毎年2月に思い出すことがあります。人生の節目となった出来事。2014年2月14日。東日本大震災のような人命に関わる出来事ではないですが、私ら百姓にとっては厳しい出来事でした。未明の大雪で、当園の大切な栽培施設が2/3ほど倒壊し、その日を境に経営が悪化しました。
倒れた施設を解体するのに数ヶ月。心はとても荒みました。希望を失いかけた時、救ってくれたのは「お花」でした。本来であれば、加温された冬の温室内で収穫されていたはずのお花たち。5月の母の日頃に、生き残ったお花たちが咲き誇りました。命を繋ぎとめてくれました。
この写真のお花たちは、カレンジュラです。実はこの子たちから種を取り、栽培し続けて商品化にこぎ着けたのが「エディブルフラワードレッシング」です。絶望の淵で希望の花を咲かせてくれた格好です。もちろん商品化までに多くの月日を必要としましたが、この写真を振り返るたびに、節目となった雪害や希望の花を思い起こし、あの時の苦難以上のことはそうそうないだろうと、だからまだ頑張ろうと思えます。
私の小さな物語は、まだこれからも続いていきます。切り花や食用花、そしてお花の加工食品などを世に提供していきますが、節目を経て今に至った過程を誇りに思って、成功を目指して頑張り続けたいと思います。まだまだ出来るはず。