猫の眠り
何度も何度も耳元で
「にゃあ」と泣く。
そっと布団をあげると
体温で温まった空洞に
入ってきて、腕を枕に
コロンっと横になる。
毎晩、起こる出来事。
ある時、枕の横で
ピーッ
ツーッ
と気管支喘息発作の
ような音がする。
顔を向けると、愛猫が
枕に顔を垂直にうずめて
眠っていた。
「苦しいよ」
と顔を横に向かせてあげると。
少しだけ目を開けて
また眠り続けた。
「ありがとう」
そんな声が聴こえた。
20年も私のそばにいてくれて
「ありがとう」
心の中で返事をした。
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