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ただ、火を見て過ごす。
15分だけ、何もすることがなく過ごす時間が生じる。
そんな時、火を眺めて過ごしてみた。
元は、昨年から封蝋を嗜んでいる流れで、小さなキャンドルはずっと使っていた。
しかし、芯が燃え切った後の残りの蝋や、芯を立てている金属のパーツ、
アルミやプラスチックのカップの始末が面倒で、どうにかならないものかと思っていた。
そんな時、つい最近だが、オイルランプというものの存在を知った。
小さなキャンドルに比べれば、頻繁にはゴミは出なさそうである。
迷わず導入した。
結果、とても良かった。
先ず、出しておく芯の長さによって、炎の大きさの調整ができる。
これは非常に利点だ。
キャンドルの場合、長くなりすぎた芯を切り取って短くすることはできるが、
そうすると比率が増えすぎた蝋によって炎が飲み込まれてしまい、
炎が目論見よりも小さくなってしまうどころか、勝手に消えてしまうこともある。
その場合は、今度は芯の周りの蝋を減らして、
また芯を長くしてやると、元気に燃える様にはなるが、
それならさっき切らなければ良かったな、となるのだ。
これに対して、オイルランプは芯の調節によって炎の大きさも操れるというのは、
とてもストレスフリーなのだ。
また、キャンドルは先述の通り、使用後にどうしても直接的な廃棄物が出てしまう。
その点、オイルランプは燃料であるオイルを補充できるし、芯も交換できる。
器もガラス製で、即・ゴミ、という風にはならない。
これらの点から、小さなキャンドルに比べてエコな様に思われる。
そんな流れで、満足しているオイルランプを、
冒頭の手持ち無沙汰な時間に眺めてみることにした。
この時間は、デジタル・デトックスだ。
何故ならば、スマートフォンの充電のため、
いつもならやっている、その機械で時間を溶かすことはできないからだ。
火はいい。
意外と明るい。
長くて短い、15分。
何もせず、火だけに照らされ、眺める。
中々に贅沢な時間の使い方だ。
以前、カルシファーのキャンドル型ランプを眺めてみたこともあった。
こちらはLEDが内蔵されており、低温の炎色と高温の炎色を交互に行き来する。
内部で瞬くような機構のため、炎の揺らぎの再現も努力している。
が、やはり作り物なのだ。
寝室でも安全で、気軽に灯せるところは利点でもある。
反対に、本物の炎は気軽には用いることは出来ない。
消火スプレーを常備している。
でも、本物だからこその、
明るさ、暖かさ、揺らぎの体験は、
越すことはできないのではないか。
暗い、夜だからこそ浴びられる小さな光。
暫く愛したい。
そして、このオイルランプを更に活用できる、
ちいさなまきストーブも、もうじき家に来る。
炎の揺らぎを眺めながら、何を温めようか。
楽しみは多い方がいい。
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