぜこんな話をしているのかというと、動物のからだをひっくり返すと植物になるのでは?と思いついたから。もちろん物理的にではなく概念的なお話として。
解剖学者である三木成夫の『生命とリズム』の中に次のような一文がある。
「植物というものは宇宙と一体をなしている。つまり自分のからだの延長が宇宙そのものであります。ところが動物というものは、宇宙を自分のからだの中に取り込んでいる。いわゆる小宇宙というものを抱え込んでいるため、その宇宙からある程度隔離される。いってみれば自然に対して自閉的になっているのです。」
『LUNATIC(仮)』では動物たちは植物へと姿を変える。このメタモルフォーズの過程で内と外がひっくり返り、動物たちの内側にある宇宙は植物たちの外側として新たな宇宙を次々と表出させる。(マルチユニバース?)じゃあその植物たちの内側には何があるのだろう?言い換えれば私たち動物たちの外側には何があるの?
この問いの答えがなかなか思いつかない。松村さんにこの問いを投げかけてみると、「そりゃ植物の中には記憶としての故郷があるんだろう」という答えが返ってきた。なるほど。。。
植物に触れると心が和むのは故郷を感じているからかもしれない。
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