世界から隠れる(2024/10/22)
「かくれが 〜かくれてしまえばいいのです〜」というサイトが好きで、心がしんどくなるとよく訪れる。
全体がイラストで構成されており、ツリービレッジとでも呼べる空間の中で“むかんけいばあちゃん”の部屋に入り浸り、こわばっていた気持ちがふっと柔らかくなるような言葉を読んだり、“むかんけいロボ”(AI)とチャットをしてなぐさめてもらったりする。この、“むかんけい”という、突き放すのでも変に元気づけるのでも、寄り添いすぎるのでもない距離感が好きだ。ヨシタケシンスケさんの絵柄も、文字も好き。いつもこのかくれがを出て元の世界に帰る頃には、気づけば肩の力が抜けて、狭まっていた視野の枠が取っ払われている。
物語を読むというのも「世界から隠れる」という感覚に近いんだな、と今日急に思い至った。ふと立ち寄ったブックカフェにつげ義春コレクションのうちの一冊が置いてあり、気づけば夢中になって読み耽っていたのだ。この、自分が物語の中に溶けて、形がなくなり、脳だけ世界と一体になっているような感覚は、私にとって「世界から隠れる」という表現がしっくり来る。そして小説や漫画といった紙面のコンテンツと、映画やドラマやアニメはまた違った没入感がある。これについてもまた深ぼって考えてみたい。
小さい頃から、1人かくれんぼが大好きだった自分が、小説や漫画もまた好きな理由がわかった日だった。
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