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静岡と長野

 今年は長野県のみでおとなしくしている私ですが、昨年は試しに静岡県に畑をお借りして、標高の違いを活かした農業に取り組んでみました。距離でおおよそ200キロ弱(長野県佐久市から静岡県静岡市まで)離れています。静岡圃場の標高は50メートルくらい。佐久圃場はおおよそ700メートルくらい。冬場の夜間温度は、おおよそ10度から12度くらい、静岡圃場の方が高いです。

 佐久圃場では、栽培施設内に暖房機で加温しなくては育てられない花が、静岡圃場では路地畑の放任栽培で育てられたりします。農業は営利経営ですので、経費の側面から考えますと、佐久圃場より静岡圃場の方が圧倒的にコストパフォーマンスが上となります。夏は涼しい佐久で、冬は温暖な静岡で栽培すれば、理論上は優れた生産マネージメントと言えます。

 しかし良い面ばかりではありません。最大の問題は移動距離が長いことです。実費の移動や宿泊のコストはそこそこですが、移動時間のコスト、移動による疲労の蓄積など、相応に積み重なるダメージはかなりのものでした。農地の拠点を増やす場合には、現地在住のヘルパーが不可欠と悟りました。そうなると、人件費が新たな経費として掛かってきます。

 また必要とされる技術の共有という側面から、ヘルパーを育てる必要があります。人を遠隔操作することはできませんので、長期的な計画を立てて、拠点構築していく必要があります。そうそう容易には畑の二拠点化は実現しませんでした。ただ我ながらナイストライだったと思っております。将来的に必ず実現したいと思います。

 写真は昨年の静岡圃場の生産花です。たくさんのロスを出しましたが、なんとか必要な収量を得られました。仕組みさえ上手に作れれば、無理なく生産することができるでしょう。そして最後の課題は売ること、となります。そこまで読めるようになれば、大きなビジネスへと成長します。一つ一つ、積み重ねている段階です。

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