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あっ(察し)の顔

小さい子が可愛いのはわかります。
無邪気に笑うし、コミカルな動きするし、小さいし、見た目も可愛いし。

そんな小さい子を見た時に、声をかけてくる中年以上の女性達の気持ちも、わからないでも無い。

そんな彼女らが障害児を持つ私達に接近して来た時に、嫌と言う程見せる顔があります。

それがタイトルにも書いた



あっ(察し)



の顔です。
ウチの子供達は、その年代の平均身長より低めです。
長男は4月生まれの9歳ですが、今年入学した1年生(7歳)と言っても違和感がありません。

次男はもっと小さく、現在7歳ですが3歳と言っても信じてもらえる大きさ&言動です。
ちなみにホルモン異常はありませんでしたので、単に小さいだけです。

そんな子供達は、めちゃくちゃ愛想が良い。
と、言うより、大人にとって都合の良い可愛さを持っています。

写真を撮れば喜び、大きすぎない声ではにかみながら挨拶をし、「ありがとうございます」とお礼を言います。

写真に撮られるのを嫌がり、「せっかく撮ってやるのに」と言った親に対して『撮ってって頼んで無いけど?』と言い放ってた私とはえらい違いです(笑)

そんな我が子達は、道ゆく中年以上の女性にかなりの確率で声をかけられます。

最初は挨拶くらいなので、特に違和感を感じないでしょう。
特に次男の子供っぽさは、「ザ・小さい男の子」という感じですから、子供が好きな人にとっては微笑ましく映るはずです。


「今日はどこ行くの?」


この辺りから、違和感が出て来ます。
仮に、近くのイオンにでも行くとしましょう。

長男は「えっと、歩いて行きます」と答えます。
相手は若干「?」となりますが、次男の「アイスクリームだよ!」の発言から
「あー、アイスクリーム食べに行くんだね」と返します。

ちなみにアイスを食べるなんて話は、今日一度もしてません。
次男はイオンにアイスがあるのを伝えただけです。

続いて女性は「ボクいくつー?(何歳?)」と聞いて来ます。

長男は「えーっとね、9歳」と照れたように言います。
女性の顔が一瞬「ん?」となります。

続いて次男の「見て!赤信号だよ!」
長男の「〇〇!違うでしょ!7歳って言わなきゃダメだよぉ!」

このやり取りで完全に



あっ(察し)



となって、そそくさと退散されます。
この間、私や妻は一言も喋りません。

そして妻は「あの顔嫌いやわー。何回見ても慣れん。仕方ないんやろうけど」と言います。

私も最初の頃は、『子供の時でさえこんな感じなんだから、大人になったらどんな対応されるんだろう?どんな目で見られるんだろう?』と落ち込んでました。

今は何も思わなくなりました。
でもこれは、『諦める事が出来た』とは違います。
上手に蓋をしただけ、という自覚はあります。

だって


あっ(察し)



の顔を見せない人に会った時に、きっと嬉しいから。
きっちりと諦められていたら、仮にあの表情を見せない人がいても、何も思わないはずです。

私は、ここ数年で諦められた事も増えましたが、同時に「上手に蓋をしてる事」と「諦められた事」の違いもわかるようになってしまいました。

上手とは言え、所詮は蓋です。
いつか溢れます。
だから、もっともっと諦めらめられたら楽だろうな?と思います。
諦める事を諦められても楽だろうな?とも思います。
楽になる事を諦められても……これは、楽なんだろうか?(笑)

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