見出し画像

ちょっと変わったカーシェアリングを展開する「Vay」とは?

「カーシェアリング」のスタートアップというと、ロボタクシーによる自動運転を想像するのではないだろうか。2019年に設立されたスタートアップ「Vay」は少し違うアプローチで事業を展開する。

無人の車がやってくる

Vay HPより

顧客がVayアプリを使って車を呼び出すと、確かに無人の車がやってくるが、よくある「自動運転」ではない。オフィスにいる従業員が車を遠隔操作し、顧客の元に車を届けているのだ。

顧客は到着した車に乗り込み、自分で運転して目的地まで向かう。その後、車は再びテレオペレーターによって元の場所に戻される。

資本コストを抑えられる


Vay HPより

Vayの共同創業者兼CEOのトーマス・フォン・デア・オーヘ氏は、このテレオペレーション技術が将来のモビリティの姿を形作ると確信している。「ボタンをクリックするだけで、テレドライブ対応のバンやトラック、プライベート車両が手に入るようになる」と語る。

テレオペレーション技術は資本コストが低いため、今後5〜10年以内にどのような車でもテレオプ対応になるとオーヘ氏は予測。Vayは自動車メーカーやカーシェア、トラック業界などにテレドライビングプラットフォームを提供することを目指している。

すでに同社は2つの契約を獲得している。今年初め、プジョーと提携し、E-308電動バンにテレドライビング技術を搭載してテストを実施。また、ベルギーのカーシェア企業Poppyとも提携し、その車両にテレオペレーション技術を試している。

価格が成功の要因

Vayは今年初めにラスベガスでサービスを開始し、現在15台の車両を運用。1月以降、3,000回のトリップを完了し、月間20%の成長を続けている。今後、6〜9か月以内に100台の車両を投入する計画だ。

価格が成功の要因となっており、VayはUberやLyftのライドシェアサービスの半額で提供している。この価格設定が顧客を引きつけ、特に地元住民や通勤者のリピーターを獲得している。ただし、この競争力のある価格設定が利益率に影響を与えている。

車両を大量に保有することなく、スケールを拡大することで利益を出すことができるという。価格を調整すれば早期の利益達成も可能だが、現時点ではその予定はないという。一方で、「ライドシェアより20〜30%安ければ十分な価値提案になると信じている」とも述べている。


引用


いいなと思ったら応援しよう!