役割からおりる
3回目のカウンセリング。前回は自分の左肩にくっついてしまった執着心をいかしにして剥がしたか、そしてその剥がした右手の様子についてフォーカスしていった。
今回は、残された左肩のほうだ。左肩の感覚に集中して、何を言っているかに耳をすませる。これがなかなか難しい。最初は聞こえてこない。時間をかけてゆっくり集中していく。
浮かんでくる瞬間は突然なのでどうだったか忘れてしまうのだけど、フッと立ち上がってきたのは、丸くてぷよぷよとした乳白色のかたまりだった。それらがぷよんぷよんとゆっくりはねている。その周辺も大きいのや小さいのがたくさんいる。
「その丸いぷよんとしたものは、カメさんになんと言っていますか?」とゆかりさん(仮)に問われた。
丸いぷよぷよは「いっしょにあそうぼう」と言っていた。
私はその空間のなかに入り、ぷよぷよ飛んでみたり、寝転がってみたりした。
「丸いぷよぷよは、カメさんになにか言ってきますか?」
うーん。ぷよぷよは私をこの空間へ入れてくれていっしょにあそぼうと言ったあとは、あちこち自由にしている。
もてなすでもなく、なにかを求めるでもなく、のびのびと遊んでいた。
*
私は今まで「自分を守ってあげないといけない」と思っていた。
小さい頃の自分を大人の私が守ってあげないと。そんなイメージだった。
でも、左肩にいたのは、とても対等で、自由で、でも私を信頼して大切な場所へいざなってくれた。とてもリラックスできるし、軽やかで、守ってあげる必要がなかった。
役割は必要ないのだ。この体験は私を「解放」してくれているはず。リラックスもできているはず。なのに…。なんだろう。この寂しさは。役割がないことへの寂しさ。「守らなくていい」と言われたときの所在のなさ。自分がいかに役割にすがっているか、ということに気付かされる。
自分の身体は、なにか自由になりたがっている感じがする。
私がすることは、心のなかのあなたを自由にすることだ。
役割はない。ただ解き放つこと。
カウンセリングで体験したイメージを、そのまま日々の身体の動きにもつなげる。身を任せる。
そう思っていても間違える。いつのまにか役割に飲み込まれている。そのくらい、今の私の感覚は麻痺してしまっている。間違えたことに落ち込む。負ってしまった責任を嘆く。これは負のループだからすぐやめる。そっちじゃない。間違えたら、戻る。リセットする。間違えても、すぐリセットする。傷つかない。どんどんやめる。役割からおりる。役割デトックス。
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