２月24日のにっき

テヅカレスト

人生を登りつめて時間があるか、時間ないのに現実逃避してる人だけに備わる習慣、散歩。

今日は近くの河川敷で散歩してると、お金を配ってるおじさんに会った。
おじさんは黒革のポーチに手を突っ込んで、ぐしゃあって掴んだお札と小銭
を人に渡してた。

渡される人は最初は怪訝そうな顔をするけれど、ぐしゃあってなってるのがお金だってわかると眉をちょっと上げる。怪訝そうな顔をぎりぎり維持しながら受け取る。

おじさんは見境なくお金を配っていて、スポーティーな格好のランニングマンにもゆっくり歩くおじいちゃんにも配っていた。
犬を連れてるおばさんは、裏返したビニール袋でちょうどうんちを掴んでいるところだったから受け取るのにもたついてしまっていた。はやく受け取るために手をフリーにさせねばと、もたついて焦っちゃったのか、おばさんはうんち入りビニール袋をお金配りおじさんに渡した。おじさんは普通にビニール袋を受け取って、おばさんはあわあわしながらぐしゃあのお金を受け取った。無言のやり取り。傍から見るとお金配りおじさんがおばさんから犬のうんちを買ったみたいになってて面白かった。


ずっとチラチラ見てたら、おじさんがこっちに気付いた。こっちを見ながら黒革のポーチに手を突っ込んだので、心臓がバクバクする。

おじさんはぐしゃあって掴んだものを私に差し出した。私は「そんなに他人が惨めに見えますか」と言って受け取った。家に戻って数えたら4,056円だった。

「なんでお金配ってるんですか？」って聞いたら
「僕は、人より好き嫌いが多いからねぇ……罪を償ってるんだよ……」って言われた。怖かった。

そのお金でカラオケに行けたので良い一日だった！


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