
スカジャン版ワンダーフェスティバル
前回、どろろスカジャンについて
思うところを書いてみた。
キャラクターものは
造形物であれば何万もするプロダクトは成立するのだが、
アパレルで高額なものはグッズの域を出てしまい、
売り上げ的に厳しくなる。
せいぜい2、3万円代が限度である。
(多少値の張るものは有名ブランドとのコラボでないと厳しい)
どろろスカジャンは価格15万円。
SUKAJAN FACTORY で制作した
トランスフォーマーは価格9万円でした。
必然的に資金があるユーザー層、年齢は高くなる。

スカジャンは1着試作するにも
・デザイン費
・刺繍データ作成費
・刺繍工賃
・生地代(表、裏地)
・他資材(リブ、ファスナー、タグ、下げ札)
※リブもオリジナルで編むとすごく高い
・縫製加工代
・梱包、送料
に加えてさらに
・ライセンス料(ロイヤリティ、ミニマムギャランティ)
がかかってくる。
なので必然的に商品ラインナップは
・人気キャラで2,3種が限度となる。仕様は使いまわし。
初代ガンダムでスカジャンを作るとなった場合の
ラインナップで言えば
・ガンダムとシャアザクの2種類
→間違いなく売れ筋。
・ガンダムとジムの2種類
→ジムは極端に数量が落ちる。
・ドムとジムの2種類
→厳しい。
やっぱりガンダムが欲しい…
となるだろう。
受注生産ならまだダメージは少ないかもしれないが、
製造販売の場合だと、売れずに在庫になってしまう。
メジャーなコンテンツ、キャラクターは
ほぼスカジャン化されて、
結論
量産スカジャンは
1部のそちら系に強いメーカーの存在もあり、
BtoBかプロモーションでないと厳しい。
スカジャンは
そもそも米兵オーダーを受けた形での
1点ものとして始まった。
自分のその頃の1点もののスカジャンに魅力を感じます。
量産よりも、1点もので
何かキャラクタースカジャンに活路を見いだせないか?
と考えたときに思いだしたのが、
ワンダーフェスティバルでした。
ワンダーフェスティバルとは
プロ、アマチュアを問わず、自分が製作したキットを持ち寄って展示・販売するイベントです。
その中には「当日版権」と呼ばれる、ワンダーフェスティバル期間中だけで販売する事を権利元から許可された造形物が販売されます。
(例:ゴジラであれば版元である東宝の監修を得て、許可をもらって製品化する)
クオリティが高く、1点ものから、ごく少量販売され
即完売するなど人気です。
インディーズソフビのジャンルも非常に盛り上がっており、
転売ヤーもわんさかいます。
転売ヤーが悪いと良くいわれますが、
まだ山師的な人や転売ヤーが湧くという事は業界として盛り上っている証拠かと思います。
儲からなくなれば、その業界から山師がまずいなくなります。
その昔に超絶流行ったソーシャルゲームがまさにそうでした。
ただの思い付きですが、
スカジャン版ワンダーフェスティバルのような「当日版権」「1点もの、数量販売」のような形で「スカジャン博」的なイベントはどうだろうか?
ワンダーフェスティバルは凄いクオリティのプロ、アマの造形作家さんたちが参加するように、
インスタなどのハンドメイドのタグを見ていると、
超クオリティの高いキャラクターを「手刺繍」で再現するアマチュアの方が多くいらっしゃいます。
その刺繍のクオリティは横振り刺繍でも機械刺繍でも再現できない、
驚くべき仕上がりです。
下記の二十二さん(https://x.com/nnnnnjnnnnn)という方のインスタの作品をいつも拝見、参考にしておりますが、クオリティが尋常ではないです。

そんな手刺繍の作家さんによって作られた製品であれば、
クオリティが圧倒的なので、監修はもちろんクリアでき、
ユーザーにも受け入れられのではないかと思いました。
手刺繍の作家さんはほどんどが女性の方なので、龍や虎がドヤーと描かれた刺繍ではなく、かわいい、ほのぼのした刺繍グッズ、刺繍ワッペン、スカジャンなど、いままでの既視感がない製品も生まれそうです。
もちろんワンダーフェスティバルは海洋堂という長い歴史のあるメーカーが立ち上げ、そこには熟成したモデラー、造形文化、それを支えるファンが存在するから成り立っているのですが、同じように布博や紙博などハンドメイド系のイベントも大盛況と聞きます。
むしろ造形よりユーザーの幅と層は圧倒的に厚いです。
ワンダーフェスティバルのスカジャン版
「スカジャン博」がニッチであれば、
「刺繍博」のような名前でもよいかと思いました。
またワンダーフェスティバルの規模感はでかすぎるので、
既存のハンドメイド系イベントの1コーナーのような形でも「スカジャン博」ができればと良い思いました。
スカジャンのようにニッチな製品で、
同じメーカーが同じような商売、同じような製品を作りつづけても
何もかわりません。
「スカジャン博」「刺繍博」のようなイベントができないか、動いてみたいと思います。